「勉強したはずなのに実際に問題集やテストの時に全然解けなかった」という経験をした事はありませんか?
数学のような問題を解く科目だけでなく、歴史や日本史のような暗記科目を勉強する際にもインプットだけで勉強を終わるのではなく、基本的にはアウトプットもセットに考えるようにしましょう。インプットした情報をアウトプットする事でしっかりと記憶として定着しやすいと言われています。
この記事ではアウトプット勉強法の一つ、「エア授業」のやり方や科目別の活用法を紹介していきます。
エア授業とは
勉強した内容が記憶として定着しているか確認する方法の一つとして、その内容を人に教えるというのものがあります。
自分の頭の中で内容が整理されていないと人に教える事は出来ません。そのため覚えていない内容を把握するきっかけにもなります。
そして自分の言葉で相手に分かりやすく教える事で、情報がより整理されて、記憶として定着しやすくなるというメリットもあります。
その場合に適した相手としては、同じ内容を勉強している学校の友人や同じ塾に通っている人ではありますが、いつも一緒に勉強するというのは難しいでしょう。ほとんどの人にとって一人で勉強する時間の方が多いでしょうし、友達と一緒だとつい雑談をしてしまったり、一人でないと集中出来ないという人もいるでしょう。
その代替案として利用できるのが「エア授業」です。
誰かに教える体で説明する事で、一人でも相手に教えるという勉強法を活用する事が可能になります。
出来れば声に出してエア授業をする
少し恥ずかしさもあるかもしれませんが、出来ればエア授業は実際に声に出してやってみましょう。声に出してしまう事で自分の中で曖昧な部分を把握するきっかけにもなります。
エア授業の恥ずかしいという気持ちも、そういう感情が勉強内容と紐づけられて記憶されるのでより頭に残りやすいとも言えます。
また声に出す、音読自体に勉強効率を上げる効果がありますので、そういった面でも声に出してのエア授業がおすすめです。
状況によっては脳内でエア授業をするか紙に解説を書いてみる
出来れば声に出してのエア授業がおすすめではありますが、脳内だけでのエア授業も十分に効果はあります。
コツとしてはあまり覚えていない部分を曖昧にしたまま飛ばさないように、できるだけ脳内でのエア授業の場合も具体的に説明をするように意識しましょう。
脳内だけでエア授業を進めるのは難しいと思いますので、同時に紙に解説を書き出してみるという方法もおすすめです。この方法であれば偉人の漢字や英語のスペルを覚えているかどうかの確認も可能です。数学のような問題を解く内容の場合も、実際に紙に書き出した方がエア授業を進めやすいでしょう。
学校や先生の授業をイメージする
エア授業とは言っても具体的にどのように進めればいいのかイメージしにくい事もあると思います。そんな人は、学校の先生や塾の講師の授業を参考にすると分かりやすいでしょう。
先生によって多少授業の進め方は違うでしょうが、基本的には誰にでも分かりやすいような教え方をしていると思います。自分が受けている教え方が上手だと感じる先生の授業を参考にするといいでしょう。
そういった先生の授業は、生徒が分かりやすいような授業になるように何度も試行錯誤した結果とも言えます。
また、授業を参考にしようとしてみると、先生たちが一体どういう風に説明をしているのか、というところに意識が向きますから、自然と授業への集中力が増す、という副次的メリットもあります。
教科書や問題集の解答・解説を参考にするのもおすすめ
他にも、エア授業の参考として使えるのが教科書や問題集の解答です。
教科書は基本的な内容を分かりやすく記載してあります。例えば日本史の教科書であれば人物や出来事の因果関係が記載されており、そのおかげで全体像を把握しやすいようになっています。他の教科でも教科書には基本的な内容が記載されていますが、応用問題を解くために基本はとても重要ですし、エア授業の取っ掛かりとしても利用しやすいとも言えます。
教科書以外にも、問題集の解答・解説部分も参考にしやすいです。例えば数学の証明問題などは人によっては壁になりやすい問題でしょう。解答を見て分かったつもりになっていても、実際にもう一度問題を解こうとした時に分からなくなるという経験をした人もいると思います。
数学のような科目こそ、エア授業を活用して、実際にアウトプットしながら勉強する事が重要です。
エア授業のコツ
エア授業はどのような内容にも活用出来ますが、いくつか押さえておきたいコツを紹介します。
- 歴史関係は出来事の順番や因果関係を意識して、それぞれを関連付ける
- 難しい人名や名称、英語のスペルや数学の問題などは紙に書きながら進める
- 教科書に載っているままではなく自分の言葉で説明する
- それについて知らない相手に対して授業をするように、できるだけ分かりやすく説明する
科目別エア授業の活用法
それでは科目別にエア授業の活用法をいくつか紹介していきます。
大分ざっくりとした例になるので、あくまで参考の一つとして考えていただければと思います。
古文のエア授業
古語の「をかし」には「趣がある、美しい、興味がある」のようにいくつかの意味があり、前後の文章によってニュアンスが変わってきます。
源氏物語若紫の「けづることをうるさがり給へど、をかしの御髪や」という文章を例に挙げます。
「けづる」は「櫛で髪をとかす」、「うるさがり給へど」は「嫌がりなさるが」という訳です。
前半部分に適した「をかし」の意味は「美しい」になり、全部訳すと「櫛で髪をとかすのを嫌がりなさるが、美しい髪ですね」となります。
英語のエア授業
「I acknowledge that he is better at playing baseball than me.」を日本語訳にします。
「acknowledge that ~」は「~だと認める」という意味です。「is better at」は「be good at ~」「~するのが上手」の比較級になります。
そのため上記の文章の日本語訳は「私よりも彼の方が野球が上手だと認めます」という意味になります。
数学のエア授業
3次式の「\((3x-1)^3\)」を展開する問題です。
これは公式の「\((a-b)^3=a^3-3a^2b+3ab^2-b^3\)」が使えます。
「\(a=3x\)」「\(b=1\)」を当てはめれば「\((3x)^3-3\times(3x)^2\times1+3\times(3x)\times1^2-1^3\)」となり最後に「\(27x^3-27x^2+9x-1\)」となります。
歴史のエア授業
1467年の応仁の乱が長続きした事と、1493年に明応の政変などが起こり、室町幕府の権威が落ちていき、各地で守護大名に代わり戦国大名が力をつけ始めます。
守護大名や守護代、浪人など様々な出自の者が戦国大名になり、それぞれの領地で検知を実施したり分国法を制定し、大名領国制という独自の支配体制を敷きました。
そして各地で力をつけた戦国大名がそれぞれ天下統一を目指す戦国時代に突入します。
まとめ
この記事の内容をまとめます。
- 人に教えるのが最強の勉強法。一人でもそれをできるのがエア授業
- 出来れば実際に声に出しながら授業をする
- 勉強環境によっては脳内で授業をしたり、紙に解説を書き出す
- 学校の分かりやすい先生の授業を参考にする
- 教科書や参考書、問題集の解説を参考にする
エア授業は普通に文章を読んだり単語を覚えたり問題を解くよりも時間がかかりやすいですが、それだけ記憶として定着しやすいので、その後の復習の時間を減らせるとも言えます。
日本史や世界史の基本的な内容についてエア授業をして基礎を抑える事にも使えますし、数学の難しい問題の解き方がしっかりと頭に入っているかを確認するのにも使えます。
ある程度勉強をし終わった後に最後の確認作業としてエア授業を活用するというのもおすすめです。
また下記の記事では別の方法として、関連ごとを物語形式で記憶していく、エピソード記憶を上手く活用する事で記憶に定着を図る方法についてもご紹介しています。
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