外国語は似た言語同士まとめて!基礎力を急上昇させられる組み合わせ

多民族国家

よく、高校・大学や語学講座などでは
「外国語には似た言語同士の組合わせがあって、似た言語同士を一緒に覚えると、理解が深まり成績が急上昇しやすい!
「第二外国語から、傾向に合わせて徐々に使える言語を増やしていくのが習得の最短コース」なんて言われています。

ですが、どの言語がどのくらい近い存在なのでしょうか?
各言語の関係性など普通はなかなか知らないでしょう。

今回は、一緒に覚えると効率の良い言語の組み合わせと特徴をまとめてご紹介します。

私たちが学校で習う英語には、どんな特徴があるの?

日本の義務教育で、どこの学校でも必ず教えているのは「英語」でしょう。

日本人なら誰でも持っている日本語英語の素養を生かせる他言語の習得からスタートすれば、比較的効率よく学習が進みそうです。
そのためにます、英語の特徴を知る必要があるでしょう!

まず前提として、
母国語として使用される英語外国語として学ばれて身に付いた英語では、人の脳や意識のなかでの認識、体内の信号や動作などに大きく違いがみられます。

「学校での英語学習」と一言でいえば同じですが、学校によっては会話重視や受験対策重視など、習う項目や方法、順序、重点項目の割り付けなどがかなり異なっています。

言語である以上、「読む・聞く・話す・書く」のうちのどれを主に使っているのか、そしてそれぞれの定着度合いによっても、各人にとって外国語を使うときの「脳の活動部位」や「連想順」、「正しい文法優先か、細切れ語彙優先か」などはかなり異なってきます。

幼稚園や小学校低学年から英語学習を取り入れているところでは、最近は「フォニックス」と呼ばれる英語習得プロセスに特に力を入れているところが増えています。

フォニックスとは

フォニックスでは声に出して読むことからスタートして、発音から綴りや語源を類推する方法をまず習得。
これと並行して、単語や短文による簡単な意思疎通を学んでいきます。

ちょうど「日本の学校で習う英語」とは異なり、つたない文法や表現でありながらも、言葉の持つフィーリングや概念を、まずはたくさん、しっかりと最初から叩き込んでおくという方法といえば分かりやすいでしょうか?

日本人が学校で習う英語の場合、国の指導要領などに定められた文法事項や到達度に従って、単語や文法、表現、発音などに一定のレベルが求められます。
教科書自体も検定済みのものを中心として使用するため、昔からある「海外のナチュラルな英語表現とは異なる、丁寧だが堅い日本語流英語表現」を学ぶことになります。

この学校英語、プライベートでも幼少期から外国語を複数学ぶ人もいる現代では「このまま使いにくいし、覚える意味がない」という声もなくはありません。

ですが、例えば旅先で誰に対しても失礼さが比較的少ない会話表現を使ったり、簡単な論文などでフォーマルな表現を自分で書いたりというときには、学校英語で身につけた表現を使用シーンに合わせて変形させて使う方が「不自然ながらも失礼ではない英語が使える」というメリットを主張される方も多いようです。

またこの学校英語で習う「一見回りくどく不自然な表現」は、論文を書いたり、理工学系などの説明書きなどを起こすときに「意外に学校英語ってバカにできない」と感じる方も多いようです。

「日本の学校英語、受験英語は直接実務に役立たない」なんて言わずに、これから長い人生で英語を使う上で欠かせない「英語脳の中の1種を養うトレーニング」だと割り切って取り組むのも良いでしょう。

英語は、いったいどんな言語と似ているの?

さて、そんな英語は、その語彙や表現のほとんどは、ゲルマン語とラテン語がベース。

現代英語の誕生地はグレート・ブリテン島といわれていますが、ここでは英語の元「アングロサクソン語」を話している一般市民たちに対して、上流階級の人間はラテン語の中の方言でもある「(古典)フランス語」を話していたことが知られています。その両方がこのエリアでまじりあい、現代の英語になっていると考えられています。

特に日常的によく使う基本語として英語に取り入れられている語は主に、北欧エリアから来た民族の大移動による影響とみられるゲルマン語。ほかにも、同じ影響を欧州南側から受けたとも伝えられる古典ギリシャ語ベースの語も多くみられます。

そこから、語幹などを残し、英語に取り入れられた後に、接頭辞・接尾辞などを含めて整えられているものが多いといわれています。

よく「英語の中では、ゲルマン語由来の語は比較的やさしく、つづいてラテン語系からの語。比較的難しい単語にはギリシャ語源が多い」などとも言われます。難易度に関しては必ずしもそうとも限りませんが、英語のルーツが複数あるのは確かです。

