あなたに合うのはどれ?自分向けの英単語帳を選ぶコツ(大学受験向け)

英単語

本屋さんに行くと、ずらっと並んでいる英単語帳の数々…。どれを選んだらよいのか戸惑ってしまいますよね。

今回は大学受験向けとして発売されている英単語を6種類に分類してご紹介します。あなたにぴったりの英単語帳を選ぶ参考になれば幸いです。

英単語帳6分類

試験に出る単語から効率よく覚える「頻度順」タイプ

頻度順タイプは試験によく出る順に単語が紹介されているので、前から覚えていくことで重要度の高い単語を自然と覚えていくことができます。

例えば地元の公立大学を受けるのに、難関私立向けの難解な単語を無理に覚える必要はないですね。

効率的な勉強のためには、頻度順の英単語帳はとても役に立ちます。このタイプの英単語帳はたくさんの大学入試データを分析して作られていますので、大学受験に特化した英語の勉強には心強い味方です。

ただし、頻度順の英単語帳というのは1つ1つの単語や例文の間に何の関連性もないので、複数の単語をまとめて覚えることが困難です。各単語を1つずつ覚えていく、地道な作業が必要になります。

向いている人

  • 大学受験まである程度時間がある人
  • 真面目でコツコツ勉強できる人

代表的な単語帳

『英単語ターゲット1900 5訂版 (大学JUKEN新書)』

センター試験から国公立2次試験・難関私大レベルまで幅広い大学受験に対応した単語帳。コンパクトで持ち運びやすいデザイン、1語1義主義(1つの英単語によく出る1つの意味を強調表示)で学習者に負担をかけない構成を特徴としています。

短いフレーズで単語のイメージを強化する「フレーズ型」タイプ

フレーズというのは「句」のことで、短いまとまりのことです。英単語を1個ずつ覚えるのではなくフレーズで覚えることで、一気に2個以上の英単語を身に着けることができる、それが「フレーズ型」英単語帳の利点です。例えば、beautifulだけを覚えるのではなく、beautiful daughterという「フレーズ」を覚えていくわけです。

フレーズ型の利点はいくつかあります。

まず、例文を覚えるよりも負担が少ないこと。単語は必ず文章の中で使われるものですから例文を使って単語を覚えることには意味があるのですが、基本的な文法知識・単語力がないと例文を理解することすら難しくなります。その点フレーズならば使われている単語の意味さえ分かれば、簡単に理解することができます。

また、フレーズという形式を取ることで「動詞」としての使い方、「形容詞」としての使い方などが身につきます。先の例ならbeautifulは名詞の前に着けて使うものなのだと自然に覚えることができるのです。

さらにフレーズによって、単語の持つ意味をイメージを伴って理解することができます。beautifulは「綺麗な」という意味ですが、これは概念なので具体的なイメージを持ちにくい言葉です。しかしそこにdaughterという名詞がつくことで「綺麗な娘」という形を持ったイメージとして記憶することができます。

欠点はフレーズでは単語の複数の意味をとらえるのは不可能だという点です。多義語の場合はそれだけの数に見合ったフレーズを覚えなければなりません。また、文法知識や読解力については別の参考書で押さえる必要があります。

向いている人

  • 基礎的な英単語に自信がない人
  • 英文を理解するのが難しい人
  • イメージを重視して単語を覚えたい人

代表的な英単語帳

『システム英単語 (駿台受験シリーズ)』

「シス単」の愛称で親しまれている単語帳。収録されているミニマル・フレーズは入試を分析した頻度順で、紹介されている意味も入試で出る順を分析したものです。発音や派生語など気を付けてほしいポイントを示した「ポイントチェッカー」や間違いやすい用法を指摘する「語法Q&A」など、大学入試を戦う上での戦略が詰まった一冊といえます。

『英単語ピーナツ』

よくつかわれる英単語の組み合わせ「コロケーション」で自然なフレーズにこだわった知る人ぞ知る英単語帳。通称「ピー単」。情報・教育など単語の並びはテーマ別になっており、フレーズとフレーズの間にもつながるイメージを持てるところが特徴となっています。

