あなたは目標を設定したときに、目標に目指してどんどん進んでいくか、なかなか続かなくて途中で諦めてしまうか、どちらですか?
実は、目標を達成できるか諦めてしまうかには小さな違いしかありません!
どんどん進んでいく人には今の 環境・方法・精神状態 が合っていて、
他方、諦めてしまう人には 環境・方法・精神状態 が合っていないというだけなんです!
諦めてしまう人は、何とか脱却して、目標達成していけるようにしていきたいですよね?
ではどんなことに注意すればいいのでしょうか?
脳の性質から読み解いていきたいと思います。
自分の手の届く範囲に目標を設定する
まず、目標の決め方として、自分が目指したい最終的な理想の姿を大目標として設定します。
例えばシンプルに
- 甲子園で優勝する!
という目標を掲げるとしましょう。
しかし、大きく漠然とした目標だけを掲げててしまうと、自分以外の要素による変動が多すぎてしまいます。
自分以外の要素とは例えば
- 天気
- グランドの状態
- 相手の調子
- 味方の調子
- 監督の判断
- 審判の癖
などが挙げられます。
これらの自分以外の要素で運よく目標達成できるかもしれませんし、逆に自分以外の要素で達成できない可能性も大いにあります。
このように不確定要素を含んだ目標だけを設定をしてしまうと、偶然の成功にも関わらず自分の力を過大評価して努力を怠ってしまったり、目標が大きすぎてやるべき事がわからなくなってしまいかねません。
なので、「甲子園で優勝する!」という大目標を達成するために、それに必要な中目標を掲げましょう。
そして中目標の達成のために必要な小目標を掲げる…というように少しずつ必要なものを探していくのです。
自分がやりさえすればできることを小目標として掲げることでより確実な成長を実感できます。
下記がその例です。
中目標
- 甲子園に出るために毎日素振り500回やろう
- 連戦を戦い抜く体力をつけるために毎朝30分ランニングをしよう
小目標
- 毎日素振り500回するときにケガをしないよう、帰宅後15分体をほぐそう
- 毎朝30分ランニングできるために23時までに寝よう
小目標に設定する値としては、できるだけ簡単なものが望ましいです。
歯磨きのように習慣として取り組めるボリュームがベストでしょう。
習慣化までに要する日数として21日、30日、66日など、多々説はありますが、個人差があるものが多いので、とにかく毎日続けて行けるものを設定しましょう。
そうやって続けることで習慣化し、小さな自信を付けていくことが成長にとって大事なのです。確実な成長から、少しずつ大きな目標にシフトしていきましょう。
解決すべき課題を適切に設定する
前述の小目標も、決してなんでも良いわけではありません。必ず自分の課題を明確にして目標を設定しましょう。
例えば、体力は十分にあって一度も困ったことがないような人が、毎日2,3km走ったところで、大きな成長があるとは思えません。
それよりも、走るスピードが足りていない、走塁のコツが掴めていないとか、自分の抱える具体的な課題を解決する方が成長の度合いは大きいものです。
どんなに努力を積んでも、それが成長につながらなければ何も意味はありません。
あなたの貴重な時間を成長に費やすために、解決するべき課題を明確にすることが目標設定には必要なのです。
目標を他人に言ってはいけない
これは多くの方が意外に思うかもしれません。成功者の体験談でも、ドラマや映画、漫画でも周りに言って協力者を増やして自分も周りも変えていくといった話をよく聞きます。
よく考えていただくと分かると思うのですが、映画などの主人公になるような人は、成功していくサクセスストーリーを描いています。
例えば『海賊王に、オレはなる!!』がいい例ですね。
漫画や映画の主人公になるような人は目標を決めるとそれに向かって行動できる人です。
では反面、途中で諦めてしまう人は、なぜ他人に言わない方が良いのでしょうか?