ラテン語をルーツとする表現

例えば、多くの人が大学在学中から研究活動で触れる各種論文や、公的書類やフォーマルな手紙のマナーには、ラテン語の表記法から取り入れられたものが多くみられます。

英語でいう “for example”(=例えば)は、各種論文や比較的フォーマルな書籍などでは “e.g.” と表記されます。これはラテン語の “exempli gratia” から来ています。

他にも”cf.” “i.e.” “etc.“などがあります。日本語ではそれぞれ「イージー」「シーエフ」「アイイー」「イーティーシー」……などと読む方もいますが、英語圏では教養として、元のラテン語の読みもしくは英語の意味で発音するほうが自然とされています。

「e.g.=フォーエグザンプル」「cf.=コンペア/コンフェー」「i.e.=ザットイズ」「etc.=エトセトラ」

また、junior やsenior, superiorといった単語もラテン語由来で、これらの比較形容詞は前置詞thanではなくtoを使う、などという規則もありました。

欧州言語の相関

英語の中でよく使われる単語はゲルマン語のものが多いとされることから、ドイツ語などは英語と非常に近しい関係にあることが知られています。

ですが他方、ギリシャ語は表記の面でも活用等の部分でも、独自の発展を見せており、世界各国の言語を分類したときに、現代ギリシャ語は英語やその他の言語とは「全く異なる独立したもの」とされることが多いようです。

下図は、欧州系各国語にはどのくらいの類似親和性や話者数があるかを研究した、ウクライナの研究者による言語測定を含む論文からの引用です。(出典:”Metatheory of Linguistics” K. Tyshchenko (1999))

欧州語相関図
http://inform-al.blogspot.com/2017/03/lexical-distance-among-languages-of.html

1980〜90年代に先行して言語分析や人工知能の研究や開発実装などに着手した次々世代。現在に至る、IT業界などで盛んな翻訳ツールや機械学習などの基礎として、2008年ごろから各国で頻繁に引用されている論文によるものです。

スラブ系言語話者による分類ということ、また、語の持つ感覚や概念範囲なども含んだ「会話」的な類似性に重きが置かれているため、単純に各言語間の類似度だけを判別したものと多少は異なります。

円の大きさがその言語の話者数、この言語間を結ぶ線の太さが、語彙や統語、意味などの類似性を表しています。

これによると、欧州系言語は大きく8つのグループに分かれ、次のような言語が分類されています。

  1. ROMANCE(ラテン系)
    • フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語など
  2. GERMANIC(ゲルマン系)
    • 英語、ドイツ語、スウェーデン語、オランダ語、デンマーク語、アイスランド語など
  3. SLAVIC(スラブ系)
    • ロシア語、ウクライナ語、ポーランド語、チェコ語、スロベニア語、ブルガリア語、スロバキア語など
  4. CELTIC(ケルト系)
    • アイルランド語、ウェールズ語など
  5. ALBANIAN(アルバニア系)
    • アルバニア語
  6. GREEK(ギリシャ系)
    • ギリシャ語
  7. FINNO-Ugric(フィン・ウゴル系~俗にいうウラル系)
    • フィンランド語、エストニア語、ハンガリー語
  8. BALTIC(バルト系)
    • リトアニア語、ラテン語
このように分かれていると書かれていますが、実際に文字や言語として使われているものを見る限り、比較的似たものとして感じられる言語関係は、この線で結ばれているものだけに限りません。

日本語・中国語・韓国語の関係性

例えば、この図にはありませんが、日本語と中国語には文字だけは似ていても、音で聞くと読みが大きく異なるものなども多数存在します。これは単語のもとになっている語順や、文法的な語順が異なっていることもあるからです。

一方で逆に、中国語の短い名詞などを広く眺めた場合、外来語に漢字を充てて音だけ似せたものや、日本語と相互に影響を及ぼし合うことで互いの言語の中に入り込んだ語などが存在するために、文字並びや音が共通のものなどが多数存在します。

例えば、中国語の「大人」は日本でいう「成人」や、目上の方のこと。文字上では前者の意味に関しては日本でもほぼ同じ意味として解釈されます。中国語の「但是=ダンシー」は日本語で言う「但し=ただし」。音の上では似ているので、対面の会話で言われればなんとなく意味が通じてしまいます。

また、日本語と韓国語は、文字の上では違いが大きいのですが、音で聞くとかなり似た単語や似た短文表現なども存在します。これは日本語と韓国語の語源の一つが中国の漢字であるケースや、太平洋戦争前後までの間に日本から移住していた人々などによって日本の言葉が話され、それが外来語として韓国語に定着したからと言われています。

例えば、「家族」は韓国語では「가족=ガジョグ」ですが、これは日本語と同じく、中国語から流入した語であるとされています。

単に語源などが共通というだけではなく、音などの偶然の一致や、意味の拡大によって似た部分が多く出現する言語は、この図に掲載されているものよりさらに多いと覚えておきましょう。

相乗効果で飛躍的にコミュニケーション能力が高まる言語とは?

