人に説明するのが大切?海外の優秀な大学生の勉強法「グループスタディ」

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海外の大学へ留学した経験のある人から「海外の勉強法は日本と違う」という話をよく聞きます。詳しく聞いてみると、海外での学習は個人学習に加えて「グループスタディ」を積極的に行っているそうです。

グループスタディは簡単に紹介すると、数名のグループをつくってお互いが個人学習をし、その後グループでお互いに説明をしあうというもの。

ただ授業を聞くだけの受け身の体勢では理解度が5%にとどまるところを、人に説明することで理解度を90%まで高めることができるとの説もあります。

海外の新常識ともいえる「グループスタディ」。その効果ややり方を紹介します!

海外と日本の大きな違い

まずは冒頭でも紹介した、日本と海外の勉強法の大きな違いを見ていきましょう。

日本は一人でコツコツ勉強する

日本人の場合は、一人でコツコツ勉強する人が多い傾向にあります。そもそも日本のテストは個人勝負です。そして人より良い点数を取ることで、進学先や就職先の選択肢も広がっていきます。

実際に、日本では自宅勉強を頑張った人でも、テスト前の会話では声を揃えて「全然勉強してない~」「やろうと思ったんだけど、できなかった~」と言っていますよね。筆者の高校は進学校でしたが、それでも正直に「たくさん勉強したよ!」という人がいれば「空気が読めない」と非難されてしまう暗黙の了解がありました。

これは、日本の進学ルールにも関係していると筆者は考えます。例えば4人チームでグループスタディに励んでいたとしても、ある大学の定員枠が3名の場合は誰か1人が進学できません。他人を出し抜いて勉強しないと目標が達成できないことも、グループスタディが敬遠されてしまう原因となっているはずです。

海外はみんなで一緒に賢くなる

個人学習が主流の日本に対して、海外の学習はグループスタディでみんなで賢くなろう!との方針です。この記事では一言で「海外」と紹介していますが、アメリカや韓国で多く見られるとのことです。

日本の大学は定員が決まっていることからこそ、入るのが大変ですが卒業は簡単です。対して海外の大学は、授業の密度がとても高く、事前学習が欠かせません。そのため入るのは簡単ですが、卒業するのが大変といわれています。

そもそも海外の大学は、授業を聞くことが主体の日本とは違い、ディスカッションが中心です。だからこそ、事前に文献を読んで内容を把握しておく必要があり、授業外の学習が必須となります。

そのことからも、手分けをして要点を整理し、共有するグループスタディが効果的であり、当然のように取り入れられています。

海外の優秀な大学生が実践する勉強法「グループスタディ」

日本の大学よりもかなり高度な学習を実践する海外の大学ですが、主流となっているのがグループスタディ。詳しいやり方は後述しますが、数名のグループで各自が分担された箇所を学習し、人に説明することで理解を深めることを目的とした学習方法です。

ある研究によると、一方的に授業を受ける場合の理解度は5%程度、理科の授業などの実演された授業を受ける場合でも理解度は30%程度といわれています。

これらの受け身の授業に対して、実践やディスカッションを行う場合の理解度は50%を超え、他の人に自分の知識を伝えると、その理解度は90%にものぼるともいわれています。

実際にやってみるとわかるのですが、人へ説明をするには物事に対してかなり理解を深めなければいけません。深い部分まで一度理解するので、記憶として定着しやすくなります。

グループスタディの効果は?

海外では常識となりつつあるグループスタディですが、何がそんなに魅力的なのでしょうか。グループスタディの2つの効果についてまとめました。

人に説明することで理解が深まる

まず第一に、人に説明することで理解度を高めることができる点です。

例えば日本史で織田信長について学んだとします。授業を聞くだけの場合は、先生の話を流し聞きして黒板に書かれた単語のみをノートに写す程度です。しかし人に説明しようとすると、以下のような内容までしっかりと理解する必要があります。

  • 何年にどんなことをした人?
  • それによって、日本の歴史にどのような影響を及ぼした?
  • 他に影響を与えた関連する人物は?
  • その頃、他の国ではどのようなことが起こっていた?
最低でもここまで理解を深めなければ、人へ説明するのは困難です。逆にいえば、ここまで覚えてしまえば忘れる方が難しいほどに理解が深まりますよね。

人と分担することで責任感が生まれる

2つ目は人と分担することにより責任感が生まれる点です。1人での勉強の場合、どうしても「このぐらいでいいかな」という甘えの感情がうまれます。

しかしグループで分担した場合は、自分が担当となった部分をきちんと説明できるようにしておかなければ、グループ全員に迷惑をかけてしまいます。それぞれの責任が強いほど、勉強をサボることができなくなりますよね。

やってみよう!グループスタディ

最後にグループスタディのやり方を紹介します。友人を誘ってぜひ挑戦してみてくださいね。

①一緒に勉強する仲間を探す

まずは一緒に勉強する仲間を探します。人数が多すぎると知識の共有が大変なので、2~4名程度がおすすめです。

日本の大学入学制度を考慮すると、志望校が同じ仲間を選ぶと、グループの誰かが受験に失敗してしまう事態にもなりかねません。志望校は違うものの、学力レベルが同じぐらいの人を探してみると効果的です。

②お互いが個別学習をする

仲間が見つかったら、まずは個人学習に取り掛かりましょう。グループスタディという名前ではありますが、最初から最後までグループで取り組むわけではありません。

テスト範囲やその日に勉強した内容など、範囲を決めて取り組みましょう。範囲が広すぎる場合は前半と後半に分けるなど、分担するのも効果的です。

この後はグループ同士で説明をする時間が必要なので、期限を決めて全員が守るようにしてください。

③ある程度理解が深まったら、仲間に説明をする

個人学習で該当箇所の理解を深めることができたら、ここでグループ学習に切り替えます。順番に、仲間に自分が学習した箇所について説明をしてください。

この「説明をする」のが、グループスタディの核ともいえる部分です。授業を聞くだけの受け身の学習よりも、自分で一度理解してアウトプットすることで、理解が格段に深まります。

④理解が浅い部分や間違っているところを指摘し合う

グループスタディの醍醐味は、友人が自分の知識を客観的に評価してくれる点です。聞く側に回った場合は、理解が浅いと感じた部分や、説明に違和感を感じた部分は遠慮なく指摘をしましょう。

説明する側の方は、自分が一生懸命勉強した部分を指摘されるのはショックを受けるかもしれませんが、大事なのは知識を深めることのはず。間違ったまま覚えてしまわずに済んだことを喜ぶぐらいの気持ちを持ちましょう。

まとめ

海外の優秀な大学生が実践する勉強法「グループスタディ」を紹介しました。それぞれの内容に対する深い理解が必要となる反面、それぞれが情報交換をすることで短時間で効率的な学習が実現します。

まだまだ日本の定員が決まった受験とは相性が悪い部分もありますが、似たような目標を持つ人と力を合わせて勉強をすすめることは、モチベーション維持にもつながります。ぜひ相性の良い仲間を見つけて、グループスタディに挑戦してみてくださいね!

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