自分をアップデートする土壌を作る、睡眠と記憶の5つの知識

睡眠

学生時代、試験前に徹夜で詰め込んで試験に臨んだという経験がある人も多いと思います。

やってもなかなか覚えられない、そのため不安なので出来るまで繰り返してしまう。
その気持ち、よく分かります。

しかし、そこでもう一頑張りをしてしまうと、かえって試験の出来が悪くなってしまうことをご存知でしたか?
そんな時に取るべき最も効果的な行動は、ぐっすり眠ることなんです。

聞いたことがある方もいるかもしれませんが、記憶と睡眠は密接に関係しています。
当記事では勉強したことを忘れない、自分のものにするために知っておくべきこと、記憶の特性、その時の脳の働き、睡眠の必要性について、書かせていただきます。

睡眠の前提知識

人によって多少の差はありますが、7~8時間寝ると考えると、人生の約1/3は寝ているという計算になります。それほど多くの時間をかけて体の中では何が行われているのでしょうか?

決して活動できない失われた時間でも、疲れた体を休憩させているだけでもありません。

睡眠中に体は重要な機能のバランスをとって体調を調整しています。
呼吸機能であったり、免疫、循環、成長に関することまで整えています。

また睡眠中は体中の血液の役20%が脳内へと流れ込み、記憶に関する整理や信号の再構成が盛んに行われます。

記憶ももちろんですが体調面なども含めて、毎日良質な睡眠をとることで毎日最新版にアップデートされた自分で1日に臨むことができ、良質な1日を送れるようになります。

忘却曲線とは?

勉強したけど、覚えているものと覚えていないものがありますよね?
人間は覚えたと思っていても、時間の経過に伴いどんどん忘れていってしまいます。

人間が勉強してから忘れる量とスピードを19世紀の心理学者、ヘルマン・エビングハウスが研究したものが、有名な忘却曲線というグラフです。

人間は勉強してから20分後、なんと40%もの記憶を忘れてしまっており、1日経過すると66%も忘れているそうです。

勉強してすぐの段階では短期記憶として、一時的に記憶されているだけという事になります。この忘却は長期記憶として記憶を固定することで防ぐことが出来ます。

そのため、忘却曲線の忘れてしまう量を参考に復習などを行い、短期記憶から、忘れない長期記憶にしていくことが非常に重要になります。

このように脳は非常に忘れやすいという特性を理解して、復習や睡眠を行い、忘れないよう手助けをしていくという事が非常に重要なのが分かります。

参考 Getting and Forgetting

海馬とは?

上記の長期記憶として記憶を固定するには脳内の海馬という部位で行われます。
海馬の研究は1950年代のブレンダ・ミルナーによる、H.M.という患者に行った研究が非常に有名です。

てんかんの治療のため、海馬を含む脳の一部を切除したことでH.M.氏は重度の健忘症を発症したことが契機となり、海馬の機能解明に協力することになりました。

海馬を切除されたH.M.氏は記憶にエピソードや事実についての記憶について、全く覚えることができませんでした。

一方でスポーツなどで繰り返し練習すると、自然にできるようになるという運動技能(手続き記憶)の学習は修得することができました。

ただエピソード記憶ができないため、例えば何度も練習して箸を使えるようになったとします。

そうすると以後も変わらず箸を使うことはできますが、箸の練習をしたことを思い出せないため、練習したこと・なぜできるようになったのかは分からないという状態になります。こちらは運動以外にも、楽器の演奏の際の指の動きなども同様でしょう。

このようなことから、海馬という部位が記憶や長期記憶に非常に密接に関連しているという事が分かります。

記憶の構造とは?

記憶の中でも覚えているもの、覚えていないものがあると思うのですが、どのようなものを覚えやすいのでしょうか?

まず1つ目は、覚えた時の精神状態が大きく関係しています。

長期記憶を形成するのに重要な海馬は感情と結びついています。そのため喜怒哀楽のように感情が大きく動いている状態であれば記憶に残りやすいです。

例えば自分が食事で行ったことがある店でも、適当に入ってただ食べた店よりは、やっと予約が取れて行けた店、誕生日のサプライズをしてもらった店、有名人に会えた店、逆にすごく不味かった店の方が覚えていると思います。

やっと予約が取れた店では、長期間楽しみにしていた気持ち、サプライズしてもらった店や有名人に会えた店では喜びや驚き、不味かった店では失望や怒り、または衝撃的な味覚の記憶と共に、そのお店を覚えていると思います。

このような感情の高ぶりと共にあるエピソードは、非常に海馬と結びつきやすく長期記憶として残りやすいという事です。

そのため、何か覚える際にも何か感情と共に覚えれば、記憶に残りやすいという事です。
例えば、中国の歴史を学ぶときに秦とか楚、趙という単語、王翦、李牧、李信などの人物名を単語として覚えるよりは、漫画キングダムを読んで、李牧は王騎を倒したし強すぎるし嫌い。王翦は謎が多いけど知的で強くてかっこいいとか、李信はまっすぐで最前線で戦い続けていてかっこいい。という感情と共に覚えると、国の名前も人物名も覚えやすく、なかなか忘れないと思います。

このような研究での裏付けもあり、人物からエピソードを連想できること、感情的に思えることは非常に記憶にいい影響を与えていることが分かります。

記憶についての詳細はこちら

忘れにくい記憶方法の紹介

睡眠の記憶に対する役割

まず、睡眠は4つの段階からできています。

その中でも深い眠りと言われているのが徐波睡眠と急速眼球運動(Rapid Eye Movement(レム))と言われるものです。

その際に脳波を測定したところ、脳幹から海馬、視床、皮質へ電気刺激が伝達することが観測され、これらが記憶形成の中継地点として働いていることが分かりました。

また、睡眠の段階により、異なる記憶形成がされていることも分かり、徐波睡眠の時には陳述記憶が長期記憶に固定されるそうです。

一方でレム睡眠の時は、脳の状態が活動時と非常に似ているため、手続き記憶の形成に非常に結びついています。

このことから、楽器または運動の練習をしても、レム睡眠をできていなければ体が覚えられないため効果がなく、そして徐波睡眠に到達できなければ、勉強しても記憶に強固にならないことが分かります。

研究では勉強で公式などを覚えてから3時間後、楽器・運動などの手続き記憶は覚えてから1時間後に眠るのが効果的と言われています。

このような研究から、睡眠が記憶・勉強と非常に強く結びついていると理解できたと思います。

勉強する内容、勉強する量、復習のタイミング、勉強してから寝るタイミング、睡眠時間、全てを自分の思うとおりに活用できれば、毎日新しい学びを自分のものにし、毎日アップデートした自分で毎日過ごせるのではないでしょうか?

勉強して、自分をアップデートしたい!と思った方、何が必要かもちろん分かりますよね?
スマートフォンもアプリのアップデートには充電と時間が必要ですが、それが人間にとっては睡眠になります。

良質な睡眠が毎日取ることは、毎日自分をアップデートする準備になります。
しっかり寝て、しっかり学び、毎日着実に成長していきましょう。

 

参考教材 TED-Ed ビデオレッスン:シャイ・マルク
https://www.youtube.com/watch?v=gedoSfZvBgE

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です