国語の点数が伸び悩んでいる中学生へ!効率的な勉強法教えます!

文章読解

直前の頑張りで点数が伸びやすい英数に比べ、国語は積み重ねの学習が重要な教科です。

中1・中2の国語の定期テストでは教科書に載っている文章から出題されることがメインで、学校で配布されたワークをテスト前に解いておけば点数が取れたりしますよね。

ところが、中3になって今までに読んだことがない文章がテストに出題されるようになると一変して、「国語のテストがヤバい!」というケースがよく見られます。
慌てて国語の勉強を始めるも、「どこから勉強したらいいんだ?」「何を勉強すればいいのか分からない」と途方に暮れてしまうなんてことも。

中学国語の勉強方法にお悩みのあなたへ、元塾講師の私が「効率のいい国語の勉強法」をコッソリ伝授いたします!

中学の国語は4つの分野から成り立っている

中学の国語は4種類の大まかな分野に分けることが出来ます。

  • 小説や随筆などの文学的文章
  • 難しい内容が多い説明的文章
  • 古文・漢文
  • 漢字・語句文法など

得意な分野もあれば、苦手な分野もあるでしょう。

小説をよく読むから文学的文章は大丈夫なんだけど、説明文は漢字ばっかりだし言葉も難しいし、読んでいて頭が痛くなる(汗)

小説の問題で「主人公の気持ちを述べよ」とかあるけど、オレはソイツじゃないから気持ちなんて分かるわけないじゃん。

それ以外にも「古文を勉強する意味が分からない」「文法なんて知らなくても、しゃべれるし問題ないでしょ」なんて意見も。
これらは国語の指導の中で実際に言われたことがある内容ですが、「一理ある」と思わずうなずいてしました(笑)

国語の勉強はなんのためにするの?という疑問はひとまず横に置いておき、今回は国語のテストでいい点を取るための勉強法をお伝えしていきます。

中学国語の4つの分野のどこから手を付けるべきかお悩みの方も必見ですよ。

まずは古文・漢文からやっていこう!

国語の勉強はコツコツやらないとテストの点数が伸びにくいですが、比較的少ない勉強量で成果が出る分野が古文・漢文です。

「えっ?古文・漢文は難しいから後の方がいいんじゃないの?」とお思いの方もいるでしょう。

古文・漢文から始める理由は「中学校から勉強がスタートした分野」だからです。

現代文は小1から勉強が始まりますので、中3の定期テストや高校入試では約9年分の知識が問われることになります。
しかし一方で、古文・漢文は中学からスタートする分野であることに加え、中学で勉強する内容も現代文ほど多くないのです。

つまり、古文・漢文はほかの分野に比べ総復習に必要な時間が少なくて済むので、短時間の勉強で効果が出やすいと言えます。
(※注:ただし、高校からは古文・漢文の学習比率が上がりますので積み重ね学習が必要ですよ。)

古文はどうやって勉強する?

古文の勉強は以下の手順で進めていくのがオススメ。

  1. 教科書に載っている古文の復習
  2. 歴史的仮名遣い や「をかし」「いと」「うつくし」などのよく出る古語・係り結びなどの文法を暗記
  3. 古文に慣れるために短めの文から読解練習(できるだけ音読)
  4. 主語や助詞の省略に慣れる
  5. 長めの古文で実践的な練習

2は古文の読解に必要な知識で、テストにもよく出題されるので早めに覚えてください。

歴史的仮名遣いだと「まう」→「もう」や「けふ」→「きょう」などの変換に苦戦しやすいので、暗記だけでなく問題を解いて慣れておくといいですね。

今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。名をば、さぬきの造となむいひける。その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。

「竹取物語」より引用

こちらは中1の授業で学習したであろう「竹取物語」の冒頭です。

古文の読解で重要なのが、4の「主語や助詞の省略」を補っていくことです。

例として、この一文「あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。」を現代語に訳してみました。

(竹取の翁が)不思議に思って、近寄ってみると、筒の中(が)光っていた。」とこのように赤文字部分を補う必要が出てきます。

現代文でも主語を省略することがありますが、古文では省略の比率がより高くなります。
そのため、登場する人物を正しく読み取り、誰の行動か考えることが古文の読解では欠かせません。

答え合わせの際に現代語訳を読んで、自分の読み取り(登場人物や主語など)と違っていた部分は、原文を音読しておきましょう。
古文を音読すると現代文との違いを感じやすく、注意すべきことが明確になりますよ。

漢文の勉強は?

