「自分が勉強をしなかったせいで苦労をした。子どもには同じ後悔をさせたくない!」
「自分が子どもと寄り添って勉強に取り組み、子どもに勉強好きになってほしい」
多くの親が、子どもには勉強を頑張ってほしいと感じているかと思います。しかし熱心になりすぎるが故に、子どものやる気を無くしてしまうような声掛けをしていませんか?
この記事では、子どものやる気を削いでしまう親の言動についてまとめました。また、効果的なアプローチ方法についても最後に紹介しています。参考にしつつ、子どものやる気を引き出すはたらきかけ方についても考えてみてくださいね。
やる気を削ぐ親の言動・行動5つ
まずは子どものやる気を削いでしまう親の言動や行動について、子ども側の視点から5つの事例を紹介します。
ゲームやマンガにいちいち口を出す
「ゲームやマンガに『教育上良くない』『目が悪くなる』とのイメージを持っているみたいで、少しやっているだけですぐ怒られる。仕方がないから暗くした自室で布団をかぶってコッソリ楽しんでいたら、すごい勢いで視力が悪化した。」
香川県でゲーム時間を規制する条例案が出されたことが話題になりましたが、それほどに、多くの人にとってゲームは教育上良くないものという印象が根強いです。また、視力への悪影響も懸念されています。
だからといって、やみくもに取り上げるのはNGです。時間を決めたり、約束を守ったら自由にやらせるなど、限られた範囲ではOKとすることで、メリハリのある生活が送れます。
モンスターペアレントになってしまう
「テスト前の部活で利き腕をケガしてしまった。字が書きづらいのでテスト勉強も思うように進まず、結果も散々だった。自分としては運が悪かったとしか思わなかったが、母親が大激怒。部活をやめさせると騒ぎ始めて学校まで乗り込んでしまう事態に…。恥ずかしいからやめてほしかった。」
子どもの定期テストは進路に直結するもの。だからこそ親としては有利な状態で受けてほしくて色々と世話を焼きますよね。それを部活のケガで台無しにされてしまったら怒りたくなる気持ちもわかります。
でも、やり方を間違えてしまうとモンスターペアレントだと思われて、子どもの肩身が狭くなってしまうでしょう。
勉強やテストの結果について何も言わない
「テストでいい点を取っても、親からは特に何も言われない。それが悔しくて今度はめちゃくちゃ悪い点を取ったけど、それでも何も言われず。自分のことなんてどうでもいいのかなって思ってしまった。」
褒め方や叱り方がよくわからない方や、口うるさい親になりたくないと考えている方がやってしまいがちなのが、全くリアクションをしないことです。
場合によっては子どもから「お父さん(お母さん)は自分に興味がないのかな」と、あらぬ誤解を招いてしまいます。関わり方に困ってしまったら、前向きな言葉をかけてあげるようにしましょう。
「成績があがったら…」の約束を守らない
「ネイルの分野に興味があるけど、親は『安定した職業についてほしい』と言って聞いてくれない。せめて趣味でやってみたくて、テストで80点以上取ったらネイルを買ってもらえるとの約束をしたが、まだ一回も守ってもらえない」
子どもは年齢によってはまだ自分でお金を稼ぐことができません。それを逆手にとって親に従わせようとするのは避けた方がよさそうです。
特に一度約束したことを無しにするのは、子どもに対して「約束は守らなくていい」と教えているようなもの。最初から約束しないか、約束でモチベーションを上げたいのであれば、守れる範囲の内容で約束しましょう。
志望校を勝手に決める
「勉強は嫌いではないので、テストではそれなりに良い点数をキープしていた。それが災いして、親が三者面談の時に勝手に地区内で上位3つに入る学校を第一志望校と言い出した。自分は自転車で通える近所の学校がよかったのに…。」
日本の教育では、入学した高校のレベルが今後の就職や進学に大きく影響します。そのため中学生の段階で、ある程度進路を決めなければいけません。ここでやってしまいがちなのが、進路について「まだ子どもには分からない」と決めつけて、親が勝手に進路を決めてしまうことです。
