世界最古の記憶術!?莫大な情報を記憶できる「記憶の宮殿」とは?

宮殿

「記憶の宮殿」という言葉をご存知ですか?

記憶の宮殿は約2,500年前に古代ギリシアの詩人であるシモニデスによって考えられた、世界最古の記憶術です。

世界最古でありながら、今でも活用する人が多く、記憶力のチャンピオンたちもこれを利用し、通常では考えられないほど多量の情報を記憶しているといいます。

とは言っても、そんな超人たちでなくても誰でも簡単にできるのが、この「記憶の宮殿」であるといいます。

今回はこの記憶の宮殿について詳しくご説明していきます。

記憶の宮殿とは?

記憶の宮殿は「場所法」とも呼ばれる記憶術です。

先述のシモニデスはある日、宮殿で貴族たちに詩を読んでいました。
その後、一旦宮殿の外に出たのですが、その間に宮殿が崩れ落ちてしまったため、貴族たちはその下敷きとなり死んでしまったのです。
しかも、遺体は身元の判別ができないほど損壊してしまっていました。

しかし、シモニデスは貴族たちがどのような席の配置で座っていたかを思い出せたため、そのことによって遺体それぞれの身元が判明し、全員を埋葬することができたといわれています。

つまり、頭の中の場所に、何がどのような配置であったのかを覚え、それを思い出すことで記憶を再生させるという技術なのです。

記憶の宮殿の作り方

記憶の宮殿においては、まず自分の頭の中に仮想の空間を作り上げます。

とは言っても、全く新たな空間を作り上げる必要はなく、自分の部屋であったり、故郷や住んでいる街など、自分のよく見知った空間をイメージします。
情景や、物や建物の配置などを細かく頭の中にイメージできるものが理想です。

その空間に、記憶したいものを配置していき、その空間ごと覚えてしまうのが記憶の宮殿です。

空間ごと覚える、なんて聞くと、元々の事柄より大変に感じてしまうかもしれませんが、実は人間は空間記憶の能力に優れているため、ただ文字のまま覚えるよりもかなり楽に記憶することが可能になります。

記憶の宮殿での記憶の仕方

例えば、円周率の3.14の後(15926535897…)を覚えようとする時には、下記のようなイメージをします。

部屋の何処かに囲碁(15)盤を配置して、その上に急に(92)ライオンキングのロゴ(65)が三個(35)置かれます。すると「ハクナ(897)・マタタ…」と歌が聞こえてきて…

というような具合です。これだけで小数第十一位まで覚えることができました(ちなみに私は200ケタ以上覚えています。。)

もちろん、これは一例でしかなく、どんなことでもこの記憶の宮殿を使えば記憶可能です。

どこを記憶の宮殿にするか

記憶の宮殿を作るには、まず場所を設定する必要がありますが、その場所は、極論を言うとどこでも可能です。

例えば、記憶の宮殿を普段から利用している私の知人は、お互い初めて来た場所で話していた時に「もう既にこの場所で何箇所か記憶の宮殿を作れた」と言っていましたし、慣れてしまえばどこでも可能なのでしょう。

とは言え、まずは自分の部屋が、やはり毎日過ごしている場所ですからイメージがしやすいでしょう。頭の中にある部屋の中に何か普段置いていないようなものを置けば、やはり違和感があったりして印象に残りますから、より覚えやすいと思います。

最初はそういった、馴染みのある場所を記憶の宮殿として自分の頭の中にストックしておき、慣れてきたらどんどん場所を追加していくことで、記憶できる容量がそれだけ増えてくるといいます。

記憶の宮殿を一箇所作っても、そこにあまりにも大量のものを詰め込みすぎるわけにもいきません。
いわば、どんどん部屋が汚くなってきてしまい、自分の探しているものがどこにあるのか分からなくなってきてしまうわけです。

記憶の宮殿は使い捨てではない

一方で、部屋が汚くなっても片付ければいいように、もう記憶している必要がない事柄があれば、それを記憶の宮殿から取り去ってしまえば、新たなものをそこに代わりに置くことができますから、再利用は可能とも言われます。

或いは、例えば自分の部屋を記憶の宮殿にしたのならば、その部屋から出て自分の家の違う部屋も記憶の宮殿として拡張していくことも可能です。

自分の家全体まで記憶の宮殿を拡張できたならば、(もしあなたが本当に宮殿さながらの豪邸に住んでいるならばなおさらですが、、そうでなくとも)記憶できる容量はかなり大きくなってくるでしょう。

さらに家を出て、家の周辺を含むように拡張していくこともできるでしょうし、或いは全く別の場所を記憶の宮殿にすることもできるでしょう。

まとめ

今回は、人類最古の記憶術「記憶の宮殿」について紹介していきました。

なんだか「宮殿」なんて仰々しい名前ですし、記憶の達人たちの用いる方法が自分でも利用できるのか、と思ってしまうかもしれませんが、2,500年前から伝わっており未だに利用している人がいる、ということは裏を返せばそれだけ利用しやすく、効果があるということでもあります。

コツさえ掴めばどんどん記憶できることも増やしていくことができますから、まずは身近なところから記憶の宮殿にしてみては?

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