コーヒーと昼寝を組み合わせた『コーヒーナップ』はご存じですか?
『コーヒーナップ』とは、コーヒーに含まれているカフェインの効能を利用した昼寝の手法のひとつ。手軽に実践できて効果が表れやすいことから人気を集めています。
「昼寝は時間の無駄」と思う人も多いかもしれませんが、昼寝は集中力を高め、勉強の効率を上げてくれる最高のアクション。
福岡県の高校で昼寝を導入したところ、昼寝が授業への集中力、勉強のやる気、成績の向上に繋がったという報告があります。
参考元:日経メディカル
昼寝をしても効果が出なかった人は間違った昼寝をしているかも?!
今回の記事では話題のコーヒーナップを含め、正しい昼寝の6つのポイントを徹底解説いたします!
目次
【ポイント1.体内リズムを整える】
まず、効果的な昼寝を成功させるためには体内リズムを整えることが大切。
眠気が起こる理由には
- 体内リズム
- 睡眠不足
が原因にあるといわれています。
午前中は眠気を感じなかったのに午後に眠気を感じることはありませんか?
これは人間の体温と体内リズムが関係しています。
人間は体温が高くなると眠気を感じ、午後は体温が高くなるピークなので、午後の眠気は体内リズムに沿った自然な流れといえます。
ただし、この眠気に睡眠不足が加わると異常な眠気を引き起こします。
睡眠評価研究機構の白川氏によると「睡眠時間が5時間を切る日が続くと、脳はチューハイを数杯飲んだときと同じくらい機能が低下する」と指摘されています。
昼寝で速やかに体力を回復させるためにも、不規則な生活は勉強の敵と考えましょう。規則正しい就寝・起床を心がけ、体内リズムを乱しやすい就寝前のスマホや勉強は控えてください。
【ポイント2. 昼寝は15分~20分で行う】
昼寝を長く取りすぎたり、深く眠りすぎてしまうのはNG。
昼寝を長く取ると睡眠慣性というだるさを引き起こし、深く眠り過ぎると夜の睡眠を誘う睡眠物質が減少し眠れなくなります。
眠気の科学を研究する広島大学大学院の林教授によると、昼寝に最適な時間は15~20分。(20分の中で5分は寝付きにかかるまでの時間を指します)
参考元:ネスレ日本株式会社 広島大学大学院 林光緒教授インタビュー
昼寝をしたら逆に眠くなった経験がある人もいるかもしれません。
昼寝を始めて3日目までは寝起きの5分間で眠気が起こることが研究で分かっています。3日目以降には寝起きにだるさや眠気が起こらなくなるので、
まずは5日間、15分の昼寝を実践してみましょう。
【ポイント3.昼寝前にコーヒーを飲む】
2007年の研究論文によると、コーヒー単体よりも昼寝と組み合わせた方が眠気の予防に効果的というデータが出ています。
また、同研究では起床後に冷水を浴びたり、光を浴びるよりも昼寝前にコーヒーを摂取した方が目覚めやその後の作業結果によい結果が出ています。
参考元:午後の眠気対策としての短時間仮眠
コーヒーのカフェインの99%は45分以内に胃や腸から吸収され、15~30分後に効果が表れます。
カフェインが効果を発揮するまでの時間を考慮すると、昼寝の直前にコーヒーを摂取することで、起床時にカフェインの効果が表れ、寝起きのだるさや眠気(睡眠慣性)を防ぐことができます。
昼寝前のコーヒーは濃い目のコーヒー1杯程度、カフェインの覚醒作用が表れる75mgが目安です。
実際にコーヒーナップを試して感じたメリットとデメリットをまとめてみました。
コーヒーナップのメリットとデメリット
- どこでも手軽にできる
- コーヒーの香りでリラックスできる
- コーヒーブレイクを合図に勉強のオンオフを作りやすい
- 寝起き後の眠気やだるさがない
- 作業をすぐに再開できる
- 夜間に行うと睡眠不足になりやすい
(寝る直前は寝付けなくなります。時間帯に注意しましょう。) - コーヒーの準備が面倒
(自宅ではすぐに飲めるドリップ/インスタントコーヒー、缶コーヒーがおすすめです。) - ホットコーヒーを飲み終わるまでに時間がかかる
(猫舌の人はアイスコーヒーでもOKです。) - コーヒーが飲めない人はできない
(妊娠している女性やアレルギーのある人は要注意です。)
コーヒーナップを試したところ、ミルク・砂糖入りよりもブラックの方が効果が強いように感じました。ミルクや砂糖でよりリラックスできる人もいると思うので、飲み比べて好みのコーヒーを探してみてください。
【ポイント4.昼寝前に自己暗示を行う】
広島大学大学院の林教授は、コーヒーナップに加えて昼寝前の自己暗示を勧めています。
昼寝前の自己暗示
「15分後に起きる」と暗示を行うと自然と起床に向かって心拍数が上昇し、起床後の眠気が低減される
実際に昼寝前に自己暗示を試したところ、アラーム音を聞いた時の「起きたくない」という自分の意志がいつもより弱く、無理なく起床できました。
自己暗示は1度だけよりも複数回行った方が効果的◎
また、自己暗示は自分に暗示を認識させることが大切なので、声に出したり、紙に書く方法もおすすめです。
【ポイント5.アラーム音に好きな音楽を選ぶ】
「起きられなかったら嫌だから…」という理由で警告音や止めたくなるような苦手な音をアラーム音にしていませんか?
2007年の研究論文には、好みの音楽は覚醒水準(目覚めやすさ)を上昇させ、寝起き後の気分の快適さと眠気やだるさの低減に役立つと報告されています。
参考元:午後の眠気対策としての短時間仮眠
同論文では好みの曲かつテンポが速く、明るい興奮的な楽曲が有効的とされています。好きなアーティストの曲から寝起きの自分を元気づけてくれるような曲を選んでみましょう。
【ポイント6.首が痛くない姿勢で寝る】
昼寝はうつ伏せ寝かヘッドレスト付きの椅子で行います。
ヘッドレストが付いていない椅子で行うと寝ている間に首が痛くなり、寝起き後の不快感を引き起こします。
カフェや図書館で人目が気になる時はうつ伏せ寝がおすすめ。寝ている顔を他人に見られることなく、光を遮ることができるので目を完全に休めることもできます。
参考元:ネスレ日本株式会社 広島大学大学院 林光緒教授インタビュー -仮眠のテクニック-
まとめ
昼寝の6つのポイント
- ポイント1.体内リズムを整える
- ポイント2.昼寝は15分~20分で行う
- ポイント3.昼寝前にコーヒーを飲む
- ポイント4.昼寝前に自己暗示を行う
- ポイント5.アラーム音に好きな音楽を選ぶ
- ポイント6.首が痛くない姿勢で寝る
明日から15~20分の昼寝を5日間実践してみましょう。正しい昼寝を身に付ければ、午後の作業効率だけではなく一日の疲労感や効率も向上させてくれます。
コーヒーナップには、美味しいコーヒーとお気に入りの音楽を忘れずに ♪