例えば、「甲子園に行きたい!」と思ったとします。それを周りに言うとどんなことが起こるのか想像してみましょう。
クラスで「甲子園に行きたい!」と言うと、考えられる周りの反応は
- 「絶対行けるよ!君の性格なら○○高校の監督・雰囲気があっているし、選手としても先輩にこんな人がいて相性が良いよ!」と言われ、賛同者がどんどん増えていく。
- 「お前には無理だ」と言われたり「自分の実力が見えていない」など心ない反対意見を言われる
上記2パターンの可能性があると思います。おそらく程度の差こそあれ、途中で諦めてしまう人は比較的、反対意見を言われると不安に思うでしょう。
そんな不安を持ちながら、自分の目標を周りの人に言うってなかなかハードルの高い事ではないですか?
でも色々な人から目標は人に言った方が良いと聞くし、勇気をもって自分の目標を言ってみる!という人もいるかも知れません。
すると、どのような効果があるのか、見ていきましょう。
2009年、ペーター・ゴルヴィツァー氏がある実験をしました。その実験内容は以下の通りです。
- 163人が4つの独立した実験に参加し、各々が自分の目標を紙に書く。
- 被験者の半分は、会場の人全員に向かってその目標を宣言する。残りの半分は目標を口にしない。
- その後、被験者全員に45分間の時間を与え、作業はいつでも好きな時にやめても良いと伝えたうえで、目標達成のために作業に従事する。
- 各被験者が作業をやめるまでの時間を計測する
実験の結果はどうなったのでしょうか? やはり目標を宣言した人のほうが長い間作業に集中できていたのでしょうか?
結果は下記の通りです。
- 目標を誰にも言わなかったグループ
- 作業時間:平均で45分間作業
- 作業後の質問に対して「目標実現のために、さらに頑張る必要がある」等の回答があった
- 目標を宣言したグループ
- 作業時間 : 平均で33分
- 作業後の質問に対して「あと少しで、目標を実現できるところまで来ていた」等の回答があった
このことから、人間は他人に目標を話すことで満足感を得てしまい、かえってモチベーションが下がる傾向があることが証明されてしまったのです。
目標を他人に話し、それを認めてもらって応援してもらえる状態になると、あたかも目標がワンステップ達成されたような錯覚に陥ります。
それを心理学者は「社会的実現」と呼んでおり、これを感じてしまうと目標達成そのものへのモチベーションが低下してしまうという事です。
おそらく目標を宣言したときの「すごいね〜」「きっとできるよ」といったポジティブな反応で自己顕示欲が満たされてしまうのでしょう。
本来、目標達成のためにはいくつかの作業のステップがあり、その作業後に満足感を得るのが正しい流れなのですが、目標を他人に話すことが目標達成のためのワンステップと勘違いしてしまい、その後の厳しい作業はやりたくなくなってしまうのです。
もし言わなければいけない場合のいなし方
もし言わざるを得ない場面では、どうすればいいのでしょうか?
学校・会社の課題で出されたから先生・上司に報告しなければならない。みんな喋っていて、自分の番が回ってきてしまったから避けられない…色々な場面があると思います。
そんな時は、嘘を言った方が良いのか、本当のことを言ってしまうのか…、迷ってしまいますよね。
このような話を聞いた後だと言いづらいかもしれませんが、本当のことを言って構いません。
でも、言うことで自分が満足しないように工夫しましょう。
例えば、「東京マラソンで完走するために体力を付けなければなりません。そのため毎日2時間走って、距離をSNSで投稿しているのですが、もし更新が途絶えていたら走るよう促してくれませんか?」というように、続けるための手段として、相手を巻き込んでしまいましょう。
これまで目標を設定しても続けられなかった人たちにおいては、基本的に目標は他人に話さず自分だけで続ける、というのが1番ですが、言わざるを得ない場面ならば、そこでわざわざ嘘を言って勘違いされてしまい、自分も嘘をついたうしろめたさを背負って過ごすことはありません。
言って満足感を得て、行動がしたくなくなることが問題なので、そうならないように工夫することで乗り切りましょう。
今まで途中で挫折してきた人たちは、目標を他人言ってしまって、勘違いの満足感を得てしまったことが原因だったかもしれません。
変えるために1度、誰にも言わず、挑戦してみるのも良いのではないでしょうか?
(参考)
TED | デレク・シヴァ―ズ「目標は人に言わずにおこう」
コメントを残す