授業中、眠い目をこすりながら頑張って黒板を写し、書き上げたノート。それなのに、テスト前に読んでも全然頭に入ってこない…覚えられない…。結局塾でもらった「テスト予想問題」で一夜漬け。
何のためにノートなんか取るの? 意味なんかないの? と思っている人はいませんか。
それはテスト向けノートの作り方が分かっていないからです。
板書コピーで終わらない、テスト勉強に使える「ノートの取り方」を解説します。
黒板を写しただけでは成績は上がらない理由
黒板は「全生徒向け」に書かれたもので、あなた向けではない
まず、黒板に書かれた「板書」は「教室にいる全生徒」向けに書かれたものです。
あなたの教室には、成績が良くて授業を聞く必要がないほど頭の良い子もいれば、補習を何時間もしなければ授業を理解できない子もいます。
しかし限られた時間の中で、先生はそんなレベルの違う子たち一人一人に合わせた授業を行うことはできません。そのため、黒板は大抵「頭が良くも悪くもない標準の子たち」に合わせて書かれています。
あるいは先生が「このクラスのレベルを上げたい」と思っているような進学クラスの場合は、「頭の良い子」に向けて黒板を書いているかもしれません。
どのみち、黒板はあなた個人のレベルに合わせて書かれたものではないのです。そのため「あなたが詳しく説明してほしい式の途中が抜けている」とか、「理解の難しかった文法の解説が飛ばされた」などの事態が頻繁に発生します。
板書はあくまで授業の補助資料
授業を行うとき、先生は板書のみで説明を完結させようとしているわけではありません。
あくまで、「先生の話す内容」+「板書」はセットなのです。
口頭で話すことをすべて板書するのはとてつもない手間がかかります。そのため、先生は「話の要点」だけを黒板に書こうとするのです。
口頭での説明を理解しないまま、黒板だけを必死に書き写したとしても、それは「授業の一部」を取り出した状態に過ぎません。全体を理解していないのに、要点だけを見直しても理解できるはずがないですよね。
字が汚かったり、写し間違いが発生する可能性も
黒板を写すという行為は、退屈なものです。書き取りというのはクリエイティビティがほとんどないので、とても眠くなります。黒板を写しながら寝てしまった、という経験がある人は多いのではないでしょうか。
そんな場合は、あとでノートを見直しても字が汚すぎて、何を書いているのかさっぱりわからない場合が多いです。汚いノートはやる気をそがれる原因になります。
また、人間のすることですから写し間違いをすることもあるでしょう。単語の綴りや重要語句の間違いはテストで大きな減点につながってしまいます。
黒板は重要だけれども、写すだけではノートは完成しない
もちろん黒板を写して、授業を真面目に聞くことは大切です。しかし、それだけではノートは完成しないのです。黒板を写すだけの受け身のノートから、自分で情報を整理した攻めのノートを作り出すことが肝心なのです。
成績の上がるノートの作り方
まずは授業ノートをもとに情報を整理しよう
前述したとおり、黒板を写した「授業ノート」は重要ですが、これだけでは未完成です。
まず、テスト前に余裕をもってノートを見直す時間を作ることが第一歩です。
一番良いのは、授業があった日の夜にノートを見直すことです。この時点でノートに書かれた重要事項や単語などに誤りがないか、教科書を見ながらチェックします。文字が汚くて分かりにくいところは書き直していきます。
分からない個所は自分で調べ、説明をどんどんつけたそう
次に、ノートを読んでいて分からないところはないか?を調べます。
- 黒板で書かれていた式、途中の変形とばされていませんか?
- 幕府が倒れた理由、どうしてなのか疑問に思いませんか?
- 実験の結果がどんなものだったか、それがどうして起こるのか理由を説明できますか?
