うわっ…私の勉強、遠回りすぎ…?正しい勉強の進め方とは

勉強法

勉強って大変ですよね。誰にとっても。
「勉強が好き」なんて人は少ないでしょう。でも一方で、どこにでもそんな人というのは一人はいるものです。

例えば、世の中には社会人になってから、改めて大学院生になる人達も存在します。社会人として、既に仕事・収入を得られてなお、学費を支払ってでも勉強をしに行こうというのです。

では、勉強好きとそうでない人の違いって、一体何なんでしょう?
ソレこそが「勉強法を知っているかどうか」だと私は考えています。

記憶の相乗作用

記憶には相乗作用があることが知られています。

これには潜在的な記憶の一種である「手続き記憶」が関係しています。

手続き記憶は、その名の通り、何かの手続き・やり方に関する記憶で「これをこうして、こうすればこうなる」といった類のことを、しかしあまりそう説明的でなく「身体で覚える」といった感覚に近い形で記憶することを指します。
例えば泳ぎ方、自転車の乗り方、或いは将棋の棋譜なども手続き記憶の一種と言えるでしょう。

これらは、覚えることも思い出すことも無意識的に行われます。これが記憶の相乗効果を生み出すのです。

例えば、何かAということについて勉強したとしましょう。その時、単純なAの内容の他に「Aの理解の仕方」についての手続き記憶も無意識的に記憶されます。そしてその後、新たにBということについて勉強したときに「Aの理解の仕方」がBの理解を助け、Bの記憶を楽にすると言われています。そしてBを勉強したことにより「Bの理解の仕方」も記憶され、これが逆にAの理解を補強する効果もあります。

これが、記憶の相乗作用です。

努力と成果は比例しない

そして、その記憶の相乗作用ゆえに、努力とその成果は比例的な関係になく、むしろ指数関数的な関係にあるようです。

例えば、現状で100の知識があるとしましょう。ここで、さらに知識を深めるため100の努力を行いました。そうすれば100の成果が得られ、知識は200になります。ここまでは普通でしょう。しかし、さらに100の努力を行った時、ここで得られる成果は200となります。ここから100ずつ努力を加えていくと成果は400、800、1,600…と、どんどん倍々になっていくわけです。

  • 初期知識:100
  • 100の努力(計:100) → 100 + 100 = 200
  • 100の努力(計:200) → 200 + 200 = 400
  • 100の努力(計:300) → 400+ 400 = 800
  • 100の努力(計:400) → 800 + 800 = 1,600
  • 100の努力(計:500) → 1,600 + 1,600 = 3,200

こう聞くと、努力と成果は非常に効率の良い関係にあるように思われますが、目標とするところが、例えば「100,000」というところにあったとすると、ここまで500の努力を費やしてもまだ知識は計3,200しかありませんから、達成率は3.2%と、まだまだ道は長いように思われます。

しかし、地道に努力を重ねていけば、知識は6,400、12,800、25,600、51,200…と伸びていき、次の100の努力で成果は102,400に達し、目標達成と相成るわけです。

努力500の時点では3,200だった知識も、その倍の1,000の努力をした時点で知識は102,400ですから実に32倍になっています。

「天才」は作れる!

この、記憶の相乗作用で努力と成果が指数関数的に増えていく、ということにより、知識は最初は緩やかに、しかし次第に急速に増していくように感じられ、それでしばしば私たちは目標との遠近感に混乱や戸惑いを覚えてしまいます。

上記の例で、初期である知識が100の立場から見ると、10万の知識を持つ人間は自らの1,000倍ですから、およそ自分には到達できない「天才」の域にいるように感じられます。
しかし、ご説明したように地道に努力を重ねていけば到達は十分に可能なのです。

前しか向かないことの弊害

勉強が苦手な人はみんな、学校や塾で習ったことを、理解しないままにしています。

「今日の問題は難しいなぁ…、こんなの俺に解けるわけないよ。」

 

「こんなの習ってないよ。」

これが、勉強が苦手な人の良くないパターンです。

勉強がよくできる人はこう考えます。
「この問題は難しいなぁ、でも、○○を理解すれば解けそうだ、まず○○を理解してみよう」

勉強ができるかどうかの違いなんてこんなものです。
自分の才能のせいにせず、一度前に戻って勉強し直してみる。

それを繰り返していくだけで、いつの間にかクラスでもトップクラスに立てるはずです。

では、難しい問題をそのままにしていたらどうなるのでしょうか?

