【物理】センター試験はここを押さえて満点を狙おう!

物理の問題

センター試験もその役割を終え、2020年度から新テストへと移行することになりました。

しかし、物理という教科については、本質的なことはあまり変化しないと考えられます。

ここでは、来年度のセンター試験についての対策を考えて見ましょう。

原則はオーソドックスに基礎を固めるのが最優先です。しかし、その上でいくつかの注意点に気をつけるだけで、本番での失敗が格段に少なくなります。

センター試験物理

センター試験は当然のことながらマークシート方式で試験が行われます。

物理の受験科目としては、物理基礎、物理(専門)がありますが、ここでは専門物理に絞ってお話を進めていきます。(ここだけの話ですが、「物理基礎」の問題はかなり易しめです

センター試験の物理には、以下で述べるような大きな特徴・傾向があります。

問題の難易度について

センター試験は平均点が6割程度になるように作られています。それより高くても低くてもダメなのです。

物理の試験の難易度については、他の教科と比較することが許されるなら、ややです。
その理由は、専門物理を選択する生徒層を想像していただくとわかります。

物理(専門)選択は、ほぼ全員がバリバリの理系で、そのほとんどは2次試験で物理を使うことを想定しています。大学入学後も物理学は必須です。したがって、平均的な意欲・学習レベルは高いと考えられます。

つまり、受験生の物理の学力レベルが高いため、標準的なレベルの問題を出すと平均点が跳ね上がってしまう!という問題があるのです。

ある程度の難易度の問題でないと、物理の平均点が7割を大きく超える、などということが起こりうるのです。

  • 受験生のレベルが高い
  • 平均は6割程度におさえる必要がある

これらのことから、物理の試験内容の難易度は多少高めに設定されるということを、まず頭に入れておいてください。

しかし、多少難易度の高い問題でも、素直な問題であれば、物理を二次試験で使うことを想定している多くの物理受験生は対応してきます。

ところが、「内容は教科書に書いてあることのみ」という絶対的な制約があるために、さらに難易度の高い問題を作るのが難しいという問題があります。

そのために、過去、物理 I のみの範囲のときは出題範囲が狭かったということもあり、平均を6割前後にするため、引っ掛け的な要素を含む問題も多かったのです。

しかし、現在では物理の出題範囲が全範囲へと拡大され、出題しやすくなったためか、あるいは出題者の努力の賜物か、物理の本質をつく良問が出題されるようになってきています。

さらに、問題集や過去問では見たことがないような問題も多く出題されています。

ですので、問題集を解きまくって、解答パターンを暗記するというような勉強方法では、太刀打ちできません。

高得点を狙うには、物理に対する本質の理解が絶対に必要です。

物理の配点

次に注意すべきは、センター物理における配点の高さです。

例年、センター物理の問題数は少なく、全体で20~25問程度しかありません。
すなわち、一問4点または5点などという高配点なのです。これは他教科にはみられない物理だけの特徴です。
来年度もこの傾向が変わることはないでしょう。

これは何を意味するかというと、ポカミスで3問失った場合(この程度はよくありますよね)、最大15点を失うことになります。

つまり、試験時の感触では80点取れていたのに、帰って自己採点してみたら65点しか取れていなかった、というようなことが頻繁に起こります。

しかも、物理の問題は最初の答えが後の問いに連動していることも多いため、第1問で致命的なポカをしたとすると、最悪、その大問全てを失う、というような悪夢のようなことが起きることもまれではありません。

いかがでしょうか? センター物理の怖さが少しは伝わりましたか?

毎年、力はありながら不運に泣くという受験生はたくさんいるのですよ!

センター物理の出題範囲

出題範囲については、物理の教科書のすべてが範囲になっています。専門物理でも物理基礎の内容を全て含みます。

したがって、全ての範囲に目を通しておくことが必要です。

各問いごとの出題傾向

各問いについては、
「小問集合」「力学」「電磁気」「波動(or 熱力学)」が出題され、
あと、選択問題として「熱力学(or 波動)」「原子物理」から1問選択のパターンが多く見られます。

小問集合

「小問集合」については、全分野から少しずつ出されています。みなさん、小問集合を軽視しがちですが、実は物理受験生にとって鬼門とも言える箇所でもあります。

多くの受験生がこの小問集合を苦手としています。他の問題は解くことができるのに、小問集合で2問3問と落としてしまう結果、全体の得点が伸びないというようなことがよくあります。

それは、用語や基礎的な現象・定義の理解不足にあることが多いのです。教科書・参考書を読み、これらを自分の言葉で他人に説明できるまで考え抜くことが重要です。

その上で、小問集合の対応問題集や過去問をやりこむなど、対策をとるべきです。

力学

必ず出題されます。
基礎をよく理解しているかどうかで点数に開きが出ます。

運動の問題(等速運動・加速度運動・相対速度・落体の運動)や力のつり合いの問題などに関しては、教科書レベルではやさしい分野という印象を持っているかもしれません。

これらの分野は易しそうに見えて(正直なめている受験生も多いのですが)、実はかなりの思考力を要する問題を作成することが可能です。

これらの問題は「公式や解き方を知っていることである程度対応できる」というような問題は出ないのです。普段から意識して、公式の暗記などに頼ることのないようにしなくてはいけません。

電磁気

例年、出題されています。満遍なく学習を進めておくべきです。二次試験でも頻出分野です。

交流回路は多くの受験生が苦手とするところですが、センターには思いのほかよく出る分野でもあります。
交流を苦手とする受験生が多いため、平均点調整にちょうど良いと考えられているのでは?と勘ぐってしまいます。
交流は計算の厳しい問題はセンターでは、あまりでないのですが、グラフなどで知識を問われることが多いところです。

波動・熱力学

教科書・参考書での学習をきちんとしておけば対応可能です。

波動では x-t 図と y-x 図の違いを描き方をよく理解すべきです。

熱力では、P-V 図 V-T 図 などと仕事との関係についてよく理解しておいてください。

原子物理

原子物理は多くの現役受験生が準備不足から敬遠する傾向にあります。
しかし、内容は他の分野に比較するとかなり簡単なことが多くおすすめです。

教科書を最後までやりこみましょう。

センター物理の全体的な注意

解答にグラフを選択させる問題には注意すべし。

多くの受験生が、フィーリングでグラフを選択するのを見て驚いたことがあります。グラフを直感で選んではいけません。ワナが待っています。必ず、理論的な裏づけをとって選ぶようにします。

計算は小数点以下まで真面目にやらなくてもOKの場合が多い。

よく、小数点以下何桁までも割り算掛け算をして時間をかけている人を見ますが、センターでは概算で構わないことも多いのです。選択肢から選ぶので、大体の計算で答えは見当がつきます。つまり、精度は必要ないことがほとんどです。

いずれも、模試や過去問などで慣れておきましょう。

まとめ

物理は基礎理解、本質の理解が一番大切、このことはセンター試験にも二次試験にもいえます。

教科書をすみずみまで読み、理解したうえで、過去問や、問題集をこなしておきましょう。

ポイント
  • 物理の問題の難易度は高め
  • 教科書全部が範囲
  • ポカミスは命取り
  • 満点を狙うには、小問集合対策をすべし!
  • 力学では、簡単だと思う分野が実は難しい
  • 電磁気では交流分野に注意
  • 原子物理は実は簡単なことが多い!食わず嫌いにならずに消化しておくべし
  • グラフ問題は直感はダメ! 必ず、理論の裏づけをとって選択すべし
  • 計算は省エネで

みなさんのご健闘を!

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