右ページに日本語、それをめくった左ページに英語という構成で、日本語の方にはヒントになる英単語の一部と、当てはまる英単語のリストがついています。これは英単語をドリル形式で覚えるための工夫です。全くのノーヒントでは英単語が出てこない、嫌になってしまうという英語アレルギーの方にもお勧めできる英単語帳といえます。日本語訳もどこかユーモラスで、型にはまらない言い回しが魅力的です。

単文の中で複数単語を同時記憶する「1文」タイプ

フレーズタイプの拡大版ともいえるのが1文タイプの英単語帳です。このタイプでは1つの文のなかに複数の覚えるべき英単語を詰め込んでいます。

単語別に用意された例文では、単語の数だけ覚えるべき文が増えていきます。しかし1文タイプならば覚えるべき例文を数分の1に減らすことができるというわけです。テストまでの時間が少ない場合はこのタイプの単語帳で勉強時間を凝縮することができます。

フレーズタイプでもある程度効率的な勉強は可能です。しかしフレーズタイプが主に2個の単語の組み合わせなのに対し、1文タイプは1つの文に5~6個の重要単語と熟語を詰め込むことができます。その凝縮率には結構な差があります。

とはいえ1文タイプにも欠点はあります。それは1文に単語を詰め込むことで面白みのない文ができてしまうことです。また単語の数を増やすことで例文の構造が難解になっていることも。むしろサクサク進めるフレーズタイプの方が結果的に見て勉強効率が良かった、という人もいるかもしれません。

向いている人

  • できるだけ暗記時間を短縮したい人
  • 基礎的な英単語・英文法知識がある程度ある人
  • 効率的な勉強がしたい人

代表的な英単語帳

『DUO 3.0』

英語ネイティブ監修の、本場英語に即した英単語帳です。560の例文に重要単語1600語と重要熟語1000語を重複無しで凝縮させています。

最新テーマなどを盛り込み、フォーマルな言い方なのかどうかといった「実際の英会話」で役立つ情報も満載。大学受験生だけといわず、社会人になってもお付き合いできる英単語帳です。

その分やや難易度が高くなっています。基本的な英単語や英文法の構造は抑えてから取り組みたい1冊です。

英単語とともに長文読解対策もできる「文章」タイプ

本来、英単語は個別に覚えるのではなく、会話や文の中で覚えるのが自然です。入試の場面でも英単語だけの意味を問われることは滅多になく、長文の中での英単語の意味をいかにとらえることができるのかが重要なのです。

入試で出る形に一番近い方法で英単語を覚えるのが文章タイプの英単語帳です。ある程度まとまりのある文章の中に覚えるべき英単語が登場します。

このタイプでは単語暗記とともに文章を読むという作業も同時に行うわけですから、英文読解の勉強にもなります。一石二鳥ですね。

本を読むのが好きな人、単調な暗記作業が苦手という人にとっては楽しく英語が学べる単語帳になることでしょう。

しかし英単語を覚える前にまず文章を読み解く必要がありますから、覚えるべき英単語以外の文章が全く分からない、という人にとっては単語暗記の前に挫折してしまう可能性大です。

向いている人

  • 中学の時に英語が得意だった人
  • 丸暗記は嫌いな人
  • 難関大志望者

代表的な単語帳

『速読英単語 必修編[改訂第7版] (Z会文章の中で覚える大学受験英単語シリーズ)』

大学入試の最新傾向から取り上げるべきテーマに沿った文章を収録している英単語帳。文章は難易度順になっているので易しいものから初めて徐々にレベルアップしていくことが可能です。文構造解説動画が付録としてついているので、文章読解の勉強においても頼れる優れものの一冊となっています。

