春秋戦国時代の中国の思想家、孫子曰く「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」と。
今回はこの「己を知る」、つまり自己分析の方法について述べていきたいと思います。
何故、自己分析が必要なのか
受験において自己分析とは、自分の得意科目・分野と不得意科目・分野を正確に把握することです。
ここで大事なのは正確にということです。
ある程度受験勉強を進めていくと、それなりに自分の得意科目・分野、不得意科目・分野というものは分かってきます。
しかし、得意だと思っていても模試や学校の定期試験などでは思うように得点できなかったり、逆に不得意だと思っていても意外と良い点数を取れたりすることもあります。
得意だと思ってあまり勉強しなかったり、不得意だと思って相当勉強したりするためなのでしょう。
当たり前ですが、受験は総合点で合否が決まります。極端な話、数学が満点でも他の科目が0点では落ちるのです。そのため、実際には点数が取れているのに、不得意だと思って勉強し続けるのは効率が悪いのです。
その逆もまた然りです。偏差値を30から40に上げるのと、60から70に上げるのでは、同じ10の偏差値ですが、圧倒的に後者の方が時間がかかります。
そのため、総合点で勝負できるようにするためには、得意科目を伸ばすより、不得意科目を伸ばした方が良いのです。そのために「正確に」自分の得手不得手を把握する必要があります。
「正確」な自己分析の方法
正確に自分の得手不得手を把握することは相当難しいことです。人間誰しも自分にはどうしても甘くなってしまいます。稀に例外もいるのですが、羨ましい限りです。
こればかりはしょうがないと割り切るしかありません。試験会場で隣に座るであろう人も同じ人間で、神でも仏でもないのです。
きっと自分には甘いはずだと思い、安心して自己分析をしましょう。決して主観的にならず、客観性を保持し、自分に厳しく努めることを意識しましょう。
前置きはここまでとして、具体的な方法論について話そうと思います。
まず直近で受けた模試の成績表を用意してください。(模試を受けたことがないという人はとりあえず受験の申し込みをましょう。受けたけどまだ成績が返却されていないという人は返却を待ちましょう。それか、学校の定期試験の成績表を代わりに使いましょう。)
成績表を使うのは、「数値」という客観性のある指標を用いて主観性を極力排除するためです。
成績表を見ると、科目毎の点数と偏差値、そして大問毎の点数と偏差値、順位、志望校の判定などが書かれています。
もちろん誰しも目を通したことはあると思いますが、4教科や3教科(英数国理2や英数理2など)の偏差値と志望校の判定を見て一喜一憂して終わり、という人があまりにも多いように思われます。
これでは勿体ない。本当に勿体ないです。受験料の無駄です。同じ金額だしてゲームや漫画を買って息抜きしていた方がマシです。
もちろんそれらの偏差値や判定が大事ではないという訳ではありません。出願する際には最も重要な要素であることは間違いありません。
だが、自己分析においてはそれらは一旦忘れて、科目毎、大問毎の数値を見ていくことが大切なのです。
例をあげると、
- 数学の偏差値は65だったけど、英語は50だな。じゃあ英語のウエイトを増やそう。
- 英語の偏差値は50だったけど、長文読解は60あるぞ。でも英作文は40を下回っている。じゃあ英語のウエイトを増やすと言ったけど、特に英作文に時間を割こう。
といった具合です。
これを模試の成績表が返却される度に、直ちに行うことが合格への近道です。模試を受ける度に受験勉強の方向を修正していくのです。
「直ちに」といいましたが、その日にすべき勉強を放置してでもすべき、という意味です。
これまで順調に進んできたのに、曲がるべきところで直進しては合格という名のゴールには辿り着けません。辿り着けるのは全ての科目の偏差値が70を超えてくるような一部の秀才だけでしょう。
多くの人は修正しては実行することを何度も繰り返すことによって合格を勝ち取っていくのです。学校の定期試験の成績表を用いた人は、科目ごとの自分の点数と平均点を用いて同様に分析してみましょう。
また、もし自分の通っている学校が校内偏差値などを教えてくれる学校であるならば、もちろんそれを参考にしてください。
まとめ
お分かりいただけたでしょうか。漫然と受験勉強をしていては合格には近づけません。しっかりとした自己分析の元で勉強をしなくてはなりません。
面倒だと思う人もいるかもしれないですが、合格するには大切なことなのです。受かった後に、必ずや自己分析しておいてよかったと思う日が来るはずです。
最後に、このような稚拙な文章を最後まで読んでくれた読者の方が無事医学部に合格し、ゆくゆくは立派な医師になってくれることを願って筆をおこうと思います。
よろしければこちらの記事もご参考になさってください。
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