子どもの人生は当然ながら子どものものです。まだまだ未熟で信用できない部分もあるかもしれません。しかし子ども主体で決めなければ、やる気を持たせることもできませんし、子どもの自立心を育むことができなくなってしまいます。
じゃあどうしたらいいの?効果的なアプローチ方法
干渉しすぎもダメ。だからといって、無関心もダメ。このバランスが難しいですよね。しかも、子どもの主体性に任せようと見守ってみても、子ども一人では全然勉強を始めないので、結局口うるさく言ってしまう方も多いのではないでしょうか。
実はベネッセ教育総合研究所研究では、「勉強しなさい」と口うるさく言う家庭と、言わない家庭を比較したら、勉強時間は平均5分程度しか変わらなかったとのデータもあります。適度な距離感を保ったアプローチ方法について紹介します。
参考 第4回子育て生活基本調査(小中版)勉強や就職に関する親の思い出話をする
「将来は野球選手を目指す!」
「アルバイトをしながらアイドルを目指す!」
など、安定しない職業を語る子どもを見ると、親としてはつい否定したくなりがちですよね。そんな時は否定する前に、親である自分の思い出話をしてみましょう。
実は子どもが世の中にどのような職業があるのか知らないため、テレビで見かけるような職業しか挙げられないのかもしれません。
「お父さんは夜勤のある仕事をしていたんだけど、こんな事が大変だったんだよ」
「お母さんは数学が得意だったから、簿記の資格を取って経理の仕事に就いたのよ」
などと話してみましょう。
勉強や仕事に関する生の声を子どもに伝えることで、将来の自分の姿を思い描きやすくなりますよ。
大好きなことに没頭する時間を作る
子どもが何かに没頭する時間をつくることも効果的なアプローチ方法です。
こんな事を紹介すると「勉強に没頭してくれないから困っているんだ!」と言われてしまうかもしれませんが、没頭するのは勉強でなくてもOK。遊びやゲームであれば没頭できる子どもも多いのではないでしょうか。
このアプローチの目的は以下の2つです。
- 物事に没頭しているとすぐに時間が過ぎてしまうほど集中できることを教える
- 子どもが時間を忘れて集中してしまうものがなにかを知る
特に「集中力がない」とよく言われる子どもは、自分の集中力に自信を無くしているかもしれません。何でもいいから好きなことに没頭させ、「こんなに集中して何かができるなんてすごい!集中力があるんだね」と声をかけてみましょう。まずは自分の集中力の高さに自信を持つことが重要です。
また、子どもが何に没頭できるのかを知ることで、勉強方法へのはたらきかけ方を考えることができます。例えば限られた時間でたくさんのことをクリアするのが得意なのであれば、最初に課題の量を決めた上で、タイマーなどで時間を計って挑戦させましょう。
コレクター気質があるタイプの子どもには、問題集のページごとに8割以上理解したら台紙にシールを貼り、コンプリートを目指す方法もいいかもしれません。闇雲に「早く勉強しなさい!」というよりも、子どもに合った楽しめる方法を模索してみましょう。
子どものやる気スイッチを押す
某学習塾のCM発信で、巷でもよく耳にする「やる気スイッチ」。実は子どもによって、やる気スイッチは全然違います。そこで、以下の3つの方法で子どものやる気スイッチを刺激しましょう。
- まずは行動に移す
- ゲーム性やご褒美を取り入れる
- 子どもの声をちゃんと聞く
詳しくはこちらの記事でも紹介していますので、あわせてご覧ください。
まとめ
子どものやる気を削いでしまうアプローチを紹介しました。意外とよくやってしまうことも多かったかもしれませんが、それは子どものことを思っているからこそ。今までのアプローチ方法を悔やむ必要はありません。
しかし、せっかくなら子どもがやる気を出してくれるようなアプローチ方法を取り入れたいですよね。今回紹介した内容を参考にやる気が出るようなはたらきかけ方を、ぜひ子どもと一緒に探してみてくださいね。
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