スキルアップに使わなきゃ損!教育訓練給付制度とは?

キャリア

会社で働いている人の多くが給料から天引きされている「雇用保険料」ですが、いつ役に立つか知っていますか?失業したときの失業手当のため、というのも正解ですが、実は在職中であっても「雇用保険料」を使える制度があるのです。それが、国が実施するスキルアップ支援「教育訓練給付制度」です。この制度を利用すると、資格取得のための費用が大変お得になります。今回は社会人学生にとって知っておいて損はない「教育訓練給付金支援制度」の概要をご紹介します。

教育訓練給付制度を簡単に言うと…

教育訓練給付制度とは、簡単に言えば

「仕事につながるスキルアップのための教育訓練費が20%~70%返ってくる制度」

のことです。雇用情勢が不安定な現在、手に職をつけて自身の専門的価値を自発的に高めることが求められています。しかし、新しい資格を取るときにネックになるものが高い学費(教育訓練費)です。この学費の負担を減らしてくれるのが教育訓練給付金という制度なのです。

この制度は

・美容師

・看護師

・保育士

・栄養士

・MOS資格取得

・WEBクリエイター能力認定試験

・CAD利用技術者試験

・TOEIC

・簿記検定試験(日商簿記)

他、数え切れないほどの資格・技能取得のための講座に対応しています。また、学び方も、通学制大学(昼間・夜間・土日)、通信、eラーニングといろいろな種類が用意されているので、仕事が忙しい人でも自分の学びやすいものを選ぶことができます。

教育訓練給付金制度はハローワーク経由で申し込むため、求職中の人向けの制度と誤解される方もいるかもしれませんが、実は職に就いている人でもキャリアアップ・スキルアップ目的で使うことができることを覚えておいてください。

教育訓練給付制度の種類

先に「仕事につながるスキルアップのための教育訓練費が20%~70%返ってくる制度」という説明をしましたが、給付率に大きな差があることに疑問を感じませんでしたか。実は教育訓練給付金には3種類があり、それぞれ給付率が違うのです。

一般教育訓練給付金

短期で取得できる資格取得のための教育訓練費を含め、広範囲をカバーしている給付金です。給付される額は教育訓練費の20%で、最大で10万円まで給付金を受け取ることができます(ただし給付金額が4000円を超えない場合は支給されません)。例えば、「職場の配置転換で英語が必要とされる部署に入ってしまったのでTOEICの点数をアップさせたい」などの理由で制度を利用することができます。

専門実践教育訓練給付金

長期的な教育訓練が必要な専門性の高い技能を身につける際に使える制度です。例えば看護師、介護福祉士、美容師、保育士、調理師、歯科衛生士、社会福祉士などの資格を取得するための専門学校・大学に払う学費の一部を給付してもらえます。給付される額は教育訓練費の50%と非常に高い値です(ただし給付金額が4000円を超えない場合は支給されません)。1年につき最大40万円まで給付金を受け取れます。最大3年間訓練を受けることができるので、総額で言えば120万円までお金が返ってくるわけです。

そして、専門実践教育訓練給付金はさらなるボーナス制度があります。

専門実践教育訓練の受講を修了した後、あらかじめ定められた資格等を取得し、受講修了日の翌日から1年以内に被保険者として雇用された方又はすでに雇用されている方に対しては、教育訓練経費の20%に相当する額を追加して支給します。

引用元:https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_education.html

教育訓練を終え、目的の資格を習得後1年以内に雇用保険に加入した人(あるいはもともと被保険者である人)は、+20%の給付金を受け取ることができるというのです。総額にして最大70%もの訓練費給付を受けることができるという大変ありがたい制度ですね。この場合給付金の上限は168万(訓練が3年の場合)ですが、給付金が4000円を超えない場合は支給されません。