黒板には書かれていない情報というのはたくさんあります。それは授業の時間内に説明できなかった部分かもしれませんし、先生が「生徒は皆理解しているだろう」と考えて飛ばした部分かもしれません。しかし、「あなた」にとって分からなければ、それは書き足しが必要な部分です。あとで見直して、「あなた」が分かるように説明を加えていきましょう。
教科書で調べて分からなければ、参考書やインターネットから情報を得て、書き足しても構いません(ただし、インターネットには誤った情報も出回っています。発信元が信頼できるサイトの情報を選びましょう)。また、次の日に学校の先生に直接質問しに行ってもいいですね。
自分の「分からない」部分を書き足したノートは、あなた専用の参考書になってくれます。
イラストや図を書き込んで、見た目のインパクトをつけよう
ノートを取っているとき、文字を書き写すだけでは苦痛です。また、文字のみのノートは見直していても味気がなく、イマイチ記憶に残りません。
そこで、自分なりのイラストや図を書き込んで見た目のインパクトをつけることをお勧めします。
「私は絵が下手だから…」としり込みする必要はありません。落書きのようなものでも全然大丈夫です。
また、
- 地理では日本地図や世界地図
- 歴史では人物の肖像や年表
- 理科では実験道具の形
- 算数・数学では図形やグラフ
を書き写すことで、図を伴った問題を理解しやすくなります。どうしても絵は描きたくない、という場合は教科書や参考書、ネット上の図をコピーして貼り付けてもOK。また、色鉛筆やマーカーなどで色を付けるとより華やかになります。
ノート紙面が目立つようになると、ノートを見直すのが楽しくなりますよ。
オレンジペンを使いこなして、暗記項目を叩き込もう
この時点で、ノートには重要事項がたくさん書き込まれていると思います。
ノートに書きこまれた重要事項はマーカーやカラーペンなどで強調されていることが多いと思いますが、実は文字を目立たせるだけではなかなか暗記することができません。視覚的に目立っている分、覚えた!と勘違いし、テスト本番になると細部が分からなくなるというのはよくあることです。
そこでお勧めなのが、オレンジペンと赤のチェックシート。
オレンジペンで書きこまれた項目は赤いチェックシートをかぶせると文字が消えて見えます(シートをかぶせたときオレンジペンは赤ペンよりも文字が良く消えます)。
ノートの重要事項をオレンジペンで書きかえ、赤いチェックシートをかぶせればオリジナル問題集の完成です。
隠れた文字をちゃんと思い出して紙に書くことができるか、チェックシートをかぶせたり外したりして何度も確認してください。
ちなみに、「もう他の色で重要語句を書いてしまった」という人にはゼブラ社から出ているチェックセットをお勧めします。
赤セット、緑セットがでているので、用途によって使い分けてください。
間違った問題をコレクション。ノートを自分専用問題集に作り替える
ここまでで、授業内容を整理したノートはほぼ完成です。しかし、テスト勉強には授業内容を理解するだけでなく、よく出る問題に慣れることが不可欠です。
そこで、授業や宿題で出題されたプリントやテストの過去問をノートに付け足していくことをお勧めします。
もちろん、配られたプリント全部をノートに付け足すことはできませんので、問題の選択が必要です。中心とするのは「ノートを読んでも身につかない応用問題」や「何度も間違えてしまう自分にとっての苦手問題」です。これらが「あなた専用」の重要問題になります。
コレクションしたい問題は、コピーして気になる部分だけを切り取り、ノートに貼り付けます。
また、ルーズリーフノートを使っている場合は、書類をストックできるビニールポケットタイプのルーズリーフページをバインダーに追加します。その中にプリントした問題をため込んでいくのです。
項目にすぐアクセスできるようにインデックスシールや付箋を利用しよう
ある程度、ノートが貯まってきたら、知りたい分野がすぐに見返せるようにしておくと便利です。
特に、受験勉強の際は今まで作り上げてきたノートを一気に見直す必要が出てきます。どこに何が書いてあるのか、一発で探せるようにしておけば勉強時間の節約にもなります。
しかし、ノートには参考書と違って索引も目次もありません。
そこで使いたいのがインデックスシールや付箋です。
インデックスシールを使えば、ひと目でどこにどんな単元のノートが書かれているかを判別することができます。また、いつも忘れてしまうところやテスト前に絶対見直したい箇所には付箋を貼って、目立つようにしておきます。
インデックスシールや付箋にはたくさんの種類があります。どれが自分に合うのか、楽しみながら選んでくださいね。
ルーズリーフとバインダーはテスト用ノートにお勧め
上記の方法に従ってテスト用のノートを作っていくと、板書版ノートに記述を付け足していくことになります。板書ノートの途中に調べた内容を書き込むための別のページを挟みたい、ということも起こるでしょう。
こんなとき、柔軟に対応できるのがルーズリーフです。途中にページを挟んだり、いらなくなった部分を削除したりすることがとても簡単にできるからです。
またルーズリーフはビニールポケットを持つもの、方眼紙、線のない白紙のものなど様々なタイプが売られています。ビニールポケットにはプリントやチェックシートを挟み、グラフを書く部分だけ方眼紙を使う、といった幅広い使い方ができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ポイントをまとめると以下の三点です。
- 黒板を写した板書ノートだけでは不十分
- 授業ノートを元に情報を付け足してテスト用ノートに
- ノートを単なる板書コピーでなく、参考書にも問題集にもしていこう
テスト勉強に使えるノートとは、板書ノートを自分用にカスタマイズしたものです。黒板を写して終わり、ではなく、その後から始まるノート作りを考えてみてくださいね。
また、ノート作りにも活かせる「マインドマップ」についての記事もありますので、ご参考になさってください。
コメントを残す