3か月からできる超短期決戦型公務員試験対策法

公務員

公務員試験は、職種によっては定期的に開催されるわけではありません。特に専門職の場合は、欠員が出た場合など数年に一回、不定期に募集がかかることもあります。

このような不定期な公務員試験に備えるためには、求人サイトや自治体のホームページをこまめにチェックする必要があります。
しかし、不定期な募集を期待して常に公務員試験の勉強をしている余裕がない人もいるでしょう。既に別の仕事をしていたり、公務員になる夢を半ばあきらめていた人が、運よく公務員募集の知らせをみつけたとしたら、そこからが超短期受験勉強の始まりです。

今回は募集から試験日まで3ヶ月しかない場合でもできる短期決戦型試験対策法(高卒レベル・教養編)をご紹介します。

公務員教養試験の範囲は広い

公務員採用のための教養試験の範囲は非常に広いです。高卒レベルでも、一般知識で14科目、一般知能で4, 5科目、計18, 19科目の分野にわたり出題されます。
理科系の科目1つとっても物理・化学・生物・地学と分かれているので「高校では選択していない」科目が出題される可能性もあります。このすべての範囲を短期間に網羅しようとするのは、ほぼ不可能です。

※一般知能の科目数は市役所と道府県で異なる
参考:https://www.jitsumu.co.jp/gokaku_navi/guide/chiho_k/

何を捨てるか決める

まずは、完璧主義を捨てることから勉強をスタートさせます。勉強しても点数アップの効率が悪い部分はいっそ飛ばしてしまいましょう。

候補1 国語

国語系の問題は漢字や慣用句などがありますが、社会人として仕事をしている人ならばこれらの知識はある程度身についているのではないでしょうか。マークシートの国語問題は、ぱっとみて正解を選びやすいです。

候補2 文章読解

文章読解は正解にたどり着く公式が明確ではありません。たくさんの問題をこなしてようやく正解率を上げられるかどうかという微妙な科目なので、勉強の効率が非常に悪い分野と言えます。

候補3 倫理

倫理は哲学的な面が強く、政治・経済に比べ概念を把握するのが難しい科目です。深く学べば面白さが分かりますが、短期的な学習で概要をつかむのは困難です。また、公務員試験での出題率もさほど高くありません。

推理・資料読解はできるだけ捨てない

判断推理、数的推理、資料解釈など、高校では勉強したことのない分野は、一から解法を学ばなければいけないので一見非効率に見えます。また正解を導くためには非常に時間がかかるため、「いっそ捨ててしまいたい」と思うかもしれません。

しかし、推理系と資料読解はなるべく捨てないようにしたいものです。というのも、出題率が高い上、正解にたどり着ける公式や解法が確立しているものが多いからです。全体的に学習効率の高い分野といえるでしょう。

アプリと過去問で勉強時間を凝縮させる

受験までの時間がわずかしかない場合、スキマ時間をどれだけ有効に使えるかが勝負のカギです。
特に暗記しなければならない分野に関しては、机の上で何時間も集中するより、寝る前の1時間、通勤通学時間の30分、昼食休憩の20分といった細かい時間の積み重ねが非常に重要になります。

このようなスキマ時間の暗記学習に最適なのがスマホで学習できる「公務員試験向けのアプリ」です。1問1答形式のアプリがいくつか出ているので、自分に合ったものを探しましょう。

例えば以下のようなアプリがあります。

『実務教育出版の公務員過去問チャレンジ』

一方でじっくり考えて取り組む問題――「判断推理」「数的推理」「資料解釈」といった知能系問題は自宅や図書館で落ち着いて取り組まなくてはなりません。

これらの問題で正解するためには知識そのものを覚えこむのではなく、解答を導くための「手順」を身に着ける必要があります。本来、類問をたくさん解くことで解法を抑えることができますが、時間がない時は実際に試験で出題された「過去問題集」を使いましょう。過去問で最低限のパターンを覚えるのです。

過去問の勉強の仕方

1冊のみを繰り返す

公務員試験の参考書は沢山出版されており、どれにしようか迷ってしまうかもしれません。
試験まで時間の余裕がある場合は複数の本を併用しても良いのですが、今回は時間がありません。

