医療の現場に学ぶ「長期目標」と「短期目標」の使い分け。目標達成のビジョンを明確化しよう!

計画

医療の現場では、患者さんが退院して自宅へ戻るために、「長期目標」や「短期目標」を設定して治療やリハビリに取り組んでいます。
目標を使い分けることで達成までの最短ルートを見つけ、一歩一歩着実に目標に近づくことができるのです。

こうした知見は勉強に活かすことができます
医療現場における「長期目標」「短期目標」の基礎知識とともに、実際に勉強に取り入れるための具体例を合わせて紹介します!

長期目標・短期目標とは

そもそも長期目標と短期目標の違いはなんでしょうか。
それぞれが持つ意味と共に、実際に医療現場ではどのように用いられているのかを見ていきましょう。

長期目標と短期目標の違い

長期目標はその名の通り、長期で達成する目標のことです。一般的には最終的にどのようになりたいかを設定します。期限は3ヵ月から1年程度で達成できそうなもので、1つだけ設定します。

対して短期目標は、長期目標を達成するためにクリアすべき目標のことです。そのため1つの長期目標に対して2~3つの短期目標が設定されるのが一般的。期間も長期目標より短く、1ヵ月から3ヵ月程度での達成を目指します。

以上のことをまとめると、長期目標と短期目標の違いはこのようになります。

長期目標短期目標

段階を踏んで短期目標をクリアすることで、気付いたら長期目標が達成されている形が理想的です。

医療や介護の場面で使われている

長期目標や短期目標の設定は、医療や介護の現場で多く取り入れられています。筆者はリハビリの勉強をしていた際に実習先で教えて頂きました。

例えば入院している人の長期目標として「退院して自宅で生活する」を掲げたとします。

自宅に他に生活を助けてくれる人がいる場合の短期目標は「ひとりでトイレへ行ける」「必要な時に周囲に協力をお願いできる」程度をクリアすれば、長期目標は達成可能です。

しかし一人暮らしの場合は、食事・着替え・排泄・買い物など、「さまざまなことが一人でできるレベル」まで回復しなければ、長期目標は達成できません。

このように同じ長期目標でも、人や状況によって短期目標は大きく異なります。長期目標達成をしっかりと見据えた上で、自分なりの短期目標を設定することが大切です。

長期目標・短期目標を設定するメリット

長期目標や短期目標を勉強に取り入れることは、どのようなメリットがあるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

いまやるべきことがハッキリする

例えば「受験で合格する!」「1年後の資格試験に合格する!」といった漠然とした目標は、具体的に何をすれば目標達成につながるのかがイメージしづらいデメリットがあります。

しかしこの方法であれば、上記の目標を長期目標に設定し、それに伴う短期目標を設定します。例えば「1日1単元理解を深める」「1か月後に過去の本試験を解いて理解度50%を目指す」といった具体的な目標を設定することになります。

短期目標を設定することで、長期目標だけを見てやみくもに勉強するよりもずっとやるべきことが明確で、効率的に学習をすすめられます。

焦りがなくなる

勉強の妨げになるのが「これが自分の目標達成のために本当に正しい道なのだろうか…」と迷いが生じることです。特に長期目標だけを設定して手あたり次第勉強していると不安になりやすくなります。

事前に短期目標をしっかりと設定しておくことで、やるべきことがハッキリとし、このような不安の軽減につながります。また、期間に応じた予定を事前に立てるので、焦ることなくその日のやるべきことに集中できます。

目的と手段を兼ね揃えた目標を設定できる

学校などでは「1つだけ目標を立てて、それに向かってがむしゃらに努力する」ことが良しとされていますが、意外と1つだけ目標を設定するのはとても難しいです。

例えば「数学が得意な人になる!」と設定しても、具体的にどうすればいいのかが見えてきません。逆に「1日3ページ、数学の問題集を解く!」と設定すると、最終的にどうなりたいのかがわかりません。つまり目的を重視すると手段が見えなくなり、手段を重視すると目的を見失ってしまうのです。