『わからないことを放置したら、次に進むことができない』とはよく言いますが、 勉強でも「次に何を学ぶべきこと」「過去に習ったこと問題との関係」を理解ができず、応用問題を何一つ解くことができなくなってしまいます。

例えるなら、海図とコンパスなしで大海原を航海するようなものです。先述の記憶の相乗作用も生まれませんし、どこに向かっていけば良いかも分からなくなってしまいます。

勉強ができる人は、これまで航海してきた航路を海図に記しておき、コンパスと海図を照らし合わせて位置関係を確認するように、今までに勉強した場所をきちんと理解し、自分の学習状況を把握しています。

あなたにとっての海図は「授業や自習の内容を示すノート」、コンパスは「参考書や問題集」といったところでしょう。

勉強ができる人達は、今自分が勉強しているところは、今まで勉強したところとどんな関係があるのか、自分はどこまで理解できているのか、次に何を学ぶべきなのか、これらを十分に理解しています。

迷子にならないために

勉強が苦手な人たちは、学んだことが身につかないまま先に進んでいくので、いつの間にか迷子になっていきます。そして勉強が嫌いになってしまう。更にはストレスをためるだけの作業になってしまうのです。

だからこそ、正しい勉強法で効率よく勉強して、勉強の楽しさや価値を見つけて行くことが必要です。そして、そのためには自分にあったコンパスが必要です。

学校で使っているものは、例外なく一級品のコンパスですが、置いてかれてしまったり、もっと先に進みたいという人には向いていません。

勉強法に不安がある人は、当ブログでおすすめされている参考書・問題集を使ってみましょう。どれも、下記の勉強法を実践するためには申し分ないものとなっています。
ぜひ試してみて下さい。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、本題の勉強のコツを紹介します。

ポイント
  1. 一度間違えた問題は時間をおいて解けるまで挑戦する
  2. 難しい問題は、まず答えを見ながら理解を広げつつ解く
  3. 勉強に終点はない、自分自身でノルマを決めて目標とする

ここで紹介する勉強のコツは上記3項目に従うこと。

下記に詳しく説明していきます。

一度間違えた問題は時間をおいて解けるまで挑戦する

まず第一に、間違えた問題をそのままにしていては意味が全くありません。

  • 何が間違っていたか
  • どう解けば先に進めたのか
自分の誤答について、解答と照らし合わせながら考えて理解することが、自分の実力を向上させる唯一の手段だと私は考えています。

考えることが記憶につながる他、問題の意味を何度も考えて体になじませることで覚えたことを忘れにくくなり、問題を解くスピードも格段に上がることが期待できます。

そして、問題の解法を理解するだけで終わらずに、自分で一から解けるようになること、加えて、それを時間をおいて復習することが非常に重要です。

難しい問題は、まず答えを見ながら理解を広げつつ解く

第二に、答えを見ることのの大切さを説明します。

例えば難しくて解けない問題にぶつかったとき、ただ「×」をつけてしまうのでなく、答えを見て“解答の順序・その意味・結果”を理解して、答えを導くまでの一連の流れを自分でゆっくり試してみましょう。

そうすることで解法の暗記もはかる他、問題に対する理解が一層深まり、勉強の効率が上がります。

これは私個人の持論ですが、この作業なくして頭が良くなることは決してありません。
この作業を行わない人の多くは、常に”わかる問題にのみ挑戦”し、”わからない問題をスルー”してしまっているからです。これでは次のステップにいつまでも進むことができません。

難しい問題に挑んだ人も、間違えた箇所・理由を解答をもとに理解しなくては、せっかくの努力が水の泡です。解答のチェックは確実に綿密にやっておきましょう!

勉強に終点はない、自分自身でノルマを決めて目標とする

第三に、勉強には絶対的な目標が必要です。
勉強は何百時間かけて勉強したとしても、そこで終わりということはまずありません。
模試を受けて志望校がA判定であっても、あるいはセンター試験で満点取ったからといっても、いつどんな条件下でも同じ結果が出るとは限りません。
上を目指し続ける限り、終点にたどり着くことはないのです。

ただし、そうやって闇雲に先を目指しても勉強が面倒になっていくだけです。
そこで、「今週中にこの問題集もこのページまでこなす」とか「次の模試で志望校B判定を出す」など、最終目標だけでなく、短・中期的なスパンで具体的なノルマを決めて毎日勉強していくのがよいかと思います。

毎日の勉強でも「今日はここからここまで」と毎日ノルマを決めていくと、より勉強がはかどるでしょう。

急がば回れ

以上、正しい勉強の進め方について考えてきました。

勉強は積み重ねていくものです。残念ながら近道はありません。
しかし、それでも遠回りを避けることはできます。それが今回ご説明したような、間違いや分からないこと、難しい問題を放っておかないことにあたります。

一見、時間がかかってしまいそうに思えますが、そうやって一つ一つに向き合っていくことが、目標達成につながる最短距離なのです。

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