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本当に意味ある?一度は考えてみたい「勉強法」の必要性

あなたには何か意識して取り組んでいる勉強法はありますか?
それとも「勉強なんて努力あるのみ!」と根性で乗り切ってしまうタイプですか?

世の中に「勉強法」と呼ばれるものは星の数ほどあります。
どれもそれらしい顔をしているような、一方で胡散臭いような……そんな雰囲気を漂わせています。

果たして、こういった勉強法というものは本当に意味のあるものなのでしょうか?
今回は少し趣向を変えて、一歩ひいた視点から勉強法の必要性について考えてみたいと思います。

勉強法で学力が向上した実話

実際に勉強法で学力が向上したという話で言えば『ビリギャル』がやはり有名でしょう。

正式なタイトルは『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』で、映画化もされるなど大ヒットした実話小説です。

著者は、このモデルとなった女子高生さやかを実際に指導した個別指導塾の講師・坪田信貴氏です。

さやかは「高校2年生にして小学4年生レベルの学力」とも称されるほどでしたが、坪田氏が心理学を活用したテクニックや勉強法を用いて、彼女の学力を大きく向上させたというストーリーです。

彼女の成功は、坪田氏の勉強法なしにはあり得なかったでしょう。そう見てみると、やはり学力を高めるために勉強法というものは必要がありそうです。

彼らが特別なのか?

しかし、読者の方々の中から、これには懐疑的な意見も出るかも知れません。

彼女は、そもそも中学受験で入った良い学校にいたとか、大学の受験科目も限られていて少なかったとか、そういったウラ話をご存知の方もいるかもしれません。

そうなってくると、単に勉強法のおかげだけとは言えないのでは?というのはもっともな話です。

ただ、それでも彼女はその勉強法によって学力を大きく向上させたわけですし、このストーリーが実話であることにも間違いはありません。

また、こちらの記事でもご紹介した『バカヤンキーでも死ぬ気でやれば世界の名門大学で戦える。』の著者・鈴木琢也さんも、所謂「ヤンキー」でしたが一念発起して勉強し、アメリカの名門大学に合格を果たしています。

本に書かれたストーリーではありますが、彼らが世間一般とは全く異なる特別な存在というわけではなく、彼らに限らず何かの勉強法と出会い、それぞれの目標を達成したという人々は世に数多くいます。

「学力」は単純じゃない

とは言え、それでも「学力」というものに関わる要素は多岐にわたりますし、実際にどれだけの時間を勉強に割くことができるのかなど、状況は人それぞれの個別的なもので、一概に言えることなどないのではないか?とお考えの方もいるでしょう。

確かに、条件は人によって異なっているので、スタート地点からして揃っておらず、平等ではないのかもしれません。勉強法を実践すれば即ち学力が向上するとは言い切れないのも事実です。

例えば『ビリギャル』にある勉強法をそのまま自分に当てはめてみても、自分には合わなかったり続かなかったりするかもしれませんし、世に出回っている勉強法には実は間違っていた、なんてこともあります。

でも、だからこそ科学的に有効で、なおかつ自分に合った勉強法を取り入れる必要性があるのです。

勉強法への科学的アプローチ

人それぞれだとしても、同じ「人間」であることには変わりありません。

個体差や取り巻く状況の違いがあっても、「人間」が勉強をする以上、そこには脳科学心理学を活用したアプローチの入り込む余地があり、それらによる勉強法の改善は可能と言えます。

脳科学は紀元前から始まったと言われ、今なお研究の進んでいる分野です。つい近年2017年にも、まさに勉強に関わるところでありますが、記憶に関する研究に前進が見られています。

参考 脳とは「記憶そのもの」だった──「記憶のメカニズム」の詳細が明らかに

また、心理学については脳科学よりも若い学問と言えるかもしれません。もともと思想や哲学の一部であったと言える心理学ですが、一つの学問として独立したのは1870年代であるとされています。
忘却曲線で有名なエビングハウスは「心理学の過去は長いが歴史は短い」という言葉でそれを表現しています。

心理学の分野における研究テーマは数多いですが、その中で勉強に関する研究も日々進んでいます。

あなたなりの勉強法を!

脳科学的な見地からの勉強に関する重要なポイントを一つご紹介して今回の結びとしたいと思います。

記憶に関する研究の専門家である、東京大学の池谷裕二教授が漢検のウェブサイトにおけるインタビューにて述べています。

インプットとアウトプットだと、勉強には圧倒的にアウトプットが大きな意味を持つ。

読んで覚えることは受動的、解くために取り出すことは能動的で積極的な行為であり、アウトプットの方が、脳に負荷がかかるからです。

これは、「テスト効果」と呼ばれるもので、「詰め込み」のイメージがある勉強ですが、それよりも「必要な時に必要な情報を取り出す」練習のほうが三倍ぐらい効果がある、というのです。

とすると、ひたすらに教科書や参考書を読み込んで、必死に覚え込もうとするような努力はロスが大きいということになります。そしてこれは、この十数年の研究で分かってきたことなのです。

参考 私の好きな漢字と漢検 vol.6 池谷裕二さん (後編)一番の勉強法は必要な時に必要な情報を取り出すこと

確かに、いざという時にはガムシャラになって、必死で頑張ることが必要になるかもしれません。
ここぞという場面で踏ん張る根性も、ときには必要でしょう。

しかし、そればかりではムダが多く、自分にストレスをかけるばかりになってしまうかもしれません。

当サイトでご紹介している科学的に効率的な勉強法を実践してみて、その中で自分にピッタリの方法を是非見つけてみてください!

よろしければ、こちらの記事もご参考になさってください。

手続き的記憶を利用した効果的な暗記方法

小学生の宿題から考える、繰り返し勉強法の効果とは?

Categories: コラム
Tags: 分析心理学暗記方法脳科学