これは長期目標と短期目標をあえて別物として設定することで解決します。後ほど具体的に紹介しますが、長期目標に「目的」を、短期目標に「手段」を設定すればOKです。

長期目標・短期目標の設定方法【具体例】

長期目標と短期目標の基礎知識やメリットを理解できたら、いよいよ実践編です。とあるレベルの志望校を目指す場合を例にして、実際に長期目標と短期目標を設定してみました。

こちらの内容を参考に、自分に合った長期目標・短期目標を設定してくださいね。

①長期目標を決める

まずは長期目標として、最終的に達成したい目標を1つだけ設定します。今回は「偏差値55の志望校に合格する!」を長期目標としました。期間は半年後です。

ここでのポイントは、なりたい自分を明確にイメージすることです。「頭が良くなる」「できるだけいい学校へ入る」などでは曖昧過ぎて短期目標の設定が難しいため、できるだけ具体的に設定しましょう。

②長期目標を達成するために必要なことを整理する

長期目標が設定できたら、今度は短期目標を考えていきましょう。短期目標は必ず達成できる内容にするべきです。そこで、現状や長期目標達成のために必要な情報を一度整理しておくのがおすすめ。

例えば偏差値55の志望校に合格するには、入試やセンタ―試験でどの科目でどのぐらいの点数を取ればいいのでしょうか。そういった情報もあわせてリサーチしておきましょう。

今回、長期目標達成のために必要な条件は以下の通りとします。

  • 5科目の合計得点が500点満点中350点(平均70点)
  • 面接で長所・短所・時事ネタにも答えられる

情報を集められたら、これらの条件をクリアするための短期目標を設定していきましょう。

③複数の「短期目標」を設定する

繰り返しになりますが、短期目標は長期目標を達成するための目標です。1ヵ月から3ヵ月程度の期間での達成を目指します。今回の長期目標は半年なので、2ヵ月ずつの短期目標を設定してみます。

勉強開始2か月後

  • 全範囲を洗い出し、不明点を1つ1つ潰していく
  • 過去の試験問題に挑戦し、得意科目で8割以上の点数をとる
  • 過去の試験問題に挑戦し、苦手科目で6割以上の点数をとる
  • 過去の試験問題に挑戦し、5科目合計300点以上をとる

勉強開始4か月後

  • 試験問題に慣れるため、過去の試験問題を5年分以上解く
  • 不明点はその都度勉強し直し、直前で見直すためのノートをつくる

勉強開始半年後(試験直前)

  • 過去の試験問題で5科目合計380点以上をとる
  • 面接対策として、長所と短所をまとめておく
  • 面接対策として、毎朝新聞の1面をチェックする

それぞれの短期目標が具体的になり、長期目標である志望校合格のビジョンがより鮮明になります

④短期目標をすべて達成することで長期目標が達成される

長期目標と短期目標が設定できたら、短期目標達成に向けてがむしゃらに努力します。漠然と「志望校に合格する」と目標に掲げている時よりも、やるべき事や目指す内容が明確になっており、取り組みやすいはずです。

短期目標は勉強の進み具合によっては設定し直す必要があるかもしれません。今回短期目標の期間として設定した2ヵ月のタイミングで一度状況を整理し、必要であれば短期目標を変更したり、長期目標である志望校の変更を視野にいれるなどの対策を投じましょう。

まとめ

医療現場で多く用いられている、長期目標や短期目標の設定について紹介しました。この方法を用いる最大のメリットは、「なりたい自分」と「そのためにすべきこと」を明確化できる点です。

また、適した短期目標を設定できれば、短期目標さえ達成してしまえば自然と長期目標の達成にもつながります。確実に達成したい目標がある方にこそ、長期目標と短期目標の設定をおすすめします。

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