好きな香りに囲まれて勉強!集中力・記憶力UPする精油はどれ?

アロマテラピー

声に出す、目立つ色で重要なポイントをまとめる、手を動かす・・・

このように五感を働かすことで勉強効率を上げることができます。

この記事では五感の中でも嗅覚にスポットライトを当て、香りと勉強の関係をまとめました。

勉強する時にオススメの精油と使い方も紹介していますので、記事を読んだ後にすぐ実践できます。

精油(エッセンシャルオイル)って?

精油(エッセンシャルオイル)は植物から抽出した揮発性の物質で、植物の香り成分が多く含まれています。
精油の香りを使った自然療法のことをアロマテラピーといって、心身のトラブルなどに効果があります。

日本ではリフレッシュ・リラックス目的がメインですが、ヨーロッパでは予防医学として精油を使用することも。
脳や自律神経の働きに影響を与える精油もあり、精油の成分についての様々な研究も行われています。

嗅覚と記憶の関係

嗅覚情報の伝達

視覚や聴覚などの情報は脳の視床と呼ばれる中継部位を経由して、大脳皮質・辺縁系それぞれに分かれ伝達するのに対し、嗅覚の情報は辺縁系にダイレクトに伝達されます。

脳の辺縁系は喜怒哀楽・好き嫌いなどの感情や意欲、食欲・睡眠欲・性欲などの本能を司る部位です。
このことから、嗅覚情報は脳へ到達するスピードが速く、かつ本能的な感情や行動に影響が大きいことが分かります。

このような嗅覚のメカニズムがあるため、精油は心身に働きかけることができるのです。

プルースト効果

香りで昔の記憶がふと呼び起こされることを「プルースト効果」と言います。

  • 好きだった人と同じ香水の香りで、ほろ苦い思い出が浮かぶ
  • お菓子屋さんの甘いお菓子のにおいで、子供のころの楽しい記憶がよみがえる

あなたはこのような経験をしたことがありませんか?

香りというのは記憶と強く結びついているため、特定の香りの刺激で記憶の扉が開くようです。

辺縁系には、記憶を司る「海馬」と感情を司る「偏桃体」があります。
プルースト効果は嗅覚情報が辺縁系に伝達された時に海馬が刺激され、記憶がフラッシュバックするという流れで起こるようです。

自分にとって得になるもの(食料や仲間や住処など)のにおいは「いいにおい」「好きなにおい」とインプットされ、そのにおいと記憶が結び付きます。
いいにおいを感じた時に、過去の得した記憶が思い出され、積極的にいいにおいがするものに近づこうとします。

逆に自分に害となるもの(天敵や不衛生な場所、腐敗した食料)のにおいは「嫌いなにおい」とインプットされ、そのにおいを避けることで危険を回避できるのです。

つまり、プルースト効果は生物の生存本能の表れと言えます。
このように香りと記憶の関係は強く、プルースト効果を暗記などに使えるのではないかという研究も行われています。

実際に小学生に香り付き消しゴムを嗅ぎながら漢字の暗記をするという実験では、正解率が1割程度アップしたという結果も。

今回は記憶力や集中力向上に効果がある精油を紹介いたしますので、ぜひ勉強の時に活用してみてくださいね。

記憶力を向上させるローズマリー

ローズマリーはシソ科のハーブで、松葉に似た細長い形をしています。
料理好きな方ですと、ローズマリーの香草焼きなどをイメージされるかもしれませんね。

アロマテラピーでは「記憶といえばローズマリー」というくらいポピュラーな精油です。

イギリス・ノーザンブリア大学でローズマリーの香りが記憶に与える影響についての実験が行われました(Moss et al.,2003)。

実験の結果、ローズマリーの精油を拡散させた部屋で課題に取り組んだ人達は、無臭の空間にいた人に比べ、記憶の質・長期記憶の向上が見られました。

実はローズマリーの香りの効果が科学的に検証されていない時代から、ローズマリーは記憶と関係があることが知られていたようです。
シェイクスピアの「ハムレット」では、ヒロインのオフィーリアが「私のことを覚えていてね」と追憶のしるしとして、ローズマリーを差し出すシーンが描かれています。

There’s rosemary, that’s for remembrance; pray,
love, remember: and there is pansies. that’s for thoughts.

これはローズマリー、追憶のため、
愛しい人よ、覚えていて
そして、ここにパンジーが、これは想いのため

(ウィリアム・シェイクスピア 『ハムレット』 第4幕第5場)

また、ローズマリーの花言葉の一つにも「記憶」があります。

そんな記憶と関係が深いローズマリーの精油はスーッとする清涼感のある香りで、脳のスイッチを入れるのにも効果的。

勉強する時に積極的に使っていきたい精油です。

ケアレスミスに効くオレンジ・スイート

オレンジの果皮を圧搾して抽出した精油がオレンジ・スイートです。

このオレンジ・スイートの精油を用いた実験で、計算ミスが減らせることが分かりました(熊谷・永山,2015)。

この実験は小学6年生38名を対象として行われ、オレンジ・スイート精油の芳香浴の前後で百マス計算を行い、誤答率を調べました。
その結果、オレンジ・スイートの芳香浴をした群はしていない群に比べ、計算ミスが三割少ない結果に。

