みなさんは、○○時間勉強しよう!
と意気込んで、実際はどのくらい長く勉強に集中していられますか?
集中状態に入るのに時間がかかったり
いざ勉強を始めても突然集中が切れて一気にやる気がなくなったり
または気がつけばスマホを弄っていたり、掃除をし始めたり、、
こんな経験があると思います。
しかし、こんな状況でも一気に改善できて勉強を捗らせる方法があります。
それがインターバル式勉強法です!
具体的には15分の勉強と5分の休憩時間を1セットとし、それを繰り返す勉強方法で、勉強する状態としない状態を明確に分けることで、効率良く勉強を捗らせることができます。
今回はこのインターバル式勉強法をご紹介していきます。
科学的な根拠はあるのか?
この勉強方法をご紹介するには、人間が良質な集中力を保てる時間が15分であるという科学的な理由があります。
良質な集中が保てるのは15分
東京大学の脳科学者・池谷裕二教授が行った実験をご紹介します。
複数の中学1年生を3つのグループに分けて、それぞれにまだ習っていない英単語のリストを渡して覚えてもらい、その後のテスト結果を比較する実験です。
英単語の記憶のために各グループに1時間が与えられるのですが、この実験ではグループごとの時間の使い方を以下のように差別化、比較しています(ここでは便宜上、各グループにA、B、Cという名前を付けています)。
- Aグループ:1時間をフルに使って勉強
- Bグループ:最初の45分に勉強し、残りの15分は休憩する
- Cグループ:15分毎に休憩(7分半)を挟み、計45分を勉強に使う
実験直後に行ったテスト結果を見るとA, B, Cの各グループで大きな得点差はなかったのですが、実験の翌日と、実験から1週間後に行ったテスト結果を見ると、どちらにおいてもグループCの得点が他のグループよりも高いことが分かりました。
この実験の結果により、勉強の合間に休憩を挟むことにより学んだことが記憶に定着し、長時間の勉強よりも短時間の集中した勉強の方が、長期的な観点で効果的であることが考えられます。
実際にやってみた
導入前の課題点
私は仕事の合間を縫って資格の勉強をしていたのですが、日々の疲労の蓄積もあってか、テキストや問題集を開いても中々やる気が出ない状態が続いていました。
勉強するぞと意気込んでも結局ダラダラしてしまい、気付けば何もしていないのに1時間が過ぎていることもザラで、家族と過ごす時間を削ってまで勉強に充てた時間を浪費してしまっている自分を情けなく感じていました。
読まなければいけないテキスト、解かなければいけない問題は山のようにあるのに勉強する気や集中力がなくなってしまい、自分のことも勉強自体も嫌になりました。
導入後の様子
そこで始めたのが、ご紹介するインターバル式勉強法です。
実践してみると効果は抜群で、自分でも感じられるくらい集中力が高まります。
遅々として進まなかったテキストがどんどん消化されていき、テキストとリンクして問題集が解けるようになり、少しずつ勉強が面白く感じられることが増えていきました。
私は勉強を一気にやってしまうと反動が出るタイプなので、インターバルの5分を厳守して勉強を続けていったところ、結果としてこのインターバル式勉強法により、半年で会社が査定評価する民間資格と公的資格、国家資格に合格し、目標を達成することができました。
インターバル式勉強法の実践方法
用意するもの
- キッチンタイマー:2つ
- 勉強道具
手順
- キッチンタイマーの一方を15分に、もう片方を5分にセット。
- 「15分のタイマー」を起動させて目の届かないところに設置し、勉強を開始。
- 「15分のタイマー」が鳴ったらそれを止めて「5分のタイマー」を起動し、休憩。
- 「5分のタイマー」が鳴ったらそれを止める。
- 2に戻る。
解説
この勉強法を取り入れるにあたり、キッチンタイマーを2つ用意します。
まず一方のキッチンタイマーを15分に、他方を5分にセットしてください。
