勉強・仕事に使うなら…ネットで正しい情報をみつけるための検索術

検索エンジン

日々の勉強や仕事で分からないこと、困ったことがあったら、あなたはどうしますか?

現代、最も手軽な解決方法といえばインターネットでの検索です。スマホを取り出すだけで、先生や上司に聞くよりもたくさんの情報を得ることができるとなれば、使いたくなるのも当然かもしれません。

しかし、インターネットの検索エンジンは必ずしも正しい情報を上位表示してくれるとは限らないのが現実です。ともすれば人生を左右するかもしれない受験や仕事の正確な情報をネットで探すためにはどうすればよいのでしょうか。

検索結果順位が決まる仕組みと情報の正確性

ネットで検索を行うと、たくさんのページが検索結果に上がってきます。検索結果には順位が付いていて、通常は上に表示されたページから読んでいくのではないでしょうか。

しかし、この検索結果は必ずしも「情報の正確性」とは一致しません。検索結果の順位は検索エンジン(Google検索やYahoo!検索など)の一定の「ルール」によって決定されます。例えば、

「このページには検索されたキーワードが何回含まれているか」
「このページはSNSでたくさん引用されているか」
「このホームページはどのぐらい長く運営されているのか」

といった要素から上位に表示すべきページかどうかを決めていくのです。

自分のホームページを上位表示したい人は、たくさんの検索キーワードを記事に盛り込んだり、いろいろな人からリンクを貰えるよう工夫を凝らしています(これをSEO対策といいます)。その結果、真偽があいまいなページや大して役に立たない記事が上位表示されてしまうこともあります。

検索エンジンの精度は年々上昇し、検索している人の為になる正確な情報が上位表示されるようになってきてはいます。しかし、膨大なWEBページを最適な順で並べるのはまだまだ難しいのです。上位表示された情報が必ずしも正しいものではなく、検索エンジンのルールに偶然合致したページだったり、意図的に上位表示させている記事である可能性を忘れないでください。

ネット上でできるだけ正確な情報を探す方法

ここからはできるだけ正確な情報を手に入れるために著者が実践している方法をご紹介します。

できるだけ公式サイトを使う

まず、匿名の情報は虚偽の可能性が非常に高くなります。「私は弁護士だ」「私は学校の先生だ」と名乗っていても、匿名では本当かどうかわかりません。匿名掲示板、すぐにアカウントを変えられるSNSの情報は、正確性を求める時は信用しない方が良いです。

制度やサービスについて調べる時は政府が運営しているページやサービス元の公式ページの情報をまず確認しましょう。公式サイトにはお問い合わせ窓口が設置されていることが多いので、分からないことがあったら、直接問い合わせてみると正しい情報を手に入れることができます。

責任の所在がはっきりしているサイトを使う

サイトの中には運営者情報として名前や顔写真、住所、メールアドレスを公開しているものもあります。運営者情報といっても、偽の情報がかかれている可能性もありますが、全くの匿名よりは信頼ができます。まずは、サイトの中に運営者情報がしっかり書き込まれているかどうかを確認してください。

また、運営者の名前や住所を検索して悪い情報が出てこないかを確認することも大切です。ネット上で偽の情報を流していたり、詐欺まがいのことをしている人の場合、悪評を書き込んだ記事が見つかることがありますので、試してみてください。

大手のメディアが運営しているサイトや寄稿者名がはっきりしている記事も責任元がしっかりわかるので正確性は高いです。ただ中には記名記事でも主観をもとに書かれた記事もあるので判断には気を付けてください。

運営者・執筆者の意図を読む

インターネットでWebサイトの運営者や執筆者の意図を考えることも大事です。Webサイトを運営したり記事をアップし続けるのは膨大な手間がかかりますので、何らかのメリットがあるはずだと考えます。

例えば、ある塾の公式ブログにあなたが知りたい問題の解き方が載っていたとします。塾はどうしてブログをやっているのでしょうか。それは自分の塾を宣伝したいからでしょう。ブログに書いてある解答が間違いでは恥をかいてしまうことになります。そのため、その解法は正確である可能性が高いと判断することができます。