知らない単語の推測にも役立つ「語源」タイプ

語源タイプの英単語帳では、単語を分解して、その1つ1つの「意味」を解説してくれます。

1つの単語は「接頭辞」「接尾辞」「語根」などに分かれています。それらの部分には共通する意味があります。

たとえば、preには「前に」という意味があります。またcedeには「進む」という意味があります。だから、precedeは「前進する」という意味になるのです。

同じく、reには「後ろへ」という意味があります。だからrecedeは「後退する」という意味になります。

このように各単語に共通する語源を抑えていくと単語をまとめて暗記する手掛かりになるのみならず、初めて出会った単語でもある程度意味を推測することが可能になります。

ただし語源で理解できる単語には限りがあります。また理屈的なので、「こんなややこしい理解の仕方をするぐらいなら丸暗記の方が良いのでは?」と考える人には向きません。

向いている人

  • 論理的に考えるのが好きな人
  • ある程度英単語を覚えている人
  • 知らない単語でもある程度意味の予測を立てたい人

代表的な単語帳

『英単語の語源図鑑』

今まで紹介した単語帳とは大分毛色が違います。語源のイメージを広げるためのかわいいイラストが多用されているので、勉強をしているというより絵本を見ているように感じられるのではないでしょうか。

英語を暗記することに必ずしも特化した内容ではないのですが、知っている単語のイメージをより強化したり、どうしても覚えられない単語を暗記するための手がかりに使える1冊です。

語呂合わせで単語を瞬間記憶する「語呂」タイプ

英単語を語呂合わせで覚えるなんて邪道だと思われるかもしれません。実際入試に出てくる単語をすべて語呂で覚えるのはやめるべきだと思います。語呂を覚える時間があるなら、英単語を数回書き取りした方が良いです。

しかし、どうしても覚えられない英単語がある場合は、語呂を使うのも1つの手です。世の中にはどうしても自分と相性の悪い英単語があります。そんな時には「語呂」タイプの英単語帳にすがりましょう。

向いている人

  • 普通の英単語帳では嫌な人
  • どうしても覚えられない苦手な英単語がある人

代表的な単語帳

『ゴロあわせ合格英単Vワード』

語呂に加え、イラストや解説がついている単語帳です。かわいいイラストが語呂のイメージを膨らませてくれ、暗記しやすい仕様になっています。入試基礎レベル・センター試験レベル・難関大レベルとレベル別で出版がされています。

単語帳は1冊を使いこむのが鉄則?!

英単語帳は1冊を使いこむのが鉄則とされ、「あちこちに浮気するのは良くない」といわれています。

単語帳を一度読んだだけでは英単語は身につきません。何度も何度もボロボロになるまで繰り返し読まなければ、日常で使わない英語を覚えることなんてできないからです(稀に一度読んだだけで何でも覚えてしまう記憶力の持ち主もいますが)。

複数の単語帳をもっていると、あちこちに目移りしてしまい、反復がおろそかになってしまう…結局は勉強時間の割に単語を覚えられないという結末を迎えがちです。

だから自分に向いている1冊の単語帳を選び、それを反復するのが一番重要な英単語の勉強法です。

しかし、タイプの違う単語帳の併用については別の見方をすることができます。

1冊の単語帳を読んでいて、どうしても自分には向いていない!相性が悪い!という単語と出会うことがあります。他の単語と同じ頻度書き取りをしたり、音読したりしているのになぜかその単語に限って覚えられないという場合です。

そんな時は、別の単語帳ではどのように扱われているのかを確認してみると案外すらっと覚えられたりします。

特に「語源」タイプや「語呂」タイプはこのような他の単語帳の補助に向いています。「語源」タイプは単語を分解して覚えやすくしてくれますし、「語呂」タイプは1つ1つの単語に対するインパクトを理屈無しで強くしてくれます。

1冊の単語帳でこぼれ落ちてしまう単語があっても、別のタイプの単語帳で拾えるかもしれませんよ。

また、今回はご紹介していませんでしたが、有名な英単語帳として『鉄壁』というものもあり、こちらの記事にてご紹介していますので、よろしければご参照ください。

最強の単語帳!?英単語帳『東大英単語熟語 鉄壁』の紹介

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