研究論文から読み解く!集中力を高める4つの方法

集中力

当記事では「研究論文から読み解く!集中力を高める4つの方法」についてご紹介します。

勉強の質を上げる重要なキーワードは「集中力」

2015年のマイクロソフトによる研究では、人間の集中力の持続時間はたったの8秒と発表されました。2000年の実験で12秒だった人の集中力は年々減少し、その背景には現代社会における情報過多があると言われています。

(参考:Microsoft Canada | Attention spans

つまり、自分の周囲の情報を制御し、集中力が高まる環境さえ作ってしまえば作業の質は自然と向上するはず。今回はさまざまな研究論文を元に、集中力を高める4つの方法をご紹介したいと思います。

集中力を高める環境づくり

勉強や仕事で集中力の質を高めるためには、まずは環境づくりが第一歩になります。

人間の集中力を削ぐ原因のひとつは騒音です。試験や授業が静かな環境で行われるように、騒音のある環境で人はなかなか集中することはできません。

2010年に発表された論文によると、最も学習を阻害する音の種類は会話音のような言語情報を含む騒音とされています。つまり、人の話し声が最も学習の効率に悪い影響を及ぼすことがわかります。

集中力を高めて勉強や仕事をしたい時は、話し声の少ない静かな環境を選びましょう。騒音の多い場所での作業は耳栓を使って音を遮断する方法も手段の1つです。

ただし、同論文内では騒音による影響はインプットよりもアウトプット時の方が影響を受けやすいことが示唆されています。

つまり、静かな環境で勉強しても騒音の多い教室や試験会場で実力が発揮できない可能性があります。本番で実力を十分に出し切るためにもカフェなどの雑音が多い場所でアウトプットの練習もしておきましょう。

(参考論文:教室内音環境が学習効率に及ぼす影響

集中力を生み出す朝食

勉強や仕事は運動と同じように体のエネルギーを消費します。例えば30分の勉強のカロリー消費量は約22kcal~27kcal。20kcalは女性が家で軽い運動を10分行った消費量に匹敵します。

(参考:CLUB Panasonic(クラブパナソニック) ダイエットナビ エクササイズ 運動・生活活動の消費カロリー 勉強:ノートをとる、討論をする等

集中力を1秒でも多く持続させるためには、朝食の摂取を徹底しましょう。忙しくて朝食を抜いていたり、朝ごはんを食べると気持ち悪くなってしまう人も多いかもしれませんが、朝食を取ったか/取っていないかで、1日の集中力の持続時間は大きく変わります

2008年に大塚製薬が発表したデータによると、朝食を抜いた人よりも朝食をきちんと食べた人の方が午前中の疲労感や作業への集中度、暗算作業能率が高いことがわかっています。
特におにぎり、食パンだけなど糖質のみの朝食より、タンパク質や脂質が入った朝食を取った人の方が集中力がより高い結果に

集中力を高めたい日は卵やベーコン、魚などのタンパク質、脂質を含むバターや油、豊富なビタミンが取れるサラダなどバランスのよい朝食を心がけましょう。

(参考:大塚製薬|食事の内容が脳と体のパフォーマンスに影響

集中力を維持する飲み物

長時間の勉強や仕事での集中力の低下は誰しも避けられることではありません。読者の皆さんは集中力を維持させるためにどんな飲み物を飲んでいるでしょうか。

リフレッシュできる炭酸飲料、栄養補給をする野菜ジュースなど好みは分かれますが、大半の人が思い浮かべるのはカフェインが含まれるコーヒーやエナジードリンクですよね。

皆さんがご存じの通り、カフェインには眠気を覚まし脳を覚醒させてくれる作用があります。では、本当にコーヒーやエナジードリンクは集中力に影響するのでしょうか?

2016年に発表された論文によると、コーヒーを摂取しなかった大学生よりもコーヒーを摂取した大学生の方が単語を記憶する実験で良い成績を残しています。また、単語を記憶するだけではなく関連する事柄をアウトプットする関連推察の能力も優れていました。

例えば英単語を覚える単純な作業だけではなく、文法を組み立てたり、読解するという複雑な作業にもコーヒーのカフェインがうまく作用する可能性があります。

ただし、ここで注意したいのはカフェインの摂取量です。

同論文ではカフェインの大量摂取は身体を過剰に興奮させ作業記憶を悪化させると指摘されています。つまり、エナジードリンクなど過度に大量のカフェインが含まれている飲み物は、集中力に逆効果になる可能性があるかもしれません。

集中力を維持してくれるカフェインですが、摂りすぎには注意しましょう。

(参考論文:コーヒー/カフェイン摂取と生活

集中した脳を休ませる音楽

勉強や仕事をハードにこなさなければいけない期間はこまめに休憩を取ることも大切です。集中力を高めると同時に、集中した脳を適度に休めることも心がけてみましょう。

勉強や仕事から解放してくれるアイテムのひとつといえば、音楽です。オルゴールの音を聞くと自然と眠くなったり、雨の音や川のせせらぎなどを用いたヒーリング・ミュージックを聞くと心が落ち着いた経験はありませんか?

音楽は聞くだけで身体を自動的に休めてくれる効果的な休憩アイテムです。

2013年の論文によると、作業の合間にクラシックを聞きながら休憩を取った人と聞かずに休憩を取った人では、休憩中に音楽を聞いた人の方が休憩後の作業に対しても集中力が持続し、心地よく快適に作業を遂行できたことがわかっています。

また、同論文では作業の間で10分休憩を取るだけでも作業者の緊張や疲労が緩和されていることがわかりました。

長期間の試験勉強や大きなプロジェクトの準備は心身ともにストレスが蓄積されていきます。こまめに休憩を取り、音楽というアイテムで一度脳と体をしっかりと休めましょう。

(参考論文:休憩時の音楽聴取がストレス緩和と作業に与える影響について

まとめ

集中力を高めるためにはしっかりと朝食を取り、静かな環境で適度なカフェイン摂取を行い、こまめに休憩をしながら作業をしましょう。また、テストやプレゼンの日を想定して、あえて雑音のある環境で作業をすれば、どんな状況に陥っても能力を発揮できる自信に繋がります。

長期性が予想される試験やプロジェクトは、自分がリラックスできる音楽や動画、カフェなど精神的に辛い時の避難場所を準備しておくと上手に休めます。

今回の4つのポイントを踏まえながら集中力のオン/オフをコントロールして、集中力を高めていきましょう!

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