一方で、ある病気について調べていると「このサプリメントが効く」という記事を見つけたとします。この記事の下にはサプリメントを購入するための販売ページへのリンクがついています。この記事の目的はサプリメントを売ることです。つまり購入をためらうようなサプリメントのデメリットなどを正確に伝えていない可能性がある、と考えられます。

1次資料の情報をできるだけ確認する

ネット上の記事は参考書籍や論文を参考にして書かれていることがあります。参考書籍の書名、論文のタイトルが分かる場合はできるだけ記事の1次資料である本や論文を当たり、中身を確認しましょう。本が古くて書店では手に入らない場合は図書館を利用します。図書館では、ネットと同じく情報を無料で手に入れることができます。

論文の場合はインターネットから閲覧することができます。「CiNii Articles」は無料で使える国内論文データベースで電子化された論文を手に入れることが可能です。少し手間はかかりますが、より正確な情報が必要な時は時間を惜しまないことです。

CiNii Articles

複数のキーワード・サイトで調べる

1つのキーワードで調べるだけではなく、いくつかのキーワードを組み合わせたり、別の言葉で言い換えて検索すると、全く別の検索結果を得られることがあります。

複数のページを見比べて、同じような情報が載っていたら正確である可能性が高くなります。1つのサイトの情報で満足せず、いくつものページを参照にすることが重要です。
(これは、実は誰かに質問するときも同じことがいえます。A先生が言っていたこととB先生が言っていたことが違う場合、その情報はどちらかが、あるいはどちらも正確でないかもしれませんよね。)

有料サービスを使う

ネット上には有料で専門家に質問ができるサービスもあります。例えば有名大学生だけを集めたネット家庭教師のサービスを使えば、勉強においてより正確な情報を手に入れることができます。

匿名サイトで手に入る情報の使い方

ブログ・SNS・掲示板・Q&Aサイトの情報は「鵜呑み」ではなく「入口」

では匿名で書かれた情報はすべて嘘かというとそうでもありません。匿名での情報発信者は膨大な数がいるので、あなたの知りたいことについて書いている人もきっと沢山いるでしょうし、その中には「正解」に限りなく近い情報を発信してくれている人もいるはずです。

もし、匿名のブログやSNS、掲示板、Q&Aサイトで役立ちそうな情報を見つけたら、その内容を鵜呑みにせず、情報解決の入り口と捉えることをお勧めします。恐らくその情報にはたくさんのキーワードがちりばめられていると思います。そのキーワードを頼りに、信頼性の高い情報源を見つけていくのです。

例えば、地理の課題で「日本で一番○○な町」を調べたら、Q&Aサイトの匿名回答がヒットしたとします。匿名回答の中で「それは××町だ」という記述がありましたが、これは本当かどうかわかりません。
そこで今度は××町について調べます。すると××町民のブログが見つかり、その中に「××町は○○が自慢!」という記事がありました。
またその中で根拠となった政府の統計調査資料のリンクが表示されているので、それをクリックすると、実はその統計調査に最新版があったことが分かります。最新の情報では一番○○な町は△町でした。

このように匿名記事をヒントにして、より正確性の高い情報につなげていくこともできます。

ネット上の辞書として有名なWikipediaもだれでも記事執筆に参加できる匿名サイトといえます。しかし情報の量が膨大で、記事の元になった資料もあわせて載っていることがありますので、より正確な情報をたどっていく入り口としては頼りになる存在といえます。

正解がない情報は匿名でもよい

特に真偽は重要でないような情報は匿名記事でも構いません。例えば「アメリカ大陸発見の年号(1492年)の語呂」などは、イシノクニだろうが、イヨクニだろうが、ヒトヨクニだろうがどれでもあなたが覚えやすいものであればよいのです。この情報にちゃんとした正解はありませんし、記名記事である必要もありません。

正確性を求める努力が必要

実は、ネット上の情報かどうかに関わらず、絶対に正確な情報というものを手に入れるのは非常に難しいです。政府の統計調査ですら改ざんされていたという事件が起こっているほどです。1つの病気に関する見解でも、医者によって対処法は変わります。

しかし、明らかに間違っている情報というのはあります。間違っている情報をもとに勉強や仕事をすると、大変なことになってしまいます。ネット上にはこのように明らかに間違っている情報が沢山あるのです。

絶対に正しいかどうかはともかく、できるだけ正確な情報を求める努力はネット検索において必要です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です