読者のみなさんの中で、瞑想の習慣をお持ちの方はいらっしゃいますか?
おそらく、あまり多くはないでしょう。
実は、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツ、松下幸之助といった一流経営者やイチローのような一流スポーツ選手に至るまで、多くの著名人が活用している実践的なトレーニングなのです!
一日の中で瞑想をする時間を少し持つだけで、脳波に大きな影響が発生するのです!
今回は瞑想がもたらす脳波への影響と、それによって得られる効果についてご説明していきます。
計測不能の脳波
アメリカはウィスコンシン大学における実験で、チベットの仏教僧であるマチウ・リカール氏の脳波が計測されました。
その結果、なんとメーターを振り切るほどのガンマ波が検出されました。この数値は脳科学の文献においてはこれまで一度も報告されたことのないレベルだったというのです。
彼はのべ5万回以上も瞑想を重ねたベテラン僧侶ですから、チベット僧の中でも特別な存在です。
そのため、彼の他にもまだキャリアの浅い仏教僧たちも脳波の計測を行いました。
その結果、まだ一日20分の瞑想を始めて3週間というものであっても、一般人と比べたときに脳の活動の違いが顕著だったのです。
つまり、瞑想の効果はリカール氏だけの特別なものではないということがこの実験によって明らかになったのです。
誰でも、習慣化することで脳を活性化できるのです
ガンマ波とは?
では、リカール氏ら仏教僧たちの脳から検出されたガンマ波という脳波は、一体どのような性質を持つものなのでしょうか?
ガンマ波はその人の幸福感を高め、さらに集中力と記憶力にも向上効果があるのです。
脳波の効果以外にも瞑想には複数の効果があります。
- DMNを抑制
- 抗うつ作用
- 集中力・注意力の増進
脳のアイドリングストップ
瞑想はDMNを抑制できます。
DMNとはデフォルト・モード・ネットワークの略で、いわば「脳のアイドリング」のような状態です。
脳が意識的な活動をしていないときでも常に動いています。
問題なのは、このDMNが脳のエネルギー消費全体の6〜8割を占めているということです。
自分が休んでいると思っていても、このDMNが常に活動していてエネルギーを消費しているので、これが脳の疲労の原因の一つになっています。
また、DMNの使いすぎは反芻思考と呼ばれるネガティブな思考の反復につながるとも言われています。
瞑想にはそのDMNを抑制する効果があると、マサチューセッツ大学の研究で分かっています。
それができれば、ネガティブな思考からの解放の一助になる上、脳のエネルギー浪費を抑えることができます。
抗うつ作用
先述の脳波、ガンマ波は「天然の抗うつ剤」の異名を持ち、不安障害とうつを緩和することができると言われています。
上述のDMN抑制と相まって、ネガティブな考えにとらわれてモチベーションを奪われてしまうことを防いでくれます。
特に、学校の受験や資格の試験を控えている人は、自身のメンタルの管理も非常に重要な事項の一つです。
脳内でガンマ波が優位になればエネルギーを増進でき、よりしっかりと勉強に取り組むことができるでしょう。
集中力・注意力の増進
実験においてキャリアの浅い修行僧たちにも見られたように、脳機能が大きく向上しており、その中でも顕著なのが集中力と注意力の向上だということです。
勉強において、集中力・注意力、ともに非常に重要な要素であることは言うまでもないでしょう。
例えば一日20分、瞑想のために使ったとしても、前述の効果と合わせて時間あたりの学習効果が高くなれば、掛け合わせた成果を大きくすることができるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
脳波計を振り切るほどのガンマ波……は目指さなくとも、一日少しの時間だけでも取り入れれば、脳に大きな良い効果を得られるであろう瞑想。
明日からの生活に取り入れることを検討してみてはいかがでしょうか!
(参考)
TOCANA | 瞑想中のチベット仏教僧の脳波を調べてみたら大変なことになっていた! 瞑想が脳にもたらす7つの効能を徹底解説!
情報処理学会 | 簡易脳波計による学習時の思考と記憶の比較分析