ロジカルライティング:論文の構成に学ぶ論理的な文章の書き方

研究

学校でのレポートや会社での企画提案など、
現代社会において、誰かに理解してもらうための文章を書く機会が多々あります。

そんな時、あなたはどんな文章を書いていますでしょうか?
丁寧にできるだけわかりやすく、、とはいうものの、何を意識して書いたらいいかわからない場面も多くあるでしょう。。

そんな時に意識したい 論理的文章術「ロジカルライティング」 を今回は紹介いたします。

「論理的な文章」とは

「誰かに理解してもらうための文章」には、ほとんどの場合、下記の2つの目的があります。

こちらの考えを伝える ことと
読み手に特定の行動を促す
ことです。

レポートであれば 自分の意見・仮説を理解し納得してもらう こと、
企画書であれば 内容に同意してもらって企画を進める ことが促したい行動になります。

そうして、読み手に自分の望む行動をしてもらうためには、意味が分かりやすい文章で説明することがまず必要です。
文章の意味が伝わらなければどんな提案も意味がありません。

さらに、相手に行動を促すためには、十分な説得力を持たせる必要があります。

とても簡単に言ってしまうと、
上記の特徴を備えた、意味が分かりやすく、説得力のある文章のことを世間では「論理的な文章」と評価しているのです。

こうした論理的な文章を書くことを「ロジカルライティング」と言います。

MEMO

論理的な文章は下記の特徴があり、こうした文章を書くことをロジカルライティングと呼ぶ

  • 意味の分かりやすさ
  • 説得力

ロジカルライティングの学び方

ロジカルライティングは社会で生きていくうえでものすごーく重要な技術です。
しかしなぜか日本では学校や職場ではほとんど教えてもらえません。

身に着けるためには、自分で勉強しなければならないのです。

さて、ロジカルライティングをするためには何を意識すればいいのでしょうか?

最も重要なのは「構成」「因果関係」です。

一般的な構成から外れないように、そして前後の内容を意識して文書を書く練習をすれば、ロジカルライティングができます。

こちらの記事では、論理的な文章の代表格である「論文」の構成から、ロジカルライティングのポイントを解説します。

また日々、論文の読み書きをしている研究者から、分かりやすい文章のヒントを教えてもらいました。ロジカルライティングを学びたい方は、ぜひご覧ください。

論文の基本的な構成とポイント

ロジカル・ライティングにおいてまず意識しなければならないのは「構成」です。

これは文章の土台や骨組みにあたります。構成が揺らいでいると、どんなに良い文章を書いても読み手に伝わりません。

それでは論文の構成を見ていきましょう。構成は研究分野や論文のレベル(卒業論文なのか、雑誌に投稿するのかなど)によって異なりますが、必ず以下の3つを核としています。

  • 序論
  • 本論
  • 結論

序論では文章で伝えたいことや、文章を書くにあたっての背景といった導入文を書きます。読み手にとって、目的が分からないまま文章を読み進めるのは非常にストレスです。なぜこの文章を書くのか、読む対象は誰なのか、自分が言いたいこと(結論)は何かをはっきりさせると、分かりやすい文章になります。最初に結論を書くことに抵抗がある人もいますが、論理的な文章では必要です。最初に結論が分かっていたほうが、全体を読みやすくなります。

本論では自分の意見・仮説を裏付けるための研究方法や、得られたデータからの考察、研究結果を書きます。この本論、書き手からすると結論と同じくらい伝えたいことになるせいか、文章の最初から書かれてしまっていることが多いです。そのような文章は読み手にストレスになるだけでなく、突拍子もなく押し付けがましい印象も与えてしまうので注意が必要です。

結論は自分の意見や仮説のまとめです。結論を書く際に大切なのは、序論で挙げていた内容とぶれないことです。本論を書き進めているうちに結論がそれてしまうことは多くあります。また本論と結論に明確な「因果関係」が必要です。前後の関係に矛盾が出たり、関係が無かったりすると、「結局何が言いたいの?」という文章が出来上がってしまいます。

ロジカルライティングとしてあるべき形は「円」です。序論からスタートし、本論を経由し、最終的には序論とほぼ同じ場所にある結論に帰ってくるのが、論理的な文章と言えます。

研究者に質問!論理的な文章を書くコツとは?

論理的な文章の代表格である論文に、日々触れているのが研究者の方々です。彼らはいわばロジカル・ライティングのプロ。こちらではそんな研究者のお一人に、論理的な文章を書く秘訣について伺いました。

Q1. 早速ですが「これは下手だな」と思う文章について教えてください。

 

A1. ストーリーがない文章ですね。前後の関係が破綻している論文は最後まで読めません。研究結果と結論の因果関係が見えない文章は、言いたいことが分からなくなります。

Q2. では逆に、「これは上手だな」と思う文章はどのようなものでしょうか?

 

A2. 下手な文章の反対で、ストーリーがはっきりしている文章です。前後の関係が明確で、最初から最後まで1本の筋が通っていて、最終的に序論で言ったことに戻ってくる文章は読みやすいです。細かいことですが、正しい接続詞を使うことも大切だと思います。間違った接続詞は文章の前後関係を破綻させてしまうので。

Q3. 分かりやすい文章を書くために気を付けていることはありますか?

 

A3. 読み手の視点に立つことです。文章を客観的に見て、自分じゃない人が同じように結論にたどり着けるかをチェックしています。チェック内容ですが、因果関係はもちろん、専門用語などの特殊な表記についても確認します。専門用語を使いたいときは、読み手に合わせてどのレベルの言葉までつかえるのか、また使う場合は定義が必要なのかを考えます。

Q4. 最後に分かりやすい文章を書くための、おすすめのトレーニングを教えてください。

A4. とにかく読んで書くことに尽きます。読むことも重要です。たくさんの文章を読んで、上手だと思う文章は何が良いのかを見つけられるとよいと思います。

ロジカルライティング=構成と因果関係がしっかりした文章

ロジカルライティングで最も大切なことは

  • 序論、結論、本論の構成がある文章を書くこと
  • それぞれの因果関係が明確であること

の2点です。このほかにも論理的な文章を書くためのテクニックは数多くありますが、まずはこの2点を抑えましょう。この2点を抑えない限り、どんなに良い文章を書いても「分かりやすい」文章にはなりません。

説得力のある文章を書けることは、ご自身の人生において必ずプラスになります。このスキルは一生の財産です。ロジカルライティングが苦手な方は、ぜひこちらの記事を参考に文章を書く練習をしてみてください。

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