脳の前頭前野の血流量も、芳香浴をした群は早い段階から増加していることから、オレンジ・スイートによって集中力が高まることも分かりました。

ケアレスミスを減らす以外にも、落ち込みやマイナス思考から抜け出せない時や、消化器の不調に効くオレンジ・スイートの精油。
緊張をほぐしてくれるのでハンカチに含ませておいて試験前に嗅ぐのも効果的です。

とても美味しそうな柑橘の香りで、アロマ初心者さんにもオススメの精油です。

やる気アップにグレープフルーツ

前述のオレンジ・スイートと同じ柑橘系で、少し苦味を感じる香りのグレープフルーツの精油。
すっきり爽やかな香りなので、甘い香りが得意ではない男性でも使いやすい精油です。

このグレープフルーツの香りには交感神経を刺激して、脳や身体を活性化させる働きが。

臓器の働きを調整する自律神経は交感神経と副交感神経の2つで成り立っていて、交感神経が優位な時は身体や脳が臨戦態勢に、副交感神経が優位な時はリラックスモードになります。

なんとなくやる気がでない、ダラダラしてしまう時は交感神経の働きが鈍っているので、グレープフルーツの精油で交感神経を刺激してあげると脳のスイッチが入りやすくなります。

あと、グレープフルーツの香りには脂肪燃焼・食欲抑制などダイエット効果もあるので、受験勉強でちょっと太っちゃったなんて悩みにも効きますよ。

リラックスできるラベンダー

ラベンダーはアロマテラピーで一番有名な香りでしょう。

先程のグレープフルーツが交感神経を優位にするなら、こちらのラベンダーの香りは副交感神経を優位にしてくれます。

休憩時間や睡眠前にラベンダーの精油を嗅ぐことで、脳や身体をリラックスモードにすることが出来ます。

ラベンダーは筋肉の緊張をほぐしてくれるので、ラベンダーの精油をマッサージオイルに少量混ぜてあげると肩こり解消に効果的ですよ。

精油の使い方

基本としては、精油の香りを空気中に拡散させて使います(芳香浴)。

拡散させる方法としては、以下のような器具を用いるのが一般的です。

  • アロマポット・アロマランプ・・・過熱して揮発させる
  • アロマディフューザー・・・超音波振動などで拡散させる

お湯を入れたマグカップに精油を垂らして芳香浴する方法も簡単です。

あとは、

  • ハンカチやティッシュなどに精油を含ませる
  • スプレー容器に水と精油を入れ、使用前にしっかり振ってからスプレーする
  • 無香料のハンドクリームに精油を少量混ぜてマッサージ
  • お風呂に精油を垂らして入浴
  • 洗面器に40度くらいのお湯と精油を入れてハンドバス(手浴)

ハンカチに含ませる方法は場所を選ばずいつでも精油の香りを取り入れられるので、試験前にも使えて便利ですよ。

精油を使用する時の注意点

精油は天然成分だからどんな使い方をしても安全だろうと思われることがありますが、それは違います。

植物の成分を高濃度に濃縮しているのが精油なので、間違った使い方は危険です。

特に精油を肌につける時(ハンドクリーム、お風呂にいれる)は注意が必要です。

  • 皮膚につける時はマッサージオイルやクリームなどで希釈して使用(刺激があったら使用しない)
  • グレープフルーツなど光毒性がある精油を肌につけた状態で日光に当たらない。日光にあたると皮膚にダメージを与えてしまう。光毒性のある精油を肌に使う時は昼を避け夜に使用する
  • 体調不良、妊娠中、3歳以下の子供がいるときは使用を控える

芳香浴の場合はほとんど問題はありませんが、具合が悪くなったら即座に使用をやめてくださいね。

精油ごとに効果が違いますが、苦手な香りもあると思います。
他の精油とブレンドをして使用する方法もありますし、似たような効果がある精油に変えてみるのもいいでしょう。

ちなみに私はラベンダーの香りがあまり好きではないので、オレンジ・スイートとブレンドしたり、ゼラニウムを代わりに使ったりしています。

精油を使用する時に大切なのは、好きな香り・心地よく感じる香りを楽しむこと。

プラスの感情は脳の辺縁系を活発にしてくれて、記憶の保持にも効果的に働きます。

ぜひ、好きな香りの中で勉強してみてくださいね。

まとめ

今回は記憶力や集中力の向上などの効果がある精油を紹介していきました。

ポイント
  • 精油は植物から香り成分を抽出したエッセンスのこと
  • 嗅覚情報は感情や本能を司る辺縁系にダイレクトに伝達される
  • 記憶と香りの繋がりは強く、勉強時に香りを利用する研究が進んでいる
  • 好きな香りの精油を使用することが大事

精油は合成香料が使われていない天然成分100%のものを選んでくださいね。

お気に入りの精油で勉強の効率を上げていきましょう!

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