そこで、問題の量がなるべく少なく、解説の量が多いものを選びます。そして試験勉強では過去問1冊のみを繰り返して勉強するようにします。

問題数が多い方が試験範囲を広くフォローしてくれる気がするかもしれませんが、試験までに何度も繰り返すことを前提に考えてください。問題数が多いと最悪試験までに1回だけ通して終わり、ということになってしまいます。

解説で分からないところはネットで調べる

解説を読んでもイマイチ分からないところは、ネットで調べて概要を捉えておきます。ここでのポイントは深入りしないということです。

世界史や日本史などは深く学ぼうと思えば、いくらでも覚えることは出てきます。しかし公務員試験で大切なのは重要なキーワードのみを押さえることです。分からなくなったときに、さっとネットで調べて知識のイメージをつかんだら過去問に戻るようにしましょう。

覚えるべきものは語呂合わせを探す

覚えるべき項目であなたが「覚えにくい!」と思ったものには既に語呂合わせが開発されている可能性があります。例えば、日米修好通商条約を結んだ国の名前は

あおいふろ(アメリカ・オランダ・イギリス・フランス・ロシア)

という語呂で覚えることができます。もし、暗記の壁にぶつかってしまったら、「これを覚える語呂はないか?」と検索をかけてみるとよいでしょう。

知能系は「やり方を覚える」

「判断推理」「数的推理」「資料解釈」の問題は一見非常にややこしく見えますが、地道な書き出しを行うことによってかなり高確率で正解にたどり着くことができます。

過去問を何度も解いてどうやって正解を導き出せるのかという「やり方」を身に着けていきましょう。「同じ問題を何度も解いて意味があるのか」と思われるかもしれませんが、まずは定石の解法を覚えることが大切です。1つの定石をおぼえれば、他の問題にも応用が利きます。

試験戦略を立てる

試験間近になったら、本番に向けた戦略・対策を立てていきます。

新聞・ニュースサイトに目を通す

公務員試験問題では、時事問題が出題されることがあります。特に地方自治に関連するニュースには敏感になっておきましょう。新聞やニュースサイトで情報を集める癖をつけておくといいですね。

瞬間的に答えられない問題を飛ばす

公務員試験は時間との勝負です。瞬間的に答えられない問題は飛ばして、読んですぐわかる問題を先にマークしていきます。このとき、問題と解答用紙の番号がずれてしまわないように注意しましょう。

解答を絞って後回しにする

瞬間的に答えられない問題の中でも、明らかに間違っている選択肢だけは分かるという問題があります。そのような問題を飛ばす場合は、間違っていると確信を持てる選択肢にだけ×をつけてから先に進みます。あとで見直した時にすべての選択肢を読まなくてよいので、時間の節約になります。

知能系問題に費やせる時間を決める

知能系問題はいろいろな場合を検討し、書き出していく必要があるので解答に時間がかかります。しかし、あまり時間をかけていると他の問題に回せる時間がどんどん削られてしまいます。そこで、知能系問題に費やせる時間をあらかじめ決めておくとよいでしょう。

この時間は、瞬間的に解ける問題をマークし終わった残り時間によって算出します。例えば、残りの知能系問題が5問あり、未回答の知識問題(瞬間的に解けなかった問題)が10問あり、残り時間が50分だった時。知識問題の解答に10分を使うと考えて、残り40分を5問に割り振るので1問8分程度で解くようにする…などのルールを決めておきます。

マークシートはすべて埋める

マークシート問題はとりあえず埋めておけば正解率が0%よりは大きくなります。どんなに分からない問題でもマークシートはすべて埋めるようにしましょう。

短期の公務員試験対策、するなら迷いを捨てよう

公務員試験の教養試験範囲は非常に広く、短期間で攻略するためにはやるべきことを極限まで絞る必要があります。スキマ時間での暗記+自宅での過去問の繰り返しで残っている時間を効率よく使っていきましょう。

また、時間配分を計画的に行えるよう試験前にあらかじめ戦略を立てておくのも有効です。試験を受けると決めた後は、どれだけ勉強時間が少なくても諦めないように頑張ってください。迷いを捨ててチャレンジする気持ちが大切です。

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