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「6才児に説明できなければ、理解したとはいえない」アインシュタインに学ぶ理解の意味

アインシュタインの言葉に「6才児に説明することができなければ理解できたとは言えない」という名言があります。

とは言うものの、実際には6才児に教えるような工程を踏まずに、理解したと判断することも多いのではないでしょうか。

アインシュタインの真意はどこにあるのか、本当に6才児に説明できる必要はあるのか考えてみましょう。

理解とは何か

まず理解とは何か考えてみましょう。
少なくとも教科書に書かれた知識をただ記録しているだけでは理解したことにはなりません。

例えば数学の公式を理解したと言うには公式をただ暗記して使えるだけではいけません。
どのような過程で証明されたのか
どのような場面で応用できるのか
など、その公式が存在している意味をよく知る必要があります。

なぜその知識が存在しているのか。
その意味に気づいて初めてその知識を少しでも理解できたと言えるのです。
それが「6才児に説明できるほどの理解」すなわち、完全な理解への第一歩なのです。

では完全な理解に至るまでにはどうすればいいのか、そこに至ることで何が得られるのか、理解することの意義に触れながらもう少し考えてみましょう。

完全に理解できているとどうなる

知識を理解していると次のようなメリットを獲得できます。

  • 知識を応用し、様々な問題に対応できる
  • 勉強が好きになりモチベーションが上がる
  • 誰かにその知識を教えることができる
  • 誰かを説得し動かすことができる

勉強が好きになりモチベーションが上がる

さて学校の勉強も資格勉強も全てはあなたが将来仕事や私生活に活かすために学んでいるものになるはずです。

しかし教科書の問題を解いただけでは何に活かしていいのか、自分にとってどのような得があるのか全く想像がつかないと思います。これもまた理解不足によるものです。

知識を完全に理解している人や勉強が好きな人は、ただ知識を記憶するだけではなく世の中でどのように使われているのか、どのような問題を解決できる(できた)のか、よく知っています。
誰しも意味のないことを覚えるのは得意ではないですし、好きにもなれません。

何の役に立つか分かっているからこそ、彼らはモチベーション高く知識を学び、またよく応用し使うことができるのです。

誰かにその知識を教えることができる

理解している人に与えられた最高の特権が、誰かにその知識を教えることです

アインシュタインが言う通りに6才児に教えることができなければ理解できたとは言えないが事実だとすれば、逆に理解できていればどんなに習得が難しい知識でも、その意味を6才児に教えることができるということです。

とはいえ理解していなくても教壇に立っていたり講師をしている人を見ることも少なくありません
教科書を読み上げて正しい答えを教えることができれば先生として成り立っているのが実情です。

しかしそれでは教え子に知識を理解させることは できないのです。
生徒が真に知識を理解し優秀な人材として世に羽ばたくためには、教える側もまたその知識をよく理解した優秀な人材である必要があると言えるでしょう。

アインシュタインの出したハードルは講師を務める人間にとってとても高いものだと言えます。しかし、だからこそ全世界共通の一つの理想として、6才児に教えられるレベルの理解をおうことには非常に大きな意義があります。

誰かを説得し動かすことができる

誰かに知識を得ることができるということは、 ある知識や物事行動の意義を誰かに説明できるということです

論理的で正しく、日常生活を投影した説明は、わかりやすく共感を覚えた説明として人に受け入れてもらいます。そうした説明ができてこそあなたは人に自分のビジョンを伝え人を動かすことができるのです

逆に言えば人を動かすためには、自分がどうしたいのか相手に何をして欲しいのか、よく理解して人に説明しなければならないということです。

あなたがリーダーシップを発揮しなければならない立場であるならば、またはそうなりたいのであれば、やはり理解は非常に大切な要素なのです

他人に説明をし理解してもらうための条件

次いで知識を理解してもらうための条件を考えましょう。

重要なのは下記のポイントです。

  • 相手の人生に関連していること
  • 相手の知らない言葉を使わないこと

相手の人生に関連していること

知識を教えるときまずはその人が既に持っている知識や経験に紐づけて教えることが必要です。

6才児に足し算を教えるときミカンやリンゴを 使って計算をさせてみるように、新しい知識が今までの経験や知識と無関係でないことを説明しなければ、人はその説明を理解することもできなければ記憶することもできません

難しい知識を説明するにあたって相手の人生と関連付けるさせるためには、やはりあなた自身がその知識の意義と世の中でどう使われているかをよく知っておく必要があります。
そして、そこまで出来て初めてその知識を理解したと思え、アインシュタインはそう言っているのではないでしょうか。

相手の知らない言葉を使わないこと

何か知識を理解して欲しい時に、相手にとって知らない言葉が出てきてしまうとその相手はただでさえ知らない知識を理解する努力が必要なのにさらに未知の単語への努力を強いられてしまいます。

端的に言えば専門用語を使わずに専門的な知識を説明することが教える側の人間にとって必要な能力なのです

説明することの意義

ここまで長くなりましたがぜひ、読者の皆さんにもよく知識を理解して人に説明するという機会を多く踏んで頂きたいと思っています

あなたが教師でもリーダーでもなかったとしても、人に知識を教えることであなたの理解は深まりより賢くなることができるのです。

教えた物事はあなたの記憶にも強く刻み込まれ、 その他の知識と比べ忘れづらくなります

他人に説明することはきっとあなたが思うよりも難しくすぐにうまくできるようにはならないでしょう。
だからこそ場数を踏むことで、どのような順序でどのような言葉なら人に伝わるのか、経験を得ることができるのです。

そして 誰かのために知識を教えたいと思うことが、自分にとっても勉強をするモチベーションに繋がります。

分かりやすく伝えるために実際に使われている例を探したり、例え話を考えたり、そうしているうちにまだ分かっていないような事実を見つけたりできます

あなたや周りの人の勉強ライフを充実させるためにも、ぜひアインシュタインの言葉を思い出して周りの人に自分の知識を教えてあげてください。

Categories: コラム
Tags: 分析復習