さて、図でも近くに配置されている、フランス語とスペイン語、イタリア語の話者は、お互いの言語を全く知らなくとも、自分の母国語だけで話していれば、お互いに大意はつかめるとも言われます。

確かに筆者も海外の学校などで、スペイン人で訛りの強い子とイタリア語の早口のスピーカーなどが、お互いの母国語の大声で、似た表現を探しながら会話しているシーンなどを幾度も目にしています。間にフランス人で南部訛りなどのある子がいても、かなり通じる模様。ちょっと難しい表現になると、文字で書いて見せて、互いに納得しているようでした。

これらの言語はラテン語から発展したもので、語源なども同じです。文法・活用などでは違い(特に会話の主語省略等)が多いものの、単語の表記や音そのものが似ているため、これらを自分の母語の文法の流れに置き換えて理解しあえる程度の差ともいわれています。

ところで、ラテン語系の中でもルーマニア語は、日本の大学教育などでは、ほとんど開講されているところはありません。ちょうど図ではピンクの三角形の一番右側にあり、先ほどの3言語をはじめとするラテン系のほか、アルバニア語との線で結ばれています。

実はこのルーマニア語、ラテン語から発生し、教会スラブ語の影響を受けたあと、表記やその時代を経たのちの語をさらにラテン語系で置き換えている関係で、ラテン系の言語とも、スラブ系の言語とも、非常に親和性が高いのです。

このエリアの言語話者の間では「ルーマニア人は通訳に使えるし、言葉の関係で覚えるのが早い」というのはよく聞かれます。

今後、バックパッカーとして現地に溶け込んで長期間の旅行がしたいといった方などは、ルーマニア語を起点にして、西欧系のラテン語、東欧系のスラブ語系をそれぞれ学べば、片言程度なら短期間で簡単に習得できるかもしれません。

スペイン語とポルトガル語の親和性

話変わって、スペイン語とほぼ近い存在として知られるポルトガル語。語や文法含めて、互いの話者は、ほとんど何の障壁もなく互いの会話内容を理解できるようです。

互いの語がかなり綴り的にも似ていますが、音の上では「スとズ」といった違いや「ヴィとビ」「シとチ」「ルと巻き舌のル」をはじめとする違いがみられます。ですが、それ以外はほぼ似た音のものも多いため、互いの話者がスペイン語とポルトガル語を混ぜて話す状態を”portunhol“(ポルトゥニョール)」などと呼んだりもしています。

ポルトガル語はフランス語とも近いといわれていますが、現代では会話による意思疎通を行うのが双方向で困難なほど、言語的には離れているともいわれています。ですが、例えばポルトガル第二の都市ポルトなどでは、フランスから移住した人などが多く、非常にフランス語が通じやすい珍しい都市としても有名です。

ポルトガル語もラテン語由来の言葉なので綴りは非常に似ており、困ったときにはスペイン語と同様に文字で書くことで、かなり意思疎通ははかれるかもしれません。

どの言語をキーにするべき?

もしも全くこれらの言語を学習したことがない方が、これらの言語をキーにして外国語を学び始めるのであれば、まずはルーマニア語がお奨めです。しかし初心者から独学で、しっかり理解できる日本語の学習書は乏しいのが悲しいところです。

それ以外であれば、各国の公用語として話者も多く、簡単な子供向け教材から、かなりフォーマルな文章をつづるための日本語教材も種類豊富なフランス語がお奨めです。

多くの方は学んだことがある英語と、フランス語やスペイン語などを比較しながらすべてが学べるテキストなども、これまで何冊か出版されています。

また、ラテン系をスタート地点にほかの言語も広く学ぶ予定があるなら、比較的教材も豊富で、文法含めて学びやすいスペイン語から始めてみれば、フランス語やポルトガル語の他、一気に共通語彙から使える表現が増えていくのでお奨めです。

特にフランス語やスペイン語の教材は、スマホアプリなども含めて、単語から会話表現まで広く学べるものが豊富で、子供が覚えるような会話ツールから、新聞やニュースなどを辞書を引かずに読み聞きできるレベルにまで一気に成長できるものまであります。