中学では漢文だけで出題されることは少なく、「漢文+古文」「漢文+現代文」という形式の問題が多いです。

中学国語の漢文に関しては、以下を押さえておくといいでしょう。

  • 訓読文を書き下し文にする
  • 漢詩の形式を覚える

訓読文は漢字だけの文(白文)に返り点(一・二点やレ点など)と送り仮名が付いている文です。
それを返り点の指示に従って書き直したのが書き下し文で、古文のルールで読めるようになります。

あと、漢文で特有なのが漢詩の形式です。五言絶句や七言律詩などの漢詩の形式は必ず覚えてください。
名称については、五言や七言は一句(一行)の字数、四句であれば絶句、八句であれば律詩、というだけですが、それぞれに押韻や対句の箇所などの決まりもありますので、セットで覚えましょう。

中学の漢文はこの2点さえ押さえておけば、あとは古文のルールと同じです。

さて、古文・漢文で気を付けるべき部分はお伝えしましたので、具体的な学習方法をお伝えします。

まず、お持ちの問題集で古文・漢文の範囲を解いてみましょう。
「難しい」「もう少し簡単なものからスタートしたい」ということでしたら、以下の問題集をオススメします。

こちらは文法と古典の参考書ですが、古文・漢文の説明が分かりやすく、勉強し始めの方でも解きやすい内容です。

基本のルールが覚えられたら、週に3問くらいのペースで古文・漢文の問題を解いて、リズムに慣れていきましょう。
古文・漢文のリズムに慣れてしまえば、初見の文章もスラスラ読めるようになりますよ。

漢字と文法なら文法から!

高校受験で出題される可能性がある漢字は2,000字以上で、勉強してすぐに成果が出る範囲ではないので毎日の漢字練習が大切です。

しかし、漢字をそのまま書き取り練習するのはオススメできません。
小テストをして間違えた漢字だけ練習するという流れが効率的です。

また、国語の文法は苦手な方も多いですが、点数につながりやすい範囲です。

読解問題と異なり、一人で勉強を進めやすいのもポイントです。

中学国語で押さえるべき文法は以下の4つです。

  1. 文節や単語に分ける。
  2. 文節同士の関係(主述の関係や並列の関係など)を理解する
  3. 単語の品詞の特徴を押さえる
  4. 品詞の活用を覚える

中学では1から順に習いますが、自分で勉強する場合は順番を変えるのがオススメです。
全て学校で習い終わっているならば、「(1→)3→4→1→2」の順番で勉強を進めていきましょう。

『(1→)』の部分は単語は飛ばして、文節に分けるところだけを軽く復習しておいて下さい。
単語に分けるのは、品詞の種類や活用を押さえておいてからの方が理解しやすいです。

品詞の分類に関しては紛らわしい言葉も多いので、悩んだら先生に質問していきましょう。

「大きい」「大きな」を例を挙げると

  • 「大きい」→形容詞
  • 「大きな」→連体詞

このように品詞の種類が違います。

形容詞である「大きい」は、『大きかろ(う)・大きかっ(た)・大きく(ない)・大きい・大きい(もの)・大きけれ(ば)』と続く言葉に合わせて形を変えること(活用)ができます。

でも、その活用の中に「大きな」は含まれていないですよね?

そのため、「大きな」は「大きい」の活用ではなく、別の品詞(連体詞)という分類になります。

ちなみに「巨大な」も連体詞かというと、これは形容動詞の連体形です。
「大きな」との違いを見分けるには「な」を「だ」に変えたときに言い切りの形(終止形)にできるかどうかで判断しましょう。
また、連体詞の種類は限られているので、慣れてくると簡単に見分けられますよ。

活用に関しては暗記になりますが、覚えることはそこまで多くないので心配なさらず!