そして勉強に必要なテキストや問題集を開いてペンを持ち、15分のキッチンタイマーをスタートさせます。
ここで注意すべきことがあって、タイマーを起動させた後で残り時間が見えてしまうと集中状態が途切れやすくなるので、タイマーは極力視界に入らない場所に設置するようにしてください。
とにかく15分だけ勉強する!と決めてテキストを読んだり、問題集を解いたりしていきます。
15分経過するとタイマーが鳴り響きますのですぐに止めて、それと同時に5分をセットしたキッチンタイマーをスタートさせてください。
5分間は休憩時間ですから、勉強を中断してしっかり休憩しましょう。
5分後にキッチンタイマーが鳴るのでそれを止めたら、今度は逆に15分のキッチンタイマーを再びスタートさせ勉強を再開してください。
この「勉強15分」と「休憩5分」を1セットとし、これを繰り返します。
インターバル式勉強法の効果
私個人としては、この勉強方法により勉強に集中する状態としない状態のオンオフを明確に分けられたため、明らかに勉強した後の疲労感が少ないことが実感できました。
実際に仕事や学校が休みの日に勉強するタイミングで試してもらうと分かりやすいのですが、午前中ずっと勉強して午後は何もしていない状況も少なくなり、勉強効率も上がりました。
また、キッチンタイマーでなくとも、スマートフォンのアプリでも可能ですから、自宅外にいる時や夜間に利用する時はマナーモードのバイブレーションを利用すればよいでしょう。
ポモドーロ・テクニック
インターバル式勉強法によく類似した手法として「ポモドーロ・テクニック」というものがあります。
これは、25分の休憩と5分の休憩を繰り返すというもので、イタリア人の起業家で作家のフランチェスコ・シリロによって考案されました。ちなみにこの名前は、彼がこの方法を試す際に使っていたタイマーがトマト(イタリア語でポモドーロ)の形のものだったことに由来します。
このポモドーロ・テクニックにおいては、5分間の休憩中に瞑想や深呼吸、散歩、コーヒーブレイクなどの「仕事と全く関係のないこと」をすることをルールとして定めています。これは「脳を休ませること」が目的です。
今回の「インターバル式勉強法」においては、「仕事」ではなく「勉強」であるわけですが、ポモドーロ・テクニックにおけるこの考え方は活かすべきかもしれません。
つまり、5分の休憩中にするのは勉強と全く関係のないことにし、それも脳に疲労を与えないようなリラックスの時間にする、ということを守りましょう。
休憩するべき時間にゲームをしたりSNSを見たり、といったことをすると結局脳が休まらず、集中力の回復が阻害されてしまうかもしれないので、注意が必要です。
また、ポモドーロ・テクニックにおいては「25分の仕事と5分の休憩」を4セット行う毎に、20〜30分の長めの休憩を取ります。
「インターバル式勉強法」においても、この長めの休憩は有用かもしれません。時間配分は異なりますが「15分の勉強と5分の休憩」を6〜7セット行ったら、長めの休憩を取り入れてみるのも良いでしょう。
まとめ
勉強し始めてもやる気・集中力が出てこないことが多い方、気づけば勉強中にスマホを弄っていたり掃除をし始めたりすることがあって困ってしまう方、そしてその状況を打破したい方は、多くいると思います。
かつては私もその1人でしたし、今回は「インターバル式勉強法」で、かつての私と同じ悩みを抱えている方が少しでも解決に向かえたらと思い、ご紹介しました。
この勉強法で少しでも皆さんの成績が上がれば幸いです。
また、心理学的にもこの勉強法は効果が高いと思われますので、以下の記事もご参照ください。
(参考)
朝日新聞デジタル | 勉強時間は短い方が好成績?
ニューズウィーク日本版 | ポモドーロ・テクニック:世界が実践する時間管理術はこうして生まれた
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