英語とドイツ語は単語がかなり異なるが語幹が近く、音も近いため理解しやすい

さて、先ほどの図でゲルマン系の言語の青い丸のあたりを見てみると、多くの言語は英語からの接続線が伸びており、とくにドイツ語との親和性が高いといわれます。

とはいっても、高校や大学の第二外国語で初めてドイツ語を選択したときに、その格変化や非常に長い複合名詞(よく、法律などフォーマルな場での表現や、ドイツ人の堅さを表す笑い話としても使われる、あの複合名詞!)からみて「どこが英語と似ているんだ」と感じた方は少なくないかもしれません。

ですが、こういった難しい表現やニュースでの造語系表現とは異なる簡単な会話なら、語幹がほぼ同じ語は非常に多く、音もちょっと頭をスイッチすればほぼ近い音として置き換えることができます。

例えば、ドイツ語でいう髪の毛の「Haar=ハア(ㇽ)」は、英語の「Hair=ヘア」。ドイツ語の100「hundert=フンダート」は英語の「hundred=ハンドレッド」で、よく似た音です。基本語として学ぶ比較的短い音節の語や、頻出しやすい語には、共通の語幹を持つものが多数見られます。

そのため、英語を母国語とする人とドイツ語を母国語とする人で互いの言語が分からない場合では、標準的発音でゆっくり話したり、わかりにくい部分は文字で交換するなどで、「完全とは言えませんが」かなりの意思疎通が図れるといわれています。

ドイツ語の難しさ

ですがやはりドイツ語……ハードルは文法ですよね。格変化が複雑で、1単語あたり16種類の変化を覚えなければならない、という話もあります。

蛇足ですが、複合名詞の例として、ギネスブックに掲載されているもっとも長いドイツ語の「単語」は、オーストリアの「ドナウ汽船電気事業本工場工事部門下級官吏組合」の正式名称の “Donaudampfschiffahrtselektrizitätenhauptbetriebswerkbauunterbeamtengesellschaft” で、全69文字あります。

さて、学校での英語と、さらにドイツ語を共に学んでみて、どうしてもその隙間が埋めにくいという方には、オランダ語がお奨めです。が、こちらはあまり日本の大学の第二外国語などでは開講されていない言語です。

ドイツ語を学ぶためのオランダ語

現代オランダ語の発生としては、ドイツ語の一方言が派生したものと分類されますが、ドイツ語の中でも低地ドイツ語とされる言語からの派生。現在ドイツなどで話されているドイツ語自体は高地ドイツ語からの派生語であるため、表現としては直接互いが通じにくい部分が多くあります。

とは言え、名前に「ドイツ」と含まれている「スイスドイツ語」よりもよっぽどドイツ語に近い、という研究結果もあります。

オランダ語はラテン文字で綴られており、オランダ語の正式な綴り方(=正書法)は歴史が浅く、1946年に現在の形に近づく大きな変革がありました。また、昔から文化の変動を広く受けやすい風土があるといわれ続けてきたオランダの言語ということもあり、1995年、2005年にもさらに新しい正書法が定められています。

ドイツ語では接続法をよく用いますが、オランダ語ではこれに文法的に対応した仮定法は現代ではあまり用いることがなく、格変化を用いる部分も非常に少ないため、ドイツ語に比べると文法的にはかなり覚えやすい点などが人気です。簡単な表現に限れば、性数や語順に関していえば、ドイツ語とは比較にならないくらい楽で、英語にかなり近い感覚です。

音の面では、首はオランダ語では「nek=ネク」、英語とドイツ語ではそれぞれ「neck=ネック」「hals=ハルス」。

靴下は「sok=ソク」に対して「socks=ソックス」「socken=ゾッケン」。

オランダ語において、比較的よく使われる単語や初学者が学ぶ基本語の範囲内では、ドイツ語よりは英語に音や綴りが近いものが非常に多いのです。

筆者は長くブランクを開けてドイツ語を再度学ぶときに、オランダ語も含めて学びなおしましたが、英語やドイツ語との差をしっかりおさえて覚えることができ、簡単な表現の上では非常に記憶への歩留まりが良いように感じています。

会話などのためにドイツ語やオランダ語を学ぶという方はもちろんですが、大学の教養科目ですでにドイツ語につまずいているという方でも、このオランダ語も一緒に学ぶことで、ドイツ語を定着させる方法もお勧めです。

文字だけなら日本語と中国語、韓国語は意思疎通ができることもあるが、注意も必要!