そして、「文節同士の関係」は文章を書くときに大事な文法ですが、他の文法より分かりやすいので後回しで大丈夫ですよ。

現代文は得意な方から

文学的文章と説明的文章は、自分にとって苦痛が少ない方から取り組んでいきましょう。

現代文は日々の積み重ねがとても大事なので、勉強のハードルを下げることが何より重要です。

どちらも苦手意識があるなら、定期テストや模試を見返して正解が多い方から読解問題を進めてみてくださいね。

こちらの問題集は短めの読解問題も多く解説も丁寧ですので、最初の読解練習でも使いやすいですよ。

文学的文章:登場人物の「気持ち」の読解について

小説の登場人物は色々なきっかけで気持ちが変化していきます。

しかし、感情をストレートに表す言葉(嬉しい、悲しいなど)で気持ちが描写されることは少なく、本文中のセリフや行動、情景などから登場人物の気持ちをつかんでいく必要があります。

登場人物の気持ちの読み取りは、まずはプラスの気持ち・マイナスの気持ちと大雑把につかめばOK。

この方法なら読解スピードも上がりますし、選択問題の絞り込みもしやすいです。
設問で必要な時だけ気持ちを細かく考えますが、本文中の感情を表すヒントを読み取って組み合わせるイメージです。
本文に書かれていないことは根拠にならないので、上の方法で気持ちを考えていくと正解率が上がりますよ。

説明的文章:筆者の主張はキーワードを掴むことから

言葉や言い回しが難しい説明的文章ですが、「説明」を目的とした文章なので、同じ事柄を違う表現で表していることも多いです。
難しい部分は、簡単な言葉で言い換えをしてないか探してみるといいでしょう。

また、説明的文章は接続語や指示語がとても重要な意味を持ちます。

例えば、接続語の「しかし~」だと前で述べていることの逆の内容の文が続きますよね。
わざわざ逆の内容の文を書くわけですから、筆者の伝えたいことや説明したいことが「しかし~」の後に書かれていることが多いのです。

このように接続語の働きを知っておくと、意味が分からない文章があっても前後から推測できるようになりますよ。

前後の文の関係を意識しやすい短めの文章で、接続語の勉強をすると効果的です。

指示語については『下線部①の「これら」は何を示しているか述べよ』のようにテストで出題されることが多いです。
指示語の部分に答えを入れてみて違和感なく読めれば正解なので、点数を取りやすい部分でもあります。

指示語が苦手なら、「これら」→「どれら?」と疑問形にして自分自身に質問すると正解率が上がります。

また、説明文で重要なのが筆者の主張の読み取りですが、まずはキーワードをつかむことからスタートしましょう。
繰り返し出てきたり、何度も説明されている言葉がキーワードです。
そのキーワードを中心に読解すると、筆者の主張が分かりやすくなりますよ。

また、「文章の最初と最後に要旨が書かれていることが多い」というのも定番ながら、やはり有効です。100%ではないので過信は禁物ですが、使える考え方ではあるのでとりあえず最初と最後に注目をしてみると良いでしょう。

語彙力(ボキャブラリー)はすぐに上がらない

国語の点数がすぐに上がらない理由は、語彙力を伸ばすのには時間がかかるからです。

中3の1学期までは語彙力を上げるために、分からない言葉があれば辞書で調べるといいでしょう。
しかし、入試では辞書は持ち込めませんので、分からない言葉は意味を推測しながら読む力が必要になります

ですので、中3の2学期からは辞書を使わず問題を解いてから、答え合わせの後に調べていくようにしていきましょう。
このように勉強すると、テストで分からない言葉が出ても焦らずに解くことができますよ。

まとめ

今回は中学生向けの国語の勉強法をまとめていきました。

ポイント
  • まずは短時間で成果の出る古文・漢文から!
  • 文法は勉強する順番を工夫!漢字は毎日のコツコツ積み重ねが大事!
  •  現代文は得意な文章から読んでいく!

国語はすぐに点数があがらず、勉強が後回しになりやすいですが、国語力が伸びると他の教科の勉強もスムーズになるというメリットもあります。

短時間(15分)でいいので毎日国語の勉強を。実際に2か月くらいで勉強の成果が表れる方が多かったです。

国語に苦手意識があるなら、短期間で点数が伸びやすい「古文・漢文」や「文法」から勉強してみてくださいね。

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