皆さんは暗記が得意でしょうか?誰しも「テストまでにこれを覚えないと…!」とか、あるいはいざ本番になって「あれ…覚えていたはずなのに…なんだっけ…」というような経験はあると思います。
そこで有効なのはがむしゃらな努力や苦労というよりも、脳のメカニズムに沿った効率的な記憶法や勉強術ではないでしょうか。そのため、世の中には様々なメソッドがありますし、自分なりに研究したやり方を持っている、なんていう人も多いのではないでしょうか?
受験勉強時に有効な記憶法となるのは、「何かと関連付けて(リンクさせて)記憶する」という方法です。
これは記憶を競う世界大会に出場される方が使用している方法でもあるので、ここでご紹介します。
物語法
記憶には短期記憶と長期記憶の2種類があります。
短期記憶を行う場所は、脳内の海馬と呼ばれている部分で、約2年分の記憶が残ると言われています。
海馬に記憶された内容の中で、とりわけ印象が強いものや何度もインプット・アウトプットを繰り返した知識については大脳へ移され、長期に亘って思い出そうとすれば思い出せる状態となります。
学業について考えると、成績の上位者ほど普段から短期記憶に頼り過ぎることなく何度も知識の出し入れ繰り返すことで、学んだことを大脳に蓄えて長期間記憶していることが伺えます。
勉強をする際には単純に覚えようとすることはせずに、その知識に意味を持たせて物語仕立てにすることで他の知識と関連付けて記憶しやすくなります。
例えば記憶を競う世界大会では、無秩序に出て来る動物の絵柄を順番に記憶をするという競技があります。
猫や犬、猿や鳥が様々な順番でできるのですが、これらを順番通りに記憶してゆき、どれだけ覚えられるのかを競います。
この時出場選手は単に絵柄を覚えるのではなく、その絵柄に物語性を持たせて覚えています。
例えば、猫が犬に追いかけられていた所、猿に出会った拍子に近くにいた鳥が飛び去った、というような物語を考えているのです。
このように、力技で記憶するのではなく、物語性を伴いながら他に記憶したものと関連付けられると、少ない労力で多くのことを記憶できるようになります。
記憶の宮殿
上記に少し似たような記憶法で記憶の宮殿というものがあります。
この方法においては、まず自分の頭の中に仮想の空間を作り上げます。とは言っても、全く新たな空間を作り上げる必要はなく、自分の部屋であったり、故郷や住んでいる街など、自分のよく見知った空間をイメージします。
その空間に、記憶したいものを配置していきます。例えば、円周率の3.14の後(15926535897…)を覚えようとする時には、下記のようなイメージをします。
部屋の何処かに囲碁(15)盤を配置して、その上に急に(92)ライオンキングのロゴ(65)が三個(35)置かれます。すると「ハクナ(897)・マタタ…」と歌が聞こえてきて…
というような具合です。これだけで小数第十一位まで覚えることができました(ちなみに私は200ケタ以上覚えています。。)
記憶同士をつなぐリンク
重要なのは、覚えたい事柄の示す象徴的なところにリンクを常に張っておいて、そのリンクを辿れるようにしておき、記憶する必要がある部分を小さくしているという事です。
一方で事柄の全てを一気に覚えてしまおうとすると、とても全部を記憶するような事は出来ません。効率も極めて悪くなると考えて良いでしょう。
物語や空間が上手くできると印象深いものにもなりますから、記憶に残りやすい事にもなります。
五感の刺激とエピソード記憶
場合によってはこれに匂いなどの刺激も加えて、さらに印象を増すというような事もするケースもあります。
すると、その匂いを嗅ぐとその時に記憶のイメージができるようになるので、絶対的に忘れたくない事がある時には、ある種の独特な刺激を与えてみても良いかも知れません。
場合によっては、音楽をかけるという事をしても良いかも知れません。人間の記憶の種類の中にはエピソード記憶というものがあり、これは自分の体験を通じて何かを記憶する仕組みです。
実は、大人になればなるほどこの「エピソード記憶」の方が単なる丸暗記的な記憶(意味記憶)よりも優勢になってくるため、匂いや音などで記憶している時の印象を脳内に焼き付けるのは効果的と言えるでしょう。
さらには先述のように連想するイメージを活用すれば有効な記憶法となる事でしょう。
こちらの記事では記憶の仕組みを詳細に解説し、実践できる記憶方法について紹介しています。
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