問題集の正しい選び方と使い方、それぞれの三原則とは?

問題集

勉強の際には一般的にテキストが必要になりますが、大きくわけると参考書と問題集に分かれます。その内、選び方と使い方が難しいのは問題集です。それには、参考書に比べて情報量が少ないため、どれも同じに見えてしまうという理由があります。

また、学校では新しいことを学ぶことが基本であるため、問題集の使い方まで教えてもらえないケースが多いという理由もあります。このような経緯から、取り扱いを間違えると勉強の効率が極端に低下します。

現に、一生懸命同じものを使い続けても、一向に学習効果が現れない経験をしている方もいるのではないでしょうか。そんな苦い思いをしないで済むように、今回は、問題集の正しい選び方と使い方について紹介します。

問題集を解く意味

問題集の選び方や使い方を誤ってしまう理由として、そもそも問題集を解く目的をはきちがえているケースがあります。まずは、問題集を解く目的を2つのポイントに絞ってご説明します。

理解度の確認

テキストを読んで理解したと思っていたことでも、実は問題を解いてみるとよく分かっていなかったというケースはざらにあります。また、難しい問題を解くことで、どのような知識が足りないのかを把握できるというメリットもあります。

問題集で少しでも多くの問題パターンに触れることも大切なのですが、自分の理解度を分析するのに効果的だということも知っておいて損はないでしょう。

知識の定着

いくら理解したことが多くても記憶に残らなければ学んだことになりません。そのため、記憶として定着させるためには何度もアウトプットして、脳に学んだことを必要な知識だと認識させる必要があります。その点、問題を解くことが合理的といえます。

問題を解く際には、学んだ知識を必然的に活用しなければならないからです。したがって、問題を解く目的の一つは知識の定着だといっても過言ではありません。

問題集の正しい選び方

問題集の目的を理解したところで、次は問題集の選び方についても考えてみましょう。店頭に並ぶ問題集は限りなく多く、どのように選べばよいのか迷ってしまいがちです。問題集を自信を持って選ぶための基準を3つご紹介します。

分厚いものより薄いもの

分厚い問題集だと、その分問題の量が増えます。すると、一問あたりの学習時間が分散されてしまい、結果として記憶の定着があいまいになりがちです。

また、分厚い問題集を見ると、一冊終えるまでに長時間かかるイメージを喚起させるので、やる気が減少してしまうデメリットもあります。薄いものを選ぶように意識してください。

解答を探すのが面倒な作りでない

問題集を利用する際に時間を浪費させる原因の一つが解答です。

最も非効率的になってしまうのが、一冊の中で後のページに解答が固まっているタイプの問題集です。問題の答えが何ページに載っているのかを確認してから、パラパラめくっていく必要があります。さらに、解答を見たあとに戻ろうとしたときに問題のページが閉じてしまうことがあるから厄介です。

そのような無駄を省くためには、見開きの左側に問題、右側に解答が書かれている問題集が理想的です。

とは言え、問題と同じ見開きに解答があるとそれが目に入ってしまう、という声もあるために、あまりそういった作りの問題集は多くないのも実情です。しかし、意識的に見開きにある解答を見ないようにさえできれば、勉強を効率的にすることができるので、そういった問題集を見つけたら、優先的に選んでいくことをおすすめします。

勉強環境に応じて選ぶ

それぞれの勉強環境を基準に選ぶことも実は大切です。独学の場合は誰かに質問ができないわけですがから、解説がたくさん載っているものが好ましいです。同様の理由から自分で調べて解決できるように難易度が標準レベルであることが条件となります。

一方、塾や家庭教師のもとで学習している場合は、解説してもらえる環境を生かさなければ損です。中級から発展レベルの問題が豊富なものを選び、ほかの人が悩む部分をサクサクと理解してしまいましょう。

問題集の正しい使い方

問題集の使い方を間違えると、一か月後に再び同じ問題が解けないということはよくありがちです。解いてもまた忘れている、解いてもまたわからない。これでは勉強時間が無駄になってしまいますよね。

その点を踏まえると、問題集を使うときに最も大切なことは、一度解いた問題を時間が経っても再び解答できるように工夫することだといえます。それでは早速正しい問題集の使い方をご説明しましょう。

わからないことは質問、調査する

問題集を解いた後に解答を読んで理解できないところが出てきます。それに対してどう対応するかどうかが、問題集を使いこなせるかどうかの分かれ目です。

知らなかった単語の意味や、その問題を解くまでに必要な知識を、参考書やネットで必ず調査しましょう。それでもわからない場合は友人や学校、塾の先生に質問するのも一つの手です。

解答部分に新情報を書き込む

問題集でわからなかったことを質問したり調査したりしても、一度納得しただけで記憶に残らなければ学習効果は現れません。解答部分に学んだことを書き込むことが重要です。

それを繰り返していくと、次第に解答部分に情報が充実していき、次に問題を解いたときに再度わからないことを調べる必要がなくなります。

この指針を徹底すれば、解答を見る回数に比例して、その問題の要点が記憶に自然と定着していくので、学習効果を実感しやすくなるというわけです。

イージーミスを記録する

新情報を書き込むほかにも、記録をしてもらいたいことがあります。分かっているのに解答を間違えてしまった原因です。具体的には、読み間違えた条件や、スペルが似ている英単語、使い間違えた公式などが挙げられます。

問題集を通してこのようなイージーミスの傾向をつかんでおけば、試験中に同じ間違いを減らすことができるはずです。

人間はミスをするものですから「絶対にミスをしない」ことは不可能かも知れません。しかし、それでミスを諦めるのではなく、事前にどのようなミスがしやすいかを把握していれば、それを減らすことは可能です。

漠然と「ミスをしないように気をつけよう!」と考えるのではなく「こういう場合にミスをしやすいから、その時はこうしよう」と具体的に注意・対策をすることが重要なのです。そのために、ミスを記録することが必要になってきます。

まとめ

以上、問題集の正しい選び方と使い方についてご説明しました。選び方次第で学習の効率が上がることや、使い方次第で学習したことが定着しやすくなることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

ただ、まだ問題集の選び方と使い方に自信が持てないという方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、本記事の冒頭で紹介した問題集を解く目的をしっかり意識することが大切です。

問題集を解く目的は、知識の定着と理解度の確認にあることがわかるだけでも、自然と問題集の正しい選び方や使い方にも気づけるようになっていくはずです。

そのうえで、今回紹介した選び方や使い方を参考に、日ごろの学習で問題集とうまく向き合っていくとよいでしょう。本記事が少しでも皆さんの学習効率の向上に役立てば幸いです。

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