目標はやる気スイッチそのものであり、何かを成し遂げたいなら絶対に設定すべきものです。
ただし脳のメカニズムを考慮して正しく設定しなければうまく働きません。
モチベーションを上げてくれる目標設定とはなんでしょうか?
キーワードはドーパミンです。
目次
目標を立てるとワクワクする?!
ドーパミンとは、快感や幸福を司る脳ホルモンです。
ドーパミンが出ると、人間のやる気スイッチはONになります。
ドーパミンが分泌されるタイミングは2種類あります。
一つ目は「何かが起こるかもしれない」と期待するときです。
何かいいことが期待される場合に、それを実現させるために脳はドーパミンを出してやる気を起こします。
何か悪いことが期待されるときも、それを回避するためにドーパミンでやる気を起こすのです。
生物としての生存本能が、より良い状態を獲得するために発達したのでしょう。
二つ目は何かを達成したときです。
「いい期待の実現」や、「悪い期待ことの回避」に対する達成の報酬としてドーパミンが出るのです。
では目標設定・目標達成のプロセスとドーパミンの関係を見てみましょう。
- STEP.1目標設定報酬の期待によってドーパミン分泌!
- STEP.2やる気が出る!!
- STEP.3目標達成達成の報酬としてドーパミン分泌!
- STEP.4やる気が出る!!
- STEP.5次の目標設定報酬の期待によってドーパミン分泌!
- STEP.6やる気が出る!!
いかがでしょうか。
ご覧の通り目標の設定と達成は、非常にポジティブなドーパミンのスパイラルを起こすのです。
目標がやる気を呼び、やる気が次の目標を呼ぶ..!
こうして成長し続けるマインドセットを得ることができるのです!
常にモチベーションが高い状態で、常に、目標に向かって邁進できる状態を作れるのです
それでは一般に言われている目標設定のメリットを、ドーパミンの側面から見てみましょう。
メリット1:やるべきことが具体的にわかる
やるべきことが具体的・明確な時、人は行動を起こしやすくなります。
目標が具体的になればなるほど、報酬も明確になるため、期待も強まります。
具体化された期待によって、より多くのドーパミンが分泌され、やる気が出ている状態になります。
例えば今年中にTOEICを受験するとしましょう。
「いいスコアをとるぞ!」と「900点越えを目指すぞ!」では後者のほうが明確な目標なので、やる気を出しやすいのです。
また、目標達成までのプロセスを明確にすることで、実行中に「何をすればいいのか」を考える必要がなくなるため
実行中の集中力が増すというメリットもあります!
メリット2:達成感・充実感の積み重ねでモチベーションアップ!
目標がなければ達成感もありません。
このような状態でモチベーションを保つのは難しく、やる気はどんどん薄れていきます。
ドーパミンが出ていない状況です。
目標を設定して計画を立てると、中間目標や小さな目標も出てきます。
例えば
「TOEIC 900点を一度で達成するのは無理なので、まずは800点を目指そう」
「週に1度過去問をやってみよう」など。
これらは最終目標と比べると敷居が低いですが、それでもドーパミンは分泌されます。
小さな目標からドーパミンのスパイラルを引き起こして、モチベーションを高く保つことが努力を持続するためのコツなのです。
メリット3:軌道修正がしやすい
メリット1で紹介したように、目標を立てると必要なプロセスが分かります。
これは目標の軌道修正をする際に役立ちます。
例えば、年内に達成したい目標があったのに予想以上に忙しかった場合、計画を見直して本当に効果的で必要なものに焦点を絞ることができます。
反対に、やるべきことから見積もって、目標を達成するまでの時間を延ばすこともできます。
つまり目標を達成するための具体的な計画変更(目標の再設定)が可能なのです。
この「具体的」な「目標設定」では、報酬への期待によってドーパミンが分泌され、やる気が出ます。
このように目標設定はドーパミンの分泌を促し、モチベーションを維持する理想的な方法です。
それではドーパミンスパイラルが起こせる目標設定のポイントとは何でしょうか?
上手な目標設定のポイント
目標設定は、いかにドーパミンを出すタイミングを作れるかが鍵です。
キーワードは「分かりやすさ」「測りやすさ」「リアルさ」です。
分かりやすさ:具体性
ドーパミンを分泌するには「報酬への期待」が必要です。
報酬は分かりやすく設定しましょう
。例えば「英語を勉強する」よりも「TOEICでハイスコアを取るために勉強する」のほうが、報酬が明確になります。
測りやすさ:成果の明確性
成果が分からないと、いくら目標を立ててもドーパミンの分泌に繋がりません
。例えば「TOEICでよい点数を取る」よりも「TOEICで900点以上取る」など、達成を判断する尺度が必要です。
目標に数字が含まれていると達成度合いが分かるのでおすすめです。
また達成できなかったとしても、フィードバックで達成度合いを確認できると、ドーパミンが分泌されます。
リアルさ:現実性
達成できない目標に向かって長時間頑張ることは難しいです。
最終目標が今の自分には不可能でも、中間目標は現実的なものを設定しましょう。
目標達成のたびにドーパミンが分泌されて、やる気を維持できます。
以上3点を踏まえ、今まで例に出してきた「TOEICでよい点数を取る」というあやふやな目標を修正してみると、以下のようになります。
最終目標:今年の12月までにTOEICで900点を取る
◆やること
- 月に一度過去問をやってみる
- 週末に過去問で分からなかった部分を解く
- 毎日寝る前に10分、英語のリスニングかリーディングをする
◆中間目標
- 3月までに…過去問で700点を取る
- 6月までに…過去問で800点を取る
- 9月までに…過去問で850点を取る
いかがでしょうか。目標までの道筋や達成度合いの尺度が明確になっており、行動を起こしやすいプランが出来上がります。
まとめ
目標設定は科学的に人間の脳に働きかける、とても理にかなった方法です。
ドーパミンの分泌タイミングを意識して目標や計画を立てることは、モチベーションの維持に欠かせません。
ところで新年に目標を立てる人が多いのは、
「今年は何かが起きるかも」という期待にドーパミンが出て、モチベーションが高くなっているからかもしれませんね。
そうであれば、この機は逃すべからず。
勉強でも仕事でもプライベートでも、ぜひ目標を立てて充実した新年をお過ごしください!
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