特定一般教育訓練給付金

特定一般教育訓練給付金は令和元年10月1日からスタートした比較的新しい制度です。IT関係のスキルなどキャリアップ効果の高いと考えられる特定の150講座を対象に、給付金の割合を一般教育訓練給付金よりも引き上げるという内容になっています。再就職や職場内でのキャリアアップに大きく役立つ講座を特別にお得にする制度というわけです。特定一般教育訓練給付金対象講座なら教育訓練費の40%の給付金を貰うことができますから、給付率は一般教育訓練給付金の倍です。税理士、社会保険労務士などの資格を取るための講座、介護職員初任者研修などが対象となります。最大で20万円の給付金がもらえますが、給付金が4000円を超えない場合は支給されません。

失業状態の人には+α

また、失業状態の人は「教育訓練支援給付金」を受講できる可能性もあります。この制度は初めて専門実践教育訓練(通信制、夜間制を除く)を受講する人が、「失業状態であり受講開始時に45歳未満など一定の条件を満たす場合」、離職前の基本給×8割の金額を給付金として受け取ることができるというものです(ただし、この支援給付金制度は令和4年3月31日までの期限付きで、期限後は後続の支援策があるかどうかは分かりません)。

教育訓練給付制度を使う上での注意点

では次に教育訓練給付制度を使う上での注意点を見てみましょう。

受給対象者であるか確認をする

教育訓練給付制度を使う場合、まず自分が教育訓練給付制度の対象者かどうかを確かめる必要があります。教育訓練給付制度は一定期間雇用保険の被保険者であった人を対象にした制度です。また初めて教育訓練給付制度を使う場合と、2回目以降では求められる雇用保険加入期間が異なります。受給対象者の条件が非常に複雑ですので、自分が受給条件を満たしているかハローワーク(もしくは労働局)であらかじめ確認しましょう。

対象訓練の確認をする

教育訓練給付制度は厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し、修了することで使うことができます。ということは、厚生労働大臣が指定していない教育訓練を受けても給付金はもらえないということです。指定はスクールや大学を単位に行われるものではないので、例えば同じスクールが実施しているAコース、Bコースがあり、Aコースだけが教育訓練の指定をうけているという事例もあります。給付金対象の訓練かどうかを事前に調べておくことが大切です。

途中で投げ出さない

教育訓練給付金は教育訓練を修了した人を対象にしていますので、勉強が難しくなっても途中で投げ出さないようにしましょう。スキルは身につかず、お金も戻ってこないという非常に不幸な事態になります。どうしてその訓練を受けようと思っているのか、志望動機や将来への生かし方を考えたうえで自分に合った教育訓練を選択しましょう。

申請を忘れない

ただ教育訓練を終えただけで、自動的に給付金が振り込まれるわけではありません。給付金を受け取るためには、ハローワークでの申請が必要です。とくに給付金の金額が高い「専門実践教育訓練給付金」と「特定一般教育訓練給付金」は受講前の手続きも必要になります。申請忘れでせっかくの給付金を受け取れないという事態が起こらないように注意しましょう。

 

スキルアップしたい方はハローワークへ!

教育訓練給付制度について、概要は理解できたでしょうか?教育訓練給付制度は徐々に手厚くなっており、支給額の割合や上限などが変化しています。最新の情報を手に入れたい場合は、最寄りのハローワークに行ってみましょう。受給条件の疑問、支給申請の仕方などについても相談にのってくれます。またなかなかハローワークに行く時間が取れない人は、厚生労働省の公式ホームページをチェックしてみましょう。教育訓練給付制度について詳しい情報が載っています。

キャリアアップを考えている人は、教育訓練給付金制度を使ってお得に勉強を進めていきましょう!

 

参考URL

https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_education.html
https://www.hellowork.go.jp/dbps_data/_material_/localhost/doc/kyouiku_kyufu.pdf
http://www.kyufu.net/about/new-institution/
https://furikake.doda.jp/article/2019/09/20/1711.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06073.html

 

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