先ほど簡単にご紹介しましたが日本語と中国語、韓国語は、それぞれかなり近い表現が各所に多く見られます。

現代では、幼稚園や小中学校などでも、第二外国語の基礎として、近いお隣の国、中国語・韓国語などを教えるところも増えています。英語に比べて比較的抵抗なく覚えやすいという考え方もあり、センター試験などでもこれらの言語を選択する方も増えているようです。

日本語、中国語、韓国語は欧米語に比較して、いずれも単語の細切れとして見ても意味が通じやすい言語です。

それぞれ漢字で表現される語もあり、短い平叙文や会話でも、語順としてはそれぞれ全く異なる部分も多いのですが、漢字を含む語から文章全体を見渡して、母国語での感覚でスラッシュリーディングする方法もあります。

そのため、正確な意味ではありませんが、伝えたいことを単語や〇×?といった記号、ジェスチャーなどで表現すれば、かなり互いを理解することができます。

ですが、意味が近い語も多い一方で、同じ漢字や音による表現が、この3者の言葉で全く異なる相反する意味や、シチュエーション上失礼な表現となってしまうこともあります。

3つの言語間で失礼になってしまう表現としては……

  • 日本語「手紙」、中国語「(旧い表現で)手紙=トイレットペーパー)」
  • 日本語「渡来人=とらいじん」、中国語「渡來人(ドゥライレン)=渡来人」韓国語「(新語で)또라이(トライ)=頭のおかしい人
  • 日本語「病身=びょうしん(病気の身)」、中国語「病骸(ビンハイ)=病気の身」、韓国語「병신(ビョンシン)=身体の一部分が不自由な人、のろま、まぬけ、ぼんくらなど
のほか、数えきれないほどの表現があります。

会話やチャットなどを始める前に、自らが互いの言語に詳しくないことをあらかじめ断っておき、片言会話や筆談などを始めておくほうが良いかもしれませんね。

中国語を学ぶなら

世界で母国語とする人口が最も多いのは、やはり中国語です。

いきなり韓国語を始めるには、複雑な形の線、それぞれ母音と子音などで十数個を組み合わせ「全10000通り以上もあるハングルの表音文字」に慣れなければいけませんが、中国語なら日本語と比較的近い音の漢字が中心。日本の漢字同様に、中国語の漢字も当然に表意文字で、音の上でも日本語に似ている漢字が多くあります。

もっとも、声調(四声)といわれる母音の抑揚イントネーションは中国語の場合種類が多く、子音のバリエーションも日本語とは比較にならないくらい多いものです。また、中国語の会話では日本語と同じくらいに省略表現も多く、日本語以上にハイスピードです。

漢字が詰まっている分、また文法の中でも語順に従った意味変化なども多い分、同じ音価に対する意味は中国語のほうが多く、それに加えて早口なので情報量が多いとも言います。

「正確さを究めて、流暢に中国語を操りたい」という方なら、最初に発音部分をしっかり叩き込んでから単語も含めて覚えるのが無難です。なんといっても、日本人では表現しにくい子音母音の差で、全く異なる意味や単語となってしまうものが非常にたくさんあるからです。

読解や文法、簡単な会話を筆記試験で答えるなどについては、検定試験のかなり上級部分まで、学習を開始してから数か月で到達できてしまいます。

ですが、こちら側を先に優先させてしまうと、ヒアリングはもちろん、自分で単語を暗記したあとに正確な音と綴りが一致しないことがあり、あらゆる単語や表現を最初から覚えなおす必要があることも!

簡単に思える中国語ですが、日本語とはしっかり区別して覚えなければいけない単語数も多いだけに、常に注意が必要です。

日本語と韓国語の間の類似性よりは、中国語と韓国語の類似性のほうが高いという説もあります。日本語と中国語をしっかりおさえたうえで、韓国語を学んでみるのもよいでしょう。

まとめ

今回は、外国語学習についてご紹介しましたが、いかがでしたか?

昔は各国語……特に英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、中国語といった言語以外は、学習書が非常に乏しく、テレビやラジオの語学講座が現代語に触れる唯一の手段でした。

現在は、かなり学習者数が少なくレアな言語でも、YouTubeのような動画サイトやedX、Udemyといったサイトを経由して学ぶことができます。

日本語での動画や講座もありますが、比較的教材が豊富なのは英語ベースでそれぞれの言語のネイティブスピーカーがレクチャーしてくれるもの。

こういったものをしっかり生かして、賢く速成型で、効率よく外国語を身に着けたいものです。

外国語の勉強の方法としては下記の記事もご参考になさってください。

15の言語を話した人が実践した勉強法!音読の大切さとその効果とは!?

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