資格試験の経験者に聴く勉強法!【中小企業診断士編 その1〜概要編〜】

中小企業診断士

社会に出てから取得する資格試験、特に国家試験に準じた資格と言えば、技術系の方や法律など特殊な技能や勤務経験、大学での専門分野の教育を受けた経験のある方以外は受けられないものと考えられがちです。

ですが、比較的問題の難易度が易しく、一般常識の範囲にプラスしてちょっとした専門範囲を学んでおけばテスト対策もしやすく、あらゆる職種で引っ張りだこの資格があります。

それが、技術系でもデスクワーク系でも持っていればとっても役立つ資格、中小企業診断士です。

これは「ビジネスパーソンが新たに取得したい資格」の1位に輝くなど、いま人気の資格です。今回はこの資格について掘り下げていきたいと思います。

資格の紹介

名刺に中小企業診断士と印刷されている方でよく連想されるのは、銀行などのお堅い金融機関の関係者。そのため、専ら会計や金融関係の方が取るべき資格だと思っている方が多いようです。

ところが中小企業診断士という資格は、あらゆる分野の経営分析やビジネスモデルの調査分析指導などを行う人にとっては、一通り揃えておいて欲しい基礎知識を確認できる資格試験でもあるのです。

中小企業診断士協会によれば、「中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家」とあります。言うなれば中小企業のお医者さん、という感じでしょうか?

さらに中小企業支援法には中小企業診断士(以下:診断士)の業務として「経営の診断及び経営に関する助言」と明記されています。

会社には株式会社や合同会社など様々な種類があり、それぞれで体制も異なりますので、特定の企業へ個別具体的なアドバイスを行うには企業についての幅広い知識と鋭い洞察力が必要になります。

参考 中小企業診断協会

試験概要

中小企業診断士になるためには、年に一度行われる一次試験と二次試験に合格した後、実務補習もしくは15日間以上の診断実務の実施の後に登録を行うことが必要です。

一次試験は筆記の多肢選択式試験、二次試験は筆記及び口述試験です。

特徴としては、司法試験などに比べて問題にクセがないと言われており、広く浅い学習で対応できることでしょう。

また、弁理士試験や司法書士試験に比べて暗記する項目がさほど多くないとも言われており、学習を始めれば業務での経験がそのまま活かせる科目などもあり、若年層だけではなく中高年層の受験者も多い資格試験でもあります。

最終的な合格率は、実受験者数に対して例年約20%前後で推移しています。

以下は試験に関するスケジュールとなります。あくまで目安ですが、ご参考になさってください。

  • 一次試験受験申込 5月の第1週〜最終日
  • 一次試験当日 8月上旬
  • 二次試験受験申込 8月最終週〜9月中旬
  • 二次試験筆記試験 10月中旬 / 口述試験 12月中旬

科目と日程

一次試験は計7科目あり、以下のような日程で実施されます。

  • 1日目
    1. 経済学・経済政策
    2. 財務・会計
    3. 企業経営理論
    4. 運営管理(オペレーション・マネージメント)
  • 2日目
    1. 経営法務
    2. 経営情報システム
    3. 中小企業経営・中小企業政策
それぞれ100点満点で各科目最低でも40%以上の得点が必要で、かつ総得点の60%以上を得点することで一次試験を合格することができます。

比較的よく読み込まなければならない問題が多く、日本語で文章をしっかりと理解して場合分けを行っている人であれば、得点が取りやすい試験かもしれません。

経済学や情報分野などかなり広い範囲になりますが、現在は3年間の科目合格制度が導入されているため計画的に3年をかけてゆっくり合格していくこともできるので、ますます資格取得人気が高まっています。

試験時間は科目によっても異なりますが基本的には60~90分で、配点は1科目あたり100点ずつの計700点満点です。

また、二次試験では企業の問題点や改善点などに関して解答する筆記試験と口述試験が課せられます。より現実的な事例が出題され、一次試験での7科目における深い理解と診断士として適切な考え方ができるかどうかが試されます。

合格のための勉強方法

合格のために必要なのは1年と言われていますが、科目合格制度を利用するのであれば2~3年のスパンで合格を目指すのもアリです。

そして、合格のための勉強法として挙げられるのは過去問を繰り返すことです。これは一次試験と二次試験に共通して重要なことです。

一次試験の時点での理想は、過去問に書かれている問題や解説の内容を把握している状態です。各問題で問われている内容、問題文や選択肢に書かれている重要語句の意味を正しく把握し、選択肢の正誤を論理的に説明できると合格がグッと近くなります。

過去問を繰り返すことのメリットとして、問題を解く中で間違えた問題や分からない問題を通して、新しい知識の記憶と実践を行えること、つまりインプットとアウトプットを並行できることが挙げられます。

二次試験の対策としては過去問の他にテキストを熟読し、知識をより深める必要があります。これは二次試験の半年前にあたる4月頃から開始できるとよいでしょう。注意すべきは、読まなくてはいけないテキストが7種類ある、ということです。

1冊1冊のテキストがそこそこ厚く、それを7冊も読むとなると正直気が滅入りそうになりますので、個人的には速読をオススメします。速読にはいくつかの方法があるのですが、私はこちらの方法を実践しましたので、ご参考になさってみてください。

学習効率を上げる速読とその方法

まとめ

試験科目が7種類もあり、二次試験では筆記と口述が課せられる、ハードルの高い資格試験と言えるでしょう。その上国家資格なので年に1度しか受験できるチャンスがなく、そこでよい結果を逃すと更に勉強期間が延びてしまいモチベーションの維持が難しくなります。

ここで紹介した勉強法を参考になさって、皆さんが診断士の資格を最短で取得できれば幸いです。

診断士試験の具体的な勉強法・対策法についてはこちらの記事もご参考になさってください。

資格試験の経験者に聴く勉強法!【中小企業診断士編 その